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國吉咲貴「死海(5日目)」


おはようございます。
國吉咲貴と申します。普段は演劇をつくっています。

5日目にしてやっと、つまり昨日なのですが、こうやってMAWに参加すればいいのでは、と思ったことがあるのですが、それを思いついたのが割と夜だったで、それは6日目の日記かまとめにしっかり書いたり書かなかったりしようと思います。

11/8(水)5日目

朝起きて、今日はどこに行こうか。逆にどこに行かないでおこうか、などと考え、10時10分に「キリン蒸留所に行こう」と思いつきました。
無料シャトルバスを調べたらあと20分後に出るらしいので、10分で支度をして飛び出しました。

人は頑張れば10分で顔も洗えるしメイクもできるのですね。
「10分の偉大さに気づいたのはいつですか?」と将来聞かれたら、私はこの日のことを答えます。

御殿場駅は、シャトルバスの量の多さにびっくりします。
箱根乙女口には5つの乗り場があり、全部目的地は違います。
それだけお客さんを連れて行く場所があるということで、それだけ徒歩では行けない観光地が多いということです。

御殿場の街をフラフラしていると、住民より観光客のほうが多いのではとさえ思ってしまうほど、いつだってどこかに観光客がいます。
服装で観光客と思っているだけなので、もしかしたら荷物が多いよそ行きの服装が好きな住民の方々かもしれません。


御殿場に来て五日間。シャトルバス乗り場に並んでいると、毎回思います。旅人という立ち位置は、観光客と何が違うのでしょう。

キリン蒸溜所に行くバスには、私ともう一人女性が乗っているだけでした。彼女は観光客でしょうか、旅人でしょうか。




キリン蒸留所に着きました。
蒸留所ツアーがあるらしいのですが、私は思いつきで来てしまったのでツアーの出口付近に立ち、ツアー終わりの人たちの「面白かったねえ」という感想や満足気な空気を吸う、ということをしました。

何も見てもないし学べてもないですが、ツアー後の人たちの中にいるだけで、なにかを見た気分になるのは新しい発見でした。

受付でウイスキーを「試飲しますか」と聞かれたのですが、私はお酒を飲むと頭がふわふわして仕事が手につかなくなるので諦めました。

なので試飲しているツアー客の中に混ざり、
「コクがあるねえ」「全然違う」
という飲み比べウイスキーの感想を聞き、自分も飲んでいる気分になろうとしていました。
なるほど、コクがあるのか。全然違うのか。と、飲んでないウイスキーの味を想像しながら、ツアー客と一緒に、個人的にツアーを楽しみました。

ツアー客と一緒に個人的にツアーを楽しむって、聞いたことない日本語だなと今書いてて思いました。
聞いたことない日本語が、いつか人々の言葉になっていく。
今後積極的に使っていこうと思います。

ツアー客の人たちが私を怪しみ始めたので、展望台で山々を見ました。
今日は富士山は見えませんでした。



蒸留所です。
こんな山の中で作られたウイスキーはさぞ美味しいのだろう。



キリンの森がありました。



キリンがいました。

水も流れてました。

これがウイスキーになるのでしょうか。
ウイスキーになろうともならずとも、とても綺麗です。

御殿場駅へバスで戻ると、30分後に時之栖(ときのすみか)行きバスが出るらしいので、違うバスに乗って向かいました。

目的地へ移動してる最中に楽しそうな場所を見つけ、次なる場所へ向かうというのは、観光客には素敵だろうなと思いました。
私は観光客と何が違うのでしょうか。




時之栖は、ホテルや温泉やご飯やスポーツなど、あらゆるものが集合している場所でした。


チョコレートが流れ落ちていました。
そんなことあっていいのでしょうか。
誰でしょうか、チョコレートを流し落とそうと思ったのは。

あれを、浴びたい。

チョコレートを浴びたくなったので、温泉に入りました。
死海のお風呂があり、珍しさに興奮して入ろうとしたら、ふくらはぎが怪我してたみたいでめちゃめちゃに染みてやめました。
塩です。
塩は危険なものなのだと思い知らされました。
こんなに痛いのだから、毎日塩分の濃い食事をしていたら、そりゃあ体は壊れるでしょう。

「食生活を見直すようになったきっかけは?」と将来聞かれたら、私はこの日を答えます。

宿泊場所に戻り、同じ御殿場に滞在している丹治さんがグループ展をされていたので、展示を見て、そのあとのトークショーを聞きました。

私は展示に憧れがあります。
演劇は、上演時間とか客席とかに制限や拘束ができてしまいます。
物体があれば、お客さんは自由な時間でそれに触れることができる。

長い時間椅子に座ってられない、という理由で演劇に来れない方が知り合いにいるので、そういう人が気軽に来れたらと思い、小さな美術のセットがいくつも組まれた中を、ラジカセを持って移動しながら音声ドラマを聞く、「ボイス美術館」という展示と演劇を合体したものをやったことがありました。

たぶんこれは長期的にやっていかないといけない企画だなと思いつつ、第二回目をできないままなので、今回の滞在期間で展示をしてしまう、という丹治さんの行動力はすごいな、羨ましいな、と思いながら、そのあとのトークも聞いていました。

ぼーっとトークを聞いているときに、あ、なんかこうやってMAWに参加したらいいのかも、と思ったことがあるのですが、言葉と考えをまとめて、6日目の日記かまとめに載せたいと思います。

つづく

(毎日「つづく」って最後にやったほうがカッコよかったなと今気づきました)

くによし組のHP  https://kuniyoshigumi.jimdofree.com/

國吉咲貴のSNS  @kuniyoshisaki

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