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本原令子 「時間をいただく(2日目)」

10月20日(木)晴れ
夕べは月が明るくて星の数にも驚いた。朝9時に宿泊先を出発し、龍山で有名な「ぶか凧」をあげる場所に行った。昨日行った生島集会所を見下ろせて、とても景色がよい。凧を作って保存してある建物の隣に住むチヅコさんのお宅に声をかけるも、返事がない。山の上を見ると、茶畑でお茶を摘むご夫婦がいた。長谷山くんが声をかけて、車で「ねぇぼ」(ムネオさん)さんちへ向かう。途中、チヅコさんが畑にいるのが見えた。

チヅコさんは農作業に必要な道具を入れたカゴを斜めがけにして、スマホを入れた小さなバッグを100均のサスペンダーで吊って背負っている。(*なんていいアイデア!)チヅコさんが掘ってくれた里芋は、とても小さい。もっと大きくなってから穫った方がいいんじゃないか?と言うと、小さいのが串芋に良いそう。「こいでおくで、あとで寄って。」と約束し、別れた。

スマホ02

ねぇぼ夫婦はちょうど休憩で、立ち話をした。対岸の山には、家がポツポツ立っているのが見え、木が少なく色がちがうところがある。
ねぇぼ「あそこが峰之沢鉱山、銅を採ってたの。むかしは、4000人くらい人がいた。あれは山梨へ続く塩の道。街道沿いに家があるけど、木が育ちすぎて見えなくなった。」
ねぇぼの嫁さん「このカボチャ(へちまのように長い)が甘くて美味しいだよぉ。」
ねぇぼ「オレはここで16代目。」
私「え?それ、500年とか?」
ねぇぼ「300年くらいかな。」
ねぇぼは、竹を取ってひごを作るところからぶか凧も作っている。

台所022

料理を一緒につくる泰沢洋子さんのところへ。玄関には鶏頭やつわぶきなど、庭の花が生けられている。昨年末に亡くなったご主人にお線香をあげてから、ほりごたつで龍山のお茶をいただいた。とても居心地がよい。
【本日のメニュー】
・鹿肉(焼き肉のタレとニンニク・生姜漬け)
・里芋の煮転がし
・芋ガラ煮のごま和え
・味噌汁(里芋とバイアムの葉)
・とうもろこしごはん
・長いカボチャのスライス蒸し
・自家製たくあん

一緒に作ると言いながら、芋ガラ煮はできていて私はすりごまと和え、鹿肉は焼いただけ。厚い鹿肉を焼くと、独特の臭みに私は食べられるかな?と思ったら、柔らかくてバカ美味い!

洋子さん「主人が鉄砲撃ちだったから、仲間のひとが届けてくれるの。捌いた人が上手やから柔らかいだに。」

畑の里芋の煮ころがしはもちろん、芋がら(里芋の茎)を煮たのが抜群!茎を食べられるなんて知らなかった。茎を乾燥させ、細かく切った物を戻して煮るそう。たくあんも、汁の味噌も3年もの。

ごちそうさま。
いただいた食べ物が私のエネルギーになる。私は、洋子さんの時間と鉄砲撃ちで議員さんだったご主人が紡いだ時間もいただいた。あ、涙出る。

宿には、チヅコさんと洋子さんが作った里芋がどっさり。ちいさいのを茹で、つるっと皮をむいて柚子胡椒で食べた。

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芋ガラを干してるところ。この皮を剥くとアクで手が真っ黒になるそう。

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絶品「イモガラ煮」

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リトルブーツにはねぇぼんちに咲いてた芙蓉と、洋子さんの庭の千両。