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中村るつ「散策と体験」(3日目)

朝食は昨晩の交流会で頂いた豊梅のお好み焼き。昨日も頂いたが、冷めてもおいしい。朝ご飯を食べ終え、目的地の厳島神社に徒歩で向かう。観光協会で頂いた地図を見ようと鞄をあけるが地図が見当たらない。ホテルに忘れてきたのだ。一瞬落ち込むが地図が無い事を楽しもう、そう自分の中で切りかえ適当に歩く事にした。


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細い道を歩いていると川が見えてきた。水位がだいぶ下がっている事に気がつく。満月が近い。
歩きながら今朝直前まで開いていた地図と現在地をあたまの中で照らし合わせる。よし、このまま大通りに出れば神社にたどり着ける、そう自分を信じ大通りに向かって歩いた。


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15分歩いただろうか、松崎新港に到着した。確かこの港を越えると隣町に行くはず。完全に道を間違えた。再度気持ちを切りかえスマホでGoogle Mapを開いた。やはり隣町の西伊豆町は目と鼻の先にあるようだ。西伊豆町まで行かなくてよかったなと自分に言い聞かせ、来た道を戻る。こうゆう日もある。

戻っていると道路脇の花壇にお花を植えているおばあさんに会った。
「きれいですね」と話かけると
「きれいだら。この辺りは車から良く見えるから綺麗にしておかないと」おばあさんは汗だくになりながらそう答えてくれた。
私は思わずもう一度
「そうですね、きれいです」と答えた。

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しばらく歩いていたが、喫茶店でひと休みしようとGoogle Mapを開き『カフェ禅』へ向かうことに。ここで同じ失敗はしたくない。
お店に着くと優しそうな年配男性の店主がいた。
「ホット、アイスどちらにしましょうか」
そう聞かれたが、コーヒーのブラックが飲めないのでカフェオレをお願いした。
しばらくすると店主が申し訳なさそうに
「ごめんね、牛乳きらしちゃってるみたいで、、」
と言い、私はカウンターにあるコーヒーフレッシュを指さしながら
「このフレッシュで大丈夫です」
と伝え、コーヒーを注文した。
「好きなだけ使っていいから」
と店主の優しさ溢れるサービスを受けコーヒーを頂く事に。コーヒー美味しかったです。


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午後は長八美術館で漆喰鏝絵体験をさせて頂く。
松崎町には漆喰でできたなまこ壁の建造物が沢山残っている。この地域は風がとても強く、昔は火事が多かったようで防風、防火のため建物がなまこ壁になっている。

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なまこ壁の邸宅。四角い平瓦の継ぎ目を漆喰で盛り上げている。

入江長八は松崎町出身の左官職人であり「漆喰鏝絵」の名人でもある。長八の作品を所蔵しており、日本で唯一の漆喰美術館がこの長八美術館である。
鏝絵体験には同じ「旅人」の持塚さん、松崎町在住のソプラノ歌手曽根妙子さん、三人で参加する。

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先生は学芸員の資格を持つ靍見志乃さん。始めに漆喰の基礎知識を説明して頂き、実践にうつる。はじめて漆喰を触ったが、思った以上に取扱いが難しかった。粘り気が強く、使う道具は鏝のみ。1~2㎜の薄さで均等に板に漆喰を塗りつけないといけない。改めてなまこ壁の技術の凄さを痛感する。
途中ソプラノ歌手の曽根さんが即興をアカペラで歌ってくれた。一緒に来ていただいた元役場職員の森さんも歌う。二人の声が重なり、即興とは思えない歌声が響き渡った。二人の歌声をBGMにする、何とも贅沢な空間の中で私は黙々と鏝絵を制作していた。

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鏝絵完成、何とかできました。先日見たリアルかかしをモチーフに。

散策したり松崎町の方とお話ししたり、鏝絵体験できたりと今日も色々ありました。お世話になった皆さま、かかわって頂いたみなさまありがとうございました。そして明日も引き続きよろしくお願いいたします。

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