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清水玲「火を焚く」(3日目・後編)

夕暮れ時に撮影のため再び滞在初日に行った志津摩海岸へ。藤田さんにも同行してもらい、手伝ってもらう。

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海蝕洞に向かう道端で、藤田さんが浜大根の存在を教えてくれた。浜大根は沿岸部の砂地や河原に自生する野生の大根で、食べることもできるが相当辛いらしい。何者かが食べた痕跡が…。

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ゴロタを進み、海蝕洞へ。

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前回は雨だったこともあり撮影場所の確認くらいしかできなかったので、付近を散策してみる。海食された穴を抜けて裏側に回ると板状節理が発達した岩脈に驚かされる。

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暗くなる前に火をおこす。今回の滞在で試みたかったことのひとつ。洞窟のような場所を探すことと、そこで火を焚くこと。

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洞窟は人類が初めてつくった建築とも言えるだろう。つくったというより選んだ岩穴。入り口がぽっかりと開いた、陽の光が斜めに差し込む開放的な空間。陽が落ちると闇に閉じられて、人の姿が影になる。火の回りに人がいて、背後には岩の壁。ゆらゆらとゆれる炎の光と影が内向の時間へと導く。つくることについて、あるいはつくるという姿勢について、ぼんやりと考える。

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稲取滞在もはや折り返し地点。明日からは子どもたちが合流する。この3日間とはまた違ったまなざしで街と向き合うことになるだろう。

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