久木田茜「共同体(5日目)」
当然のことながら、人は一人では生きていけない。
この山での暮らしも然り。
人と協力して生きていくということは、人らしい暮らしを送るための方法である。
この日は朝から白山神社のお掃除です。
月末のお祭りに向けて、鳥居にしめ縄を飾るなど大かがりなものでした。
お掃除の写真はあまりなかった(笑)
けれども、自分という存在が掃除をしたという行為の中に溶け込んで、仲間入りできたような感覚になった。
5日目にして、この白山神社という神社が、とてもこの村(特に瀬尻地区)をまとめてあるものであることに気づく。
コロナ禍ぶりのお祭りにいろんな人たちが再会できるようになるといいなと期待した。
町の人たちと少しずつ受け入れてもらって、
ふと、自分がある共同体の中に認知してもらえるような感覚に陥る。
そうした時に、私はきっと町の彼らにとって全くわからない人ではなく、少し何やっているか分かるような人となる。
このことは、私の中で少し旅人とは離れる要素となるようだ。
全く知らない町の、大量の情報が私の身に流れ込んでいて、
旅人としてのポテンシャルも失われた私は、
かなり疲労や混乱もしている自分もいる。
このようなフワフワした状態から、この日は午後キャンプ場へ、
たまたま居合わせた他の旅人と火を囲んだ。
少し、また旅人らしさを取り戻した気がした。