北林みなみ「たましいの木」(6日目)
河津町滞在6日目。
連日あらゆる場所を駆け巡ってきたが、今日は動き回るのを止め、1日中浜辺で絵を描いていた。
大きな絵が描きたい、という私のワガママを叶えるため、急なお願いだったのにも関わらず役場の方へ場所の許可について確認してくれたり、色々手伝ってくださった和田さん。本当にありがとうございます。
外、青空の下で絵を描くのは楽しい。
この5日間、河津という土地で、沢山のものに触れ、考えることができた。出会いの中で沸き上がってきた様々な感覚を、今日の絵に込めたい。
木を描きたいと思った。
完成。
『たましいの木』というタイトルをつけた。
…1枚描き終えた時点で、私の魂がどこかへ抜けてしまった。
絵を描いている間は疲れなど忘れているが、描き終わった時点で疲労がどっと押し寄せてくる。この感覚は、筋肉痛に似ている。
もう1枚描きたかったけど、日没の時間も迫っていたので、また明日に持ち越すことにした。
数日前にドラえもん石の話を色々教えてくださった中村鮮魚店のご家族とご近所さん、私のためにお刺身を準備してくれた。
おじさん手作りの干物を焼いてくれた。骨まで全部食べられる。美味しい!
金目鯛を見せていただく。
小さいのが隣の稲取キンメ、大きいのが下田のキンメ。写真だと遠近感のせいで分かりづらいが、手前の2匹が稲取、奥2匹が下田。
下田のキンメは沖で捕る。稲取は日帰りできるくらいの近場で捕ってくるそうだ。
この辺りの魚屋さんは、ここ1軒のみ。
隣の稲取地区に関しては全て潰れてしまって1件も無いらしいので、この中村鮮魚店まで買いに来るお客さんもいるそうだ。
里芋の煮っころがしや、干物など、沢山のお土産も一緒にくれた。私が素泊まりなことを心配して、白ご飯やお味噌汁までくださった。
暗いし寒いし危ないから!と宿までわざわざ車で送ってくださる。
何から何まで…本当にありがたい。涙
宿で全部食べました。本当に美味しかった!!!!
明日で最後だと思うと、なんだか寂しい。1週間あっという間だったな。
すぐそばに山や川、海がある場所で暮らせることが羨ましい。
大きな街へ帰るの、嫌だなあ…。人混みに戻りたくない…。
明日は最終日、時間があればまた外で絵を描きたいと思う。
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?