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西松秀祐 「道 / 南伊豆2日目」
船釣り(子浦)
朝6時ごろから起き出して、これから行く船釣りの準備をする。民家に囲まれた細い路地、そして山の影響もあるのか、まだ少し仄暗かった。少し早起く起きすぎたので、散歩をする。民家の間を抜けていく細い道をくねくねと歩きながら、道端のリヤカーが多いのとか、網がフェンスにかかってるのとか、外に水道場がある家があるとか、港町という印象を受ける。
7時から11時半?ちょっと覚えていないが、船釣りを体験する。船長はとても優しい人だった。なかなか釣れないと不安そうな表情をしている。たまに会話をしている流れで、「えびは昨日までだった」みたいなことを言っていて、海老漁は昨日までだったと思って聞いていると、伊勢海老漁のことらしく驚く。船釣りではアカハタ、オオモンハタ、カンパチが釣れた。カンパチは自分は釣ることができなかったので、「また次回!」と言われたのがなんとなく優しい気持ちになれた。
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下賀茂へ
船からあがり、陸についたのが丁度お昼前でひとまず、スーツケースを忘れたこともあって服が必要なので、下賀茂の方に行き、南伊豆のしまむらと紹介を受けたミローへ行く。
その後はベトナム料理店でブン・チャーを食べる。そして道の駅に行き、郷土資料の場所を訪れる。もうちょっとゆっくり見たり質問したりしながら見たかったが、監視の人も誰もいなく、正直船釣りの疲れもあるのか、途中でまた来ようと決める。
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道の駅の中はすごい野菜の種類も多く驚く、特に芋関係の種類が多かった。蒟蒻芋も初めて見た。それに個人的に今年食べたもので一番美味しかった食材、マコモダケもあり即購入する。その他には食べたことがない海老芋、そして郷土菓子なるへらへらだんごを購入。食べたばっかりだったけど、普通に疲れた体にありがたく、全部道の駅のベンチに座って食べ切った。
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逍遥する in 子浦
そのあとはまた子浦に戻り、車を港に止めると、船を陸にあげる作業を行っていた。陸から海中に向かって線路のレールのようなものが伸びていて、そこに大きな台車がのっている。その台車が海の中に入っていき、船をのせ、その台車に結ばれた紐を巻き取りながら陸に引っ張っていく。舟を操作する人、レールの上の紐を巻き取る人、レールの上に乗り船が曲がってないか確認、指示を出す人、岸辺から船を押したり引いたりする人2名、計5名がそれぞれ声をあげながら作業を行なっていた。観察していると、Google Mapの目的地をゲストハウスにしていたので、急に「Uターンしてください」の指示がなり、大きな船が目の前でドッキング中なので、意味深に聞こえる。それぞれの声(指示)たまに身体を使って船の向きを指示している姿は、ずっと眺めていられた。
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その後は子浦を散策をする。
・歩いていると津波避難所が、八幡神社、臨済宗のお寺、旧小学校、になっていて、高台にある神社仏閣、小学校、なんか子浦の先祖の人たちの足跡を感じる。
・階段の途中に水が貯められた、コンクリで作られてあタンクがあり、そこから水がちょろちょろ蛇口みたいなところから流れている。その上に丸い石がおかれている。どこからこの水はきてるのかな?とか考えながら歩いていると、散歩中の町民に会ったので、飲めますかね?と尋ねる。どうも昔は使ってたそうだが、今はね。と言っていた。上に登ると旅館跡があって源流があるらしい。とのことで向かう。
・子浦は港町で歩いていると、海抜何メートルの表記がある看板を見かけるが、結構急斜面に民家がひろがってるのか、(たしかに階段も多い)歩きながらどんどん海抜から高くなっていく速度に驚いた。
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・民家の間を縫う道は所々とても狭く、公道なのだけど、私道のように感じる。自分が他所者であるという意識がそうさせているとは思うが、実際、道が歩いていると、玄関に繋がっていたり。公道と私道の境界が曖昧で、歩きながら道についての想像力が一気に加速する。
その道についての思考に繋がることだが、車が入れないこの地域では、おそらく火事などで地域の消防団の力が重要であるとか、そもそも対岸の火事みたいにできない共同体としての感覚がありそうだし、他者と個人の境界がかっちりとは分別できない部分があると思う。それが公道が私道に感じる一つの理由のようにも感じる。
海岸でぼーっとしていると、どこかから大声で「夕飯5時半でいい?」と聞こえる。遠くの民家から、海岸で釣りをしている家族への伝言。聞こえづらいのか、何回もやり取りを重ねるその大声に、なんかほっこりする。
夜釣ってきた魚などを調理し、宿のひとたちみんなでご飯をする。めちゃくちゃ豪華で、南伊豆来れてよかったなと噛み締める。みなさん料理が上手。
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道。とは。もう一度考えながら寝ようと思う。まとめれたら、どこかでまとめたい。