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本原令子 「ひとりじゃないよ(6日目)」

10月24日(月)晴れ
お昼近くに宿を出て、鈴木のぞみさんの運転で白倉峡へ向かった。この夏、のぞみさんがインスタグラムで泳いでいるのをアップしていて、気持ちよさそうと思った場所。駐車場から滝までの遊歩道を歩いていくと、空気がひんやりと変わる。水が冷たくても入っちゃうかもと言っていたのぞみさんもさすがに膝まで。足、凍るわぁ。滝の音を聴く、ずっと聴く、のぞみさんがオカリナを吹いている。

その後、のぞみさんのモノラックに乗ってお茶畑へ。先導(運転?)するのぞみさんは鎌で木や草を刈りながら前進。かっこいい!天竜川を見下ろす絶景ポイントでみかんを食べた。生きててよかった。こういうとき、ほんとにそう思う。

モノラック

夕方4時に三室さんと待ち合わせをして、空き家を見に行った。景色がとてもいい。空き家になって10年、中がどうなっているかはわからない。こんなところがアトリエだったらいいなと思う。その後、三室さんのビーグル犬ビーちゃんの散歩に同行した。三室さんが通った小学校の校庭を歩きながら、「昔、ここに舞台が建って歌舞伎を見たんだよ。校門までの坂道にお店が並んで、それがすごい楽しかったの。」と話した。小学校は今、閉鎖されている。

小学校

宿に戻ると、佐久間のほうへ行った雄大さんが「駐車場でガサガサって音がして。あれ、たぶん熊だったと思う。こわくなっちゃって。」と言う。山奥にひとりで暮らすのぞみさんが「よく一人で怖くないの?と聞かれるけど、ひとりじゃないよ。裏に猿も鹿もいる。お風呂入ってて、窓の外、鹿が歩いてるのわかる。あれが人だったら、よっぽどこわい。」と言って、3人で笑った。

モノ3

のぞみ

楽器を奏でる人たち。