西松秀祐「函南探訪(5日目)」
目が覚めてテントを出ると、今日はしっかり富士山が見えていた。前日まで少しガスっていて見えていなかったので、キャンプ場最終日に見れて本当によかった。
朝は地元の方と意見交換会ということで9時にオラッチェへ。オラッチェの従業員の方や地元で牧場をやっている内田さん、そしてキャンプ場でお世話になっているワタナベさんがいた。軽い自己紹介をして少しの時間話し合いの中で印象に残っているのは、内田さんが言っていた言葉で、内田さんは移住者と地元民という言葉を使うのを少しためらいながらも「子供のころから地元で暮らしていると地域の良さというのに慣れてしまって分からない部分もある。そういったことを知るためにも移住者の方や、旅人の人の意見というものが重要だ」と言っていた。
自分も移住者として大分の山香という所に住んでいるので、移住者と地元民の関係は興味がある。negura キャンプ場も、オラッチェの土日に開催される朝市(まだいっていない)もそうだと思うが、移住者と地元の方、そして旅人などが自然と交流する可能性がある場所は何か惹かれるものを感じる。
そして昨日あった小学生のプラカート「地域の方も運動会参加」の話もすこしして、内田さんも牛の着ぐるみを着て応援したりするらしい。そして来年から小規模特認校になる丹那小学校では、地域のデザイナーさんが学校のポスターをつくったり、様々な形で地域と学校も連携していくようなことも聞いた。新しい動きに対して凄い前向きに動いている感じがした。おそらく昔からずっとその姿勢があり、酪農、チーズ、国際輸出といったことに挑戦していく、山に囲まれた盆地で生きていくための、この村の気質のようなものを感じた。(小規模特認校についてあまり詳しくないが、そのあたりももう少し勉強したいと思った。)
そのあと同時期に函南町に滞在している新造さんと一緒にチョウザメ料理専門店「千差万別」へいく。まだ今年オープンした新しいお店で、チョウザメと地域の旬の食材を食べられるレストランで、チョウザメも、むかし鮎などの養殖に使われていたプールを再利用して函南町で育てられているらしい。全部で5品のコースでキャビアとバジルの梅ぼしとチョウザメのパスタ、幻の黒豚『天城黒豚』を使った料理は凄みがあった。天城黒豚のは口の中にいれただけで脂身がゆっくりと溶け、とても贅沢な時間だった。(食事をしながら天城山の風景を見に行ってみたいと思った。)
この店もNegura キャンプ場も大体オープンが同時期だったそうだが、こういった新しい動きが函南町にはあるような気がした。そういったものを残り数日しっかり確認してみたいと思う。
その後修禅寺にある伊豆半島ジオパークミュージアム ジオリアへ行く。先日ガイドをしていただいた池谷さんが受付にいて、お話をしたりしながら鑑賞する。アニメーション映像を使った地殻活動の紹介はわかりやすかった。特に自分の興味ポイントになったのは①中央構造線と糸魚川ー静岡構造線など。②伊豆で採られていた石の硬度(伊豆軟石と伊豆堅石)の違いと火山の関係。そしてそれに伴う人の動き(運搬)そして③火山活動と珪石によるガラス文化。
(ジオリアの外階段、階段をのぼりながら46億年前から現在までの動きをおえる)
この滞在期間中にある程度バラバラと散ってた興味の点をどのように自身の中で整理されていくのか?まだ自分ではわからないが、自分の地図みたいなのができてきそうで楽しみを感じる。明日はやっとオラッチェの朝一へいける。そして丹那で大工、車の改造などをやられているBohemian Craftsへも行きたい。