國吉咲貴「ツチノコ(2日目)」
こんばんは。
國吉咲貴です。普段は演劇をつくっています。
御殿場で旅人になって早くも2日目です。
時間が経つのが早い。気を引き締めます。
11/5(日)2日目
7:30 起床。目覚ましが鳴る前に起きました。緊張しているのでしょうか。緊張しているのでしょう。
いつもと違う天井を見上げながら、私は今日も私のままだなあと少しがっかりします。
ある日突然特別になってたりするのを、大人になった今でも待ち望んでしまっています。
自分ではない何かに変わりたくてMAWに応募したところもあるのでしょうが、人はそう簡単には変わらないこともわかっているので、私が私のままでどんな風に1週間過ごすのか、見ものです。
11:00 みんなで駅前近くにある駐車場の屋上に行きました。展望台になっているらしいです。
展望台からは富士山が見えるそうです。
見えませんでした。
そう簡単に見えると思ってはいけない。
まずは己の心に富士を描け。
己の心で富士を見ろ。感じろ。
富士山は私にそう語りかけているようです。
私は想像上の富士山を思い描き、目の前に映し出しました。
擬似富士山見物です。
人はすぐに怠ける。
見えるものしか見なくなる。
そんな自分の怠惰さを、見えない富士山は叱ってくれたのでしょう。
ちなみに普段ならこの時期はよく富士山が見えるそうです。
最終日までには生富士山を見たいです。
駐車場の屋上から見渡した御殿場の街は、新しいホテルが出来てたり、更に増える予定だったり、道を広げようとしてたりしてました。
御殿場は変わっていってる最中のようです。
目の前の山を抜けると、箱根があるらしいです。箱根がそばにあるというのはなんたる安心感でしょうか。
11:50 昨日から開催中の、アークラ大サーカスに行きました。
アークラ大サーカスというのは、クラフトやアクセサリーや陶器など、様々な作家さんの作品や、美味しい屋台がたくさん並ぶアートフェスです。
会場はお客さんで大盛況でした。
羊のなんかとか、火のなんかとかが会場にあったり、
キノコが木からぶら下がってたりしてて楽しかったです。
木に実るキノコ、絶対みずみずしくて美味しいと思う。
キノコと羊を見てたらお腹が空いたので、キャロットラペとソーセージを食べました。
私の目の前に、顔よりも大きなわたあめを持った少女が座り、私の顔を見ながらずっとわたあめを食べていました。
私はずっと少女の顔を見ながらキャロットラペとソーセージを食べました。
緊張しましたが、いい体験でした。
アークラで出店してあるお店には、お皿やペン立てやカバンなどが売ってて、可愛くてオシャレでどれも欲しくなりましたが、お金がないので諦めました。
どんなときでも諦める理由にお金が出てくるの、そろそろやめてほしいです。
一刻も早く、石油かツチノコを掘り当てたいです。
イベント実行委員の方もお客さんも、みんなあったかくて優しい空気がふわふわしてて、会場全体がのんびりふんわりしてる感じが幸せでした。
私はお祭りというものは好きなのですが、お祭りが好きな自分が嫌いなので、お祭りに行くと、どういう風に立っていればいいかわからなくなります。
表情がうまくなりたい。
心の底からピュアになれれば、富士山も見えるようになるのでしょうか。
サーカスっていい。
サーカスって、聞いたでけでワクワクするし、見てもワクワクするし、見た後もワクワクします。
サーカスのような人間になりたいです。
16:00 宿に戻りました。疲れてるのに眠れないふにゃふにゃになったので、仕事をしたり仕事じゃないことをしたりしました。
何もしないってことが年々できなくなっているのは年齢のせいでしょうか。性格のせいでしょうか。時代のせいでしょうか。
21:00 マウント劇場でみんなで夜ごはんを食べながら、いろんな話をしました。当たり前だけどみんな大変でみんな考えててみんな生きてるんだなと思いました。
○今日の総評
何かを考えるのと同じくらい、何も考えない時間って必要だなと思いました。
今回の旅が、そのバランスをうまく取れるようになる一歩になったら嬉しいです。