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早渕仁美「想いに沿う。(6日目)」
10/13(金)
この交差点を下ると、海。
中華屋のふじやさんは何十年もこの交差点でひっそりと店を構える。
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風通しのために少し開けた戸からは、海の風とともに交差点を時々通る車の音がする。このお店の建物で生まれ育ったという女将さんが気さくに話しかけてくれる。たまたま居合わせた常連さんのアキちゃんと一緒にしばらく話した。
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お店に伺ったのは10/11
お二人とも海の思い出がいっぱいだった。
というのも、私は懲りずに地図や観光情報には載っていない、稲取に関わった人が持っている「場所」を集めている。海、湾、家、道。場所はいつもそこにある。その人の人生の中であるとき出会った「場所」を探しにいく。
女将さんは昔、近所の誰かから声が掛かると鍋とザルを持って海に出かけたという。魚が来てるよ〜という声かけらしい。当時はザルでその魚たちをすくって持って帰るのが習慣だったそうだ。海に直接すくいにいくなんて、次元がすごい!
アキちゃんはというと、夏はほんとに毎日泳いだと。とにかく泳ぎに泳いで、体が冷えると日干しされた大きい岩にくっついて温まっていたそう。稲取の海は砂じゃなくてあちらこちらに大きな石がある。誰に教えられるでもなく、みんなこの習慣があったらしい。
この坂の下の海でも魚獲ったし、泳いだよ〜というので、行ってみた。
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当時は役場まで海だったらしい。今はコンクリートになってしまったけど、この辺りで魚すくったり泳いだりしてたんだなー。少し歩けば岩があるし、釣り人もいる。そういう痕跡を辿れば、コンクリートになった場所にも当時のことを想像することができる。
女将さん、アキちゃんありがとうございました。
ところ変わって、つるし飾り製作工房絹の会の吊り飾り体験に行った。(体験したのは10/12)
稲取は雛のつるし飾りの発祥の地。つるし雛というのは江戸時代から続く、伝統的な風習で、女児の初節句に健康や良縁を祈り、猿・桃などの形を模した人形を、ひな段の周りに飾り付けるもの。町の至る所に飾ってある。
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作りたいキットを購入して作り方を教わりながら作っていく。初級〜上級者まであって、私は初級の桃、猿、豆を作ることにした!多いな!
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お店のマスターである森さんの見守りのもと、森田さんという師匠が教えてくださる。
こうしてね!こうしなきゃダメよ、そうそう上手にね、この方法覚えといてね、という具合に優しくて厳しいご指導が、ほんとに心地よい。手に染み込んだ作法と合わせて、かっこいいんです。
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なんと、4時間。4時間ずっとご指導くださいました。作業の合間に森さんから吊るし飾りの伝統や、受け継がれてきた人の想いを様々聞かせてもらった。終始、噛み締めるように聞かせていただいた。型にはまった伝統とか、昔の話とかじゃなくて、身近なお話なんですよね。
みなさん、作るのっていいですよ。作ることで、当時から続くものに想いを沿わせる体験ができます。簡単に出来るものじゃないけど、自分なりに想いを込めれば実は何でもよし。ひとつひとつ。想いを込めてって、良く言うけど、自分で作って感じることもある。良く言う言葉ってするすると横流しに聞いちゃうけど、実はほんとにいい言葉だったりする。そういうことだったのか、って、意外な場面で分かることもあるよね。
家に帰ったら、習ったことを踏まえて残りのキットを完成させます!
森さん、森田さん、ありがとうございました!