鈴木雄大「奥駿河(滞在まとめ)」
11月26日から12月2日までの7日間
OKUSURUGA BOARDの齋秀雄さんと増田都佳佐さんのご協力のもと、
ワーケーション参加者の綿貫大介さんと共に
奥駿河(静浦・内浦・西浦エリア)に滞在しました。
滞在期間中はその日の録音と写真を用いて、即興演奏の音を重ねる等をして短い動画を作成・掲載しました。
以下、滞在記録まとめです。
【11/26(金) 滞在初日】
■沼津駅到着
駅前の大通りには海鮮料理屋さんへの行列。
■顔合わせ&昼御飯@とさわや 魚メンチ定食
■みかん畑のまわりを散策
誰よりも率先して風景を写真におさめる齋さん
■観光案内所に立ち寄る
ラブライブでたいへん盛り上がっていました。
■作戦会議@omusubi
郵便局をリノベーションしたomusubi 展示などイベントが開催されています
OKUSURUGA BOARDの拠点「omusubi」で1週間の作戦会議中
五時を知らせたメロディーが不思議だったので尋ねると子守歌とのこと
お昼に流れるのは市歌のメロディー、というのも珍しく思えた
まぶしい日差しも五時には山に溶け、辺りは淡島から黒くかげっていく
風はまだまだこれから強くなることを知り驚いたものの
内浦の船はあたたかく揺れているようだった
1日を通して日差しと風の強さが印象に残りました。日暮れの景色までダイナミックでしたが波はおだやかに思えました。
■宿泊@沼津 HOTEL MIWA
【11/27(土) 2日目・個人行動】
■朝御飯@Creperie cafe Ferme
秋田でお世話になったフェルムさん。ガレットをいただきながら沼津へ移転されてのお話や沼津の子育て環境などについてお聞きしました。
店長の渡辺英俊さんは音楽に精通していてレコードを通しての出会いでした
■沼津駅駅前を歩く
オリンピックの影響もあり自転車がさかんのよう。公園では賑やかにマルシェイベントが行われていました。
■@DHARMA
旧印刷工場ということで私にはとても親近感のあるギャラリー
美術グループ「EN」主宰・長橋秀樹さんに案内していただき
地方で芸術をすることについてお話を伺いました
■ちょっと一杯@沼津蒸留所 / @Repubrew
週末の家族連れで賑わう川沿いではクラフトジン、沼津駅前ではクラフトビールを飲むことができます。
■電車で沼津駅から伊豆長岡駅へ移動
伊豆長岡駅を出て奥駿河方面に歩くと狩野川を渡る
振り返ると川の向こうに富士山を背にして学校
学びの場はどこにでもあるんだろうけれど
ここは見てくれているものが多い
コルネットを吹く ヘリが飛ぶ
このあたりでは少し動けば富士山の見え方が変わってきます。それはきっと存在の感じ方に影響するんだと思います、楽器を吹くと小気味よい緊張感がありました。
■宿泊@伊豆長岡「弘法の湯」
【11/28(日)3日目 個人行動~交流会】
■@天然野菜マーケット
菊芋のポタージュを。出店者のみなさんによると修善寺のあたりでは自然農がさかんなようです。
■@湯谷神社石切り場
立ち入り禁止になっていて奥まで行けませんでしたが、ツルハシで人力で掘り出された跡が残る伊豆石を見ることができました。
■@願成就院
社会の先生だった方が仏像について丁寧に解説してくださいました。運慶の初期の作、特筆すべきは見えないところまでの細微なつくりとのこと。
■@trois truss(noir / Nokta)
カフェ併設のギャラリー 中にある小部屋がまたかわいらしい
展示中の帽子作家のGen hatさんのおすすめもあり このあと修善寺方面へ
■昼御飯@Tuttycafe 日替わりランチプレート
Genさんのおいしそうなお弁当をもとめて辿り着きました。
■お茶@おむすびcafe(TORUS)
ゲストハウス併設のカフェ。隠れた名所を教えてもらい歩いていくことに。
ひとり岩の狭間を辿っていく
鹿の群れが横切る
緊張が次第に和らぐと少しの喜びが興奮と浮かぶけれど
やがて申し訳なさが残る
目で追えなくなったら 足音を耳で探る
踏み入ること 踏み入られること
鹿や猪がこのあたりでも増えてきているようです。たしかに共に生きているものとの関わり方として、普段見えていなくても互いの存在を常にみとめつづけることを怠らずにありたいと思います。
■交流会@コナステイ(サイクリスト向けサービス充実の宿泊施設)
オーナーの大瀧龍太郎さんのお話を皆で焚火を囲んでマシュマロを頬張りながらお聞きしました。
■晩御飯@麺めんや
昼は汗ばむぐらいですが夜は冷えます、あったまる醤油ラーメン。
■宿泊@伊豆長岡「ニュー八景園」
宿からの景色 日本海側にいるとあまり見られない光
【11/29(月)4日目】
■@黒柳 名物の温泉まんじゅうを増田さんと綿貫さんと3人で。
■大瀬崎へ駿河湾に沿うように車で移動
大瀬崎の灯台は富士山と対になるかのように駿河湾を見下ろしている
穏やかな波で透き通った海には沢山の生き物が見える
この海の深さと空の高さの間にどれだけの営みがあるだろうか
ねじれのびるビャクシン
滑空するトンビ
集う漁師 ガチなダイバー
その存在をみとめるほどに視界は広がるんだろう
ヘリのような音はドローンだった
子どもたちが作るローカルマガジン「うらっち」の「自分たちの住む街まちを海から眺めてみた」という記事に感銘を受けました。身近に様々な視点の持ち主がいることの豊かさを思いました。
■昼御飯@やまや(旅館 やま弥) 鯛丼
■@Monday ラウンジ
交流会でお会いしたパキスタン家具「Monday」さんのところへ。アクセサリー作家の「herrerazu」さんと。お二人のお話から強くしなやかな姿勢を感じました。
■@沼津コート(ららぽーと沼津)
地元の作品を中心に取り扱っているお店。その中の「小野銅工店」と「ピカ銃」が気になっていると増田さんが連絡を取ってくれることに。
■晩御飯@百式 百式らーめん
食もゆっくり楽しみたくとも、疲れてくるとガッとした食べものを求めるようになります。
■宿泊@沼津 HOTEL MIWA
【11/30(火)5日目】
■@杉初水産(杉本恭彦さん いずみさん)
鯖節を目の前で削っていただきました においがたちこめます
イルカ食や昔のサイレンについてなど
港町ならではの面白い話を沢山うかがいました
鯖節パックと出汁ポン酢ごちそうさまです
ピカ銃を制作するヨタさんの事務所を訪ね
興奮して声をあげてしまっていました
あるものを使い ないものは作り
その自らの野生への立ち向かい方に大いに圧倒されたのでした
手にしたピカ銃の握り心地に今も胸が躍ります
標的は正体不明な侵入物で
ただただかっこよさを見せつけるぐらいがちょうどいい
旅は後半、地形や自然を見てまわってからは次第に人に会いにいく作戦へと移行していきます。
■晩御飯@あやみや 海鮮 / @五香 台湾から揚げ
■宿泊@沼津 HOTEL MIWA
【12/1(水)6日目】
■はんこ体験@ハンの辻村
彫り方はもちろん、押し方についてのお話も奥深いものでした。
練り朱肉を体験させていただきました。
■@沼津漁港
ようやく立ち寄った漁港で飯田徳孝さんのCDとお土産を手に入れた後、芹沢パッケージさんへおじゃましました。
■昼御飯@ひょうたん寿司
■鍛金ワークショップ@小野銅工店(小野裕康さん)
近年は作家さんの手について考えていたのでこうして間近で見ることができて嬉しいです。みんなでスプーンを叩く音が近づいては離れて躍動します。
■@デザインセンター
「うらっち」を始め、今回私の重要な情報収集源であるフリーペーパー等を手がけるデザイナーの大木真美さんにお会いできました。
■反省会@欧蘭陀館
最終日を前にこの滞在を振り返りました。
■夜御飯@さわやか
見事な連携でぽっかり空いた時間に
さわやかにするりと入店する我々
日々の営みの中で異なるもの同士がリズムを生んでいく
ひとりでも ひとつでも 少しずつ世界と接続していく
例えばファミレスにおいてはどうだろうか
小気味良い音がまわりのテーブルからも聴こえてくる
なんというgroove
この時、チームとしての連帯感に興奮していました。
■干物のお土産購入@川正商店
鯖の砂干しの他、大量に購入。
■宿泊@沼津 HOTEL MIWA
【12/2(木)7日目最終日】
■チェックアウト
ホテルから出ると異様な地響きが続いていました。御殿場の演習場の音とのこと。
■塩掬い体験@戸田塩の会
最後に戸田へ向かう
昨日の天候によりフロントガラスが白い
ずいぶんと水位も上がっているようだ
塩を掬った後 おだやかな海を眺めていると
お昼の時報が鳴った
透き通る海からとる塩はとてもやわらかい味でした。
■昼御飯@セピア らーめん
■戸田直売所
イルカ売ってました。
■道の駅 くるら戸田
イートインにて、メヒカリのから揚げをみんなで。
■沼津駅にて解散
荷物がパンパンで諦めていたみかんを増田さんからいただきポケットにつめて帰りました。
【おわりに】
最高のチームでなんとも贅沢な時間を過ごさせていただきました。
アートプロジェクトと呼ばれているものにはあまり良い思い出が無かったので(受け入れる側としても踏み入る側でも)、この稀有な経験は大切にしていきたいです。
「奥駿河の魅力とは?」という宿題には、人や自然が凛としていることと今は答えたいと思います。まだまだ言葉が足りませんが、人・場所との出会い方がとても良い旅でした。それは、何がそこにあるのかということよりもずっと私を惹きつけました。
誰よりも自然体でカメラを通した景色を提供してくださった齋さん、
明るく楽しくすさまじい行動力で沢山のところへ連れて行ってくれた増田さん、
するどくもいつも優しい視点を共有してくださった綿貫さん、
そして行く先々で私を迎え入れてくださったみなさんと、
このような貴重な機会をくださったアーツカウンシルしずおかスタッフの方々に感謝いたします。
また近いうちに奥駿河へ参ります。
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