鈴木のぞみ「海からのおくりもの」南伊豆7日目
MAW 最終日。
朝は、東小浦のお囃子練習で出会った小林さんにお誘いいただき、毎週水曜に開放している「南史会」のお部屋を訪問。
ここには南伊豆町の古い資料がたくさん置いてある。各家に古くから残された帳簿などもここに集まる。
前日に、伊浜のつねさんからお話を聞いた「粟の長者」のお話が気になっていたので、民話集を見せてもらった。
また来るなら貸りていってもいいよ、と小林さんが言ってくれたので、お言葉に甘えてお借りした。必ず資料を返しに行かなければならない、という理由があるのが嬉しい。
それから、もう一度海辺で曲を作りたくて、また伊浜へ。南伊豆町ではどの地区も11月2日がお祭りなので、昨日はなかったのぼり旗がたっていた。
お昼すぎには出ないといけないので、30分だけここで。
前日は夕暮れ時だったので空がオレンジだったけど、お昼は真っ青でキラキラした水面を見ながら、波の音を聞きながら。
このピクチャーフレームにBGMを入れたいな、と思い 前日つねさんからもらったモチーフのベース音をもとにさらっとしたものを作ろうと思う。
何だか黒が無機質なので、流木ベンチに合う感じの鍵盤とスタンドが欲しいな、と思った。(現在スタンドはオーダー中)
旅の最後は、五十鈴川美術館へ。(3日連続)
3日前、郵便局に行こうとしてここに車を停めて、この看板が気になってのぞいたところから2日連続でご飯をいただき、たくさんお話させていただいた。
美術館の中を、昨日も今日も、1時間ずつくらい、ゆっくり見させていただいていた。
初めて足を踏み入れた時、矢谷長治さんのスケッチブックの中にあった「落日」という、小浦の海に沈む夕陽を描いたスケッチを見た時
あれ?あれ?と勝手に涙が出て止まらなくなり、
その衝撃がすごかった。
美術作品を見て涙がこんなに出たのは初めてで、その理由も分からず
ただ、暫くそのスケッチを見つめて過ごした。
今回の滞在で、矢谷長治さんの絵と、千景さんとの出逢いは、本当に大きな出来事だった。
千景さんが、箸置きやお皿として使っていた陶器のかけらを、お土産にくれた。
7日間の滞在、本当に濃い時間だった。
またこの人たちに会いに帰ろう、と
ここを離れる瞬間淋しさを感じるくらい、思い入れのある場所ができたことが嬉しかった。