柴田まお「22.9.3 ぴーかん日和」(2日目)
一週間ずうっと雨だと思っていた2日目。
なんならカンカンに照った太陽を睨みながら本日をスタートさせました。暑い゛
今回、このワーケーション河津町では、私の他にあと2人の方達と参加している。俳優の高野ゆらこさんと、彫刻家の井原宏蕗さん。
誰かと一緒にいながら、喋りながら、少しづつこの町を探ります。
●2日目 ずっと晴れ
・伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館
山を登り、
中が空っぽの南禅寺を横に、像が収納されている「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」へ向かった。
「じっくり見てください、そのあとに説明します。」
そんな言葉を繰り返し言う館長さん。部屋には、中央にある薬師如来座像を囲むように沢山の像が置かれていた。明らかにボロボロで、虫食いもされている。
館長さんは、大仏ひとつひとつを、丁寧に丁寧に説明をしてくれた。
私の専門は彫刻で、けれど木彫には触れる程度で、主に使っているでは無い。それでも他人事では無く、ここにある個々の彫刻作品をめぐったお話はとても関心深かった。
受付にある名簿長には、知っている沢山の作家さんのお名前。やはり皆さん勉強を続けるのだなと思いながら、私の名前も残しておいた。
また学ばさせていただきます。
・つるし雛 池田さん
桜木が並ぶ川沿いにある「手づくり作品展」。
入口から大量の「つるし雛」で迎えてくれた池田さんのお家にお邪魔する。
部屋の中まで綺麗に飾られたこの沢山のつるし鶴たち。女子大興奮、素敵。
「今こんなことをやっているなんて、昔は予想もしてなかったわ」
沢山のことを経験してきた彼女が、つるし雛をはじめた1998年は、私の生まれ年だった。
お土産に、着物生地でできた作品も選ばせてくれた。
「あなた意外と地味なのを選ぶのね」と突っ込まれつつ、ほぼ黒い服しか着ない私の胸元に、一つの椿のブローチをつけてくれた。少しわがままに沢山のお土産をいただいて私大満悦、贅沢。
私も少しは煌びやかな服でも着ようかしら。
・栖足寺
昔話、河童の出てくるモデルとなったお寺。
入り口入ってすぐ、河童の像の前にきゅうりがドン。
「きゅうり封じ」と言うらしい、お供えしたきゅうりはカッパに持ち帰ってもらう。
お話しをして驚いたのは、まさかの私と住職さんと地元がほぼ一緒。地元話が盛り上がり、東京の多摩から河津町にきたのかぁと、なんだかなんだか共通する意識から話し込んでしまった。
前は音楽をやっていて、今も寺の中で演奏会をしているそう。音楽法話、音楽を仏教的観点で語っていく住職。また、一人の表現者だ。
河津町の皆さんはとても優しく、沢山のことを深くまでお話ししてくれた。場所にも地域にもそれぞれに物語があるように、出会った人それぞれに物語があることがとても面白かった。
あと5日間。きっといい滞在になりそう。沢山の先輩たちからもっと色んなことを教えてもらいたい。