久木田茜「何を受け継ぐのか(6日目)」
6日目。
キャンプ場で目覚める朝。
泊まったキャンプ場は、「龍山秘密村」というところで、
地域おこし協力隊やNPOの活動を通じて開発されたらしい。
コロナ禍以降のキャンプブームもあり夏はとても人気なレジャースポットだという。
午前中はゆっくりとキャンプ場で過ごす。
こうしていると若干、龍山から離れた気持ちになる。
キャンプ場は、人工的に作られた自然の空間である。
大いなる庭のような感じ。
午後は、ヒデさんという村でしめ縄を作る方に会いにいくことに。
しめ縄飾り作りと、この村の民話についてお伺いすることができた。
やはりこの地区の人々にとっては、白山神社は特別なものなのか、
白山神社にまつわるお話などをいくつか聞かせてもらった。
正直、このような神社と村との関係を詳しく聞くとか、、
地元もそこそこ田舎だがあまりないなと思う。
神社や寺という存在も、現代以降においてはどこまで機能しているんだろうか。
江戸時代なんかはよっぽど神様が必要だったんだろうなと思うし、
神という存在はとても身近なものだった。
山間の村が、山の山腹にポツポツと集落がある。
この窓辺から見る風景は、山を見下ろせる。
山綺麗だな〜と思い、向は上下山でほぼ佐久間(別の町)になるらしい。
山に囲まれた村には、ダム以外の文明や技術は遠いように思われる。
いくつかの石積みの茶畑も今残っている農家さんで終わりだという。
秘密村が唯一の発展途上の商業だと思われるが、このように有り余った遺産はどうなるのだろうか。
私たちのように、過去の文化を面白がり何かに活用したいという気持ちはあっても、関わるということは生半可なことではない。
しかし、細々と呼吸を続けている運動に対して、すっと息をすることが楽になるような、何か安心できるような、現代ならではの関わり方があればいいなと思う。
聞いた民話も、昔の人と神様と天狗や妖怪たちの関わり方が残されている。
今回聞いた中で、私はすぐにアウトプットできそうにないが、、
自分の心に民話の種を植えて、いつか何かの花を咲かせるように育てていきたいと思った。