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関根愛「十一月一日」(5日目)


《今日のお昼ごはん》
*エビいもと大根、*椎茸の煮物
*花びら茸、*かき菜、*きくらげの中華蒸し
*金時草の酢味噌和え
大根のねり梅海苔和え
*紫黒米いりごはん
キャベツと大根の味噌汁
(*は南伊豆産)

《今日のおやつ》
グリルじゃがいもの海苔&ねりごまあえ

朝の7時、町内放送で「ふるさと」が流れるのを滞在5日目にして知った。

兎うさぎ追ひし彼かの山、小鮒こぶな釣りし彼かの川。夢は今もめぐりて、忘れがたきふるさと。如何いかにいます父母、恙つつがなしや友垣。雨に風につけても、思ひいづるふるさと。志を果たして、いつの日にか帰らん。山は青きふるさと。水は清きふるさと。

南伊豆の歌だったのかというくらいこの町の朝の空気にぴったりだと思った。天気予報を見ると午後から雨が降るので朝のうちに食材の追加の買い出しへ道の駅へ向かう。宿のオーナーさん一行と川べりですれ違う。今まで通っていなかったほうの道から歩くと、川にいくつもかかった橋の中でひとつだけ赤い橋がある。出会い橋、という名前。道の駅に着いて地魚をえらんでいると「また会ったね〜」とオーナーさんが横にいた。これは強めの塩焼き、こっちは煮付け。うろことって、内臓とエラもとってね。おいしいよ、高級魚だからこんな値段で買えないの。おすすめしてもらったアカハタを買ってみる。ほかにもエビいも、にんじん芋、つるくびかぼちゃ、原木しいたけ、はなびら茸、かき菜などを買う。つやつやオレンジの干し柿が目移りするほど並んでいて、かびが生えないならお土産にしたいしじぶんにも全部買っちゃいたい。平日にもかかわらず9時の開店そこそこに大勢のひとで賑わっている。だっていいもんな、ここ。本当にいい。旅行の人も、地元のひとも、朝日のなかやってきて、集って、お店のひとも活気があって、また来てねって。