清水玲「ヒリゾ浜、タライ岬遊歩道(3日目)」
8時に出発して中木港へ。船に機材を運び入れて出港。いよいよ海に潜る。天気は晴れ。昨日までの肌寒い気温がうそみたいに穏やかな天候。風もほぼなく、ダイビングのコンディション的にもかなりの好条件。
以前にも何度か来たことがある中木の柱状節理や海蝕洞を船から眺めつつ、ヒリゾ浜のポイントへ。
ヒリゾ浜は、道がないため船でしか行くことができない。周辺に大きな川がないことや黒潮の影響もあり、透明度が非常に高く、夏季は渡し船が出て、シュノーケリングやダイビングを楽しむ人で賑わう。いままでずっと行こう行こうと思いながら結局今年も行けずじまいだった。まさか渡し船の期間が終わったこの時期にヒリゾ浜に来ることができ、しかもそこで潜ることができるなんてMAW冥利に尽きる。
船からバックエントリーで海に入る。1本目のダイブは、昨日のプール実習で学んだ基本的な動作などの復習。プールと海では浮力も違うし、穏やかな天候とはいえ、潮の流れやうねりもあるので、最初は緊張で少々力み気味だったが徐々に慣れてきた。
30分ほどの潜降で一度船に上がり休憩しつつ、ボンベを交換。一息ついたところで2本目のダイブ。1本目よりも少し気持ちもリラックスでき、あたりをゆっくり見渡して観察する余裕がでてきた。
ソラスズメダイ、ミカヅキツバメウオ、ミツボシクロスズメダイ、ウツボ、イシガキダイ、カンパチ、ブダイ、テッポウエビ、クロユリハゼ等々の魚影も。
自分の呼吸が泡となって水面にゆらゆらと上がっていく様はとても印象的な光景だった。あっという間に2本のダイブが終了。ショップに戻って機材の片づけや今日の潜降のログ付け、明日の予定などを確認し、昼食をとる。
午後は自由時間になったので、少し休んでからタライ岬遊歩道(弓ヶ浜からタライ岬を経て田牛(とうじ)の龍宮窟、サンドスキー場まで)を歩くことにした。
宿泊しているダイビングショップの部屋から田牛(とうじ)のサンドスキー場までの往復約15キロほどのショートハイク。
逢ヶ浜のエビ穴や海蝕洞、放射状節理、三ヶ月の大洞、龍宮窟などの特徴的な奇岩や、水底土石流と水冷破砕溶岩の岩肌が続く海岸風景。
片道1時間半くらい歩いて田牛(とうじ)のサンドスキー場に到着。強風で吹き寄せられた砂が積みあがってできた天然の砂の斜面。安息角は30度。
少し休憩して出発。折り返して弓ヶ浜まで戻る。
タライ岬から眺める神子元島とその後ろに神津島。
弓ヶ浜に戻ってきたころにはすっかり夕暮れ時になっていた。温泉に入り、明日の潜降に備える。