1月30日(月)逆アキネイターと林さん談義
昼頃に蛸センに到着すると、また少し棚の配置が変わっていた。竹は相変わらず生い茂っていたが少し整頓され、週末に別場所へ移動させていた書類がまだ掲示されていないのでだいぶスッキリした様子。
吉原商店街で衣装制作とお直しのお店を営む通称テチさんと、友人のアーティストSORAさんがいた。
テチさんは自身のアトリエでも地元作家の展示を頻繁に開催したり、2022年春には商店街の店舗や空き家を利用したアートイベント「観るは法楽」を開催するなど、地元で表現活動をしている人といえば!という存在。とはいえコンセプチュアルな作品は新鮮らしく、以前も訪れていたが今回も友人のSORAさんを連れて二度目の来訪となった。
SORAさんはテチさん経由でよく話に伺っていた、最近浜松の古民家に移住した方。浜松で関わっているアートイベントで蛸みこしを担いでもらえないか・・・と野口さんに相談をするつもりで話しているうちに、何かの拍子に
野口「(普段住んでいる)別府に行ったことありますか?」
SORA「はい」
野口「その時アパートに行きましたか?」
SORA「はい」
野口「アパートの一室でちゃぶ台囲んで何名かと話しましたか?」
SORA「はい」
etcと野口くんが質問していくうちに、
「僕、SORAさんと前に会ってます!逆アーキネイターだ!」
と盛り上がっていた。
こういったつながりを浮かび上がらせる現象は今に始まった事ではないが、この日私の兵庫県明石在住の友人に齋藤コンさんのワークショップを開催することを伝えたら「明石は日本一のタコの街だし(?)行こうかな」という連絡が来た。結局この友人はあえなく来訪が叶わなかったのだが、「蛸」を意識するだけでこんなに色んな場所や出来事のつながりに気づくことができるのかとびっくりしたし、やはり野口くん≒色んなことを吸い寄せる蛸なのかもしれない、(?)と妙な考えがやたら腑に落ちるのだった。
その後は全員で天井から吊り下がっているプロトタイプ版蛸みこしの先端部分を服の背後に差し込んで「担がない蛸みこし」を楽しんだ。竹が細くよりしなるので、全員アンテナが頭から伸び出した宇宙人のようでおかしかった。シェアオフィスの一角で大人たちがゆらゆらとしている。
テチさんとSORAさんが帰った後、昨日毘沙門天大祭でお会いした林直輝さんが健康堂にいる、ということを野口くんに伝えそびれていたことに気づく。
夜は、滞在期間が延長した分の制作場所をどうするか打ち合わせる予定でいたのだが、野口くんが一向に帰ってこない。結局夕方から21時頃まで林さんと話し込んでいたらしい。YCCCと野口くんのグループメッセージで
「蛸幟竹凧紙達磨が縦横無尽に繋がっていってすごかったです。あしたシェアします」
と返事がきた。野口くんのインスタグラムのストーリーズを見たらやはり会話が盛り上がりとても充実していた模様。とにかく色んな資料をお持ちのよう。この日以降も何度か野口くんと林さんは交流し、リサーチの情報提供を得ることになるのだが、種々ある作品プランを定める大きなきっかけとなったようだ。
「とりあえず蛸食べとくわ」と返事する田村。
私も蛸を買って家に帰ろうと思ったがなぜかホタルイカを買ってた。メッセージには「たこります」と送ったのだが、そういえばこれってボコボコに殴るっていう意味じゃなかったっけ・・・と思い調べたら、静岡の方言で「サボる」という意味だった。「タコ殴り」という言葉も確かにあるが、「いか殴り」という言葉もあり、語源は諸説あるらしい。つながりが無限に伸び出していく。
(YCCC 瀧瀬記)