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鈴木ユキオ 「知ることから始まる未来。いつか、生まれた街・静岡で、また歩き出す日を楽しみに」(滞在まとめ)

マイクロアートワーケーションに参加して。
藤枝市に滞在6日、あっという間の1週間でしたが、やはりこれぐらいの日数は必要だったのかなとも思います。 地域に本当の意味で「入り込む」には、もちろんもっと長い時間が必要だとは思いますが、それでも1週間歩き回り、いろんな人に会って話を聞くことで、少しでも藤枝市の内部に触れることができたらいいなと思っていました。
ホストをしてくださったフジエダカラーの亜弓さんは、ご自身も旅人を経験した上で、今回ホストをしてくださっていました。そのため、旅人の気持ちもよく理解してくれていて、程よい距離感と内容で、もてなしてくださいました。

私は静岡で生まれ、磐田市に高校卒業まで住んでいたのですが、高校生くらいまでだと、自分が住んでいる場所以外のことはあまりわからないものですね。 最初の印象は、藤枝といえば「サッカー!」くらいしか正直わからなかったです。今回いろんな活動をされている方が、藤枝にもたくさんいることもわかりましたし、サッカーはもちろん盛んだけれども、文化の面でも面白い活動をしている人が、こんなにたくさんいるんだと知ることができました。

本当にたくさんの方に出会い、お話を伺いました

街歩きの楽しさを教えてもらえたことも大きな収穫でした。街を知ることで、今、目の前に見えている景色が、また違った見え方をする。歴史を知ることで、この街の「今」がどんな経緯でできてきたのかが見えてくるのだなと、感じることができました。
静岡全般にいえることかもしれませんが、気候も温暖で住みやすいことや、地形的に海も山も近くにあり、土地も豊かなこと、東海道など、昔から交通の要が多く、人が行き来する場所であることなどで発展してきたことが、今も感じられますし、新しいものや人を受け入れる感覚があるのかもしれないなと感じました。

いくつかのロケーションのよい場所で踊ってみたりしました。今回は踊ることが目的ではないけれど、やはり素敵なロケーションに出会うと踊りたくなります。 蔦の細道と呼ばれる宇津ノ谷峠にある明治・大正・昭和・平成に作られた4本のトンネルが並行して走っている場所に連れていってもらいました。
明治のトンネルは、車は入れないのですが、人は通れるようになっていて、そこだけ時間が止まっているような昔の雰囲気そのままの場所でした。そこで少し躍らせてもらいましたが、とても気持ちよく、ここで何か作品もできそうです。

また、大久保キャンプ場では「誰もいない」というラッキーな状況もあり、自然の中で気持ちよく踊らせてもらいました。 車がないと行けない場所ですが、ここもいろんなことができそうです。白子ノ劇場さんが行っている演劇祭などもあリますし、いろいろな地域でイベントが行われたら面白そうです。

2週間前に、豊岡演劇祭に参加してきたのですが、そこではキャンプ場で公演をしました。火も焚いてロケーションが素晴らしく、その場所の力が作品の強度を高めてくれたように思います。藤枝にも素敵な場所が幾つもあるので、そんなことが起きたら面白そうだなと思いながら、ついつい踊る場所を探してしまいました。

もうひとつ印象的だったのが「みんなのミライ学校」でした。みなが思いおもいに学びたいことを学んだり、駄菓子屋を開いて売上げを出そう、とみんなで計算をしたりと、目的があることで学びが始まるというような形で進行されているのが素敵でした。 私も支援学級などでダンスのクラスを担当することも多いので、ぜひいつかここでみんなとダンスできたらよいなと思いました。

ここで、ダンスをきっかけに「楽しむ時間」を作れたら嬉しいです

最後の夜は白子ノ劇場のみなさんともたくさん話すことができ、ここでの活動や今後の展望なども聞くこともできました。あっという間の1週間でしたが、発見も多く、素敵な出会いもある、よい時間でした。次回は演劇祭などの時に、顔を出してみたり、お祭りがどんな感じなのかもみてみたいと思っています。

最後に、今回の「旅」を支えてくれた皆さんに心からの感謝を送ります。そして、この感謝をいつか何かの形でお返しできたらと思っています。ありがとうございました。

鈴木ユキオ(振付家・ダンサー)


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