おきなお子 第4日目 伊豆半島の歴史、流れ込んでくる
旅の4日目は歴史探索。
きのうの大室山が4000年前に噴火して、流れた溶岩で城ヶ崎海岸ができたということを、山の上から眼下に風景を眺めて知りました。
今日は、ホストのIZAIZUの船本さんがセッティングしてくださった、伊東市教育委員会の金子氏にお話しを伺いました。
ほとんど、考古学の個人授業。
わたしは歴史にそう明るくないのですが、面白くてたまらないとご自身のアンテナで今も発掘・研究されている方から3時間、本気で教えていただくと、こちらにもその感覚が移りました。
「文句ナシに面白い」
ふだん講師をしていて、教えることのbestとは? と考えます。
知識をそのまま移行することではなくて、心底面白いと思っていて、その面白いと思わせたものの魅力が語れて、その世界へのアプローチをしているやり方を伝授できることかな、と考えていましたが…まさに。
実際、船本さんは、金子先生に同行して、発掘調査へ行っているとか。
さすが。
そして、ホスト・船本さんとご一緒するうちに、この方の抜群の記憶力の良さにも気づいてきました。ん? あの場でメモとっていなかったよな??
わたしは必死で取ってます、笑
と、いうことで、金子先生から流れる貴重な伊豆半島の考古学については、船本さんのnoteをご覧いただき、、、
(書くのもなんで抜かれているんだ?! わたし)
金子先生からのレクチャーでお聞きした、大いなる問いは、次の2点。
・どうして伊豆半島に古墳がないのか? (あっても土器等と比べ、極小)
・一度しか噴火しない火山(単成火山)は、膨張によって噴火の予測が立てられる、その膨張は発砲のような状態が起こることと仮説があるが、それが全てには当てはまらない、なぜか?
この問いを聞いて、わたしにも不思議という感覚が湧き上がったのと同時に、考察の追求の仕方というのが、少し感じられました。
千年、一万年単位の解明は、ただ土器の発見によるランダムなものではなく、考古学者がこのスケールで疑問を立て、それを探偵のように追っていく嗅覚が欠かせないように思います。
答えは、地理を、歴史を発掘して知る。
紙に書いた知識と、人の語るが、どうして違うか。
これだけWEBが発達し、なんでもGoogle先生に聞けばとりあえずの答えが得られる時代に、なぜ教育現場は口伝なのか。
もっというならば、アートという表現方法が、どうして必要とされるのか、史実でもないのに。
それは、伝える側の存在から、その方のアンテナ、想い、探求心、想像力など、紙に留めておくことが難しい感受性の部分が流れ込んでくるから。
と、なると根っこは一緒です。考古学も、文学も、演劇も。
金子先生の「アートなんて、なんでやる?! 」という問いの答えを、わたしは、金子先生から感じていたのだから、、、とても実りある豊かな時間の中で、無理問答は続きます。
4日経ち、なんとなく、ちょっと気づいてくる。
この旅は、伊豆半島の魅力的な人たちが「物語る」ことに導きを得て、わたし自身が、日常ときどきアート、という今現在の暮らしから、日常にいつもいつもアート、になってこの地へ向かい合う過程なのではないかということに。
それは、意識がつねに創作への道へとつながる回路を持つような、わたしのふだんの暮らしが大きく変動することです。
来るか、地殻変動。
余震は感じています、また、明日。