米原晶子「穏やかな旅の終わり」(7日目)
静岡滞在最終日の今日は、バスで登呂遺跡へ。到着すると、ちょうど子どもたちが登呂遺跡公園にどんな生き物がいるか、探しにやってきていた。この投稿のカバー写真は、「じゃあ、沢山見つけてね。スタート!」と先生が声を掛けた直後の子どもたち。静岡県では小学生が無料で様々な美術館を楽しめるミュージアムパスポートという取り組みがある、ということもこの滞在で知った。お子さんと、周囲の大人が文化や芸術に触れる環境を創ろうとしている方々にもお話を聞いてみたかった。滞在終盤に、この取り組みについて知ったことが悔やまれる。
全身を使って駆けまわる子どもたちを眺めながら、私は芹沢銈介美術館へ。静岡に何年か住んでいた友人が、お勧めしてくれた場所。登呂遺跡に馴染むように石や木、水によって建てられた白井晟一建築も、想像力豊かなイメージを洗練したデザインに昇華させた芹沢銈介による作品も、彼が集めた世界の工芸品も、すべてがとても魅力的だった。作者が誰で、どのような経歴の人なのか知る由もない数々の作品を、「良いものは良い」の精神で収集し、大切にし続けた芹沢氏の強さや潔さが空間を満たしている様だった。
これまで沢山の美術館に足を運んだけれど、入り口と出口が別々に設定されている美術館は珍しい。最後まで面白い体験。それに、登呂遺跡の周辺は印象的な建物が多いのも少し意外だった。平日の登呂遺跡は観光地というよりも、静岡で暮らす人々の生活に思いを馳せることができた。
今日で6泊7日の静岡滞在が終了。せっかくホストに迎えてもらえる特別な旅なので、静岡の様々な「人」を訪ねる旅にしようと時間を過ごしてきた。最終日も、静岡の人に出会えて嬉しかった。