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堀 園実「この地に酔う」(4日目)
今日は室岩洞からスタート!
と、その前にコスタフォルノさんで朝のパンを調達。チーズパンとクルミシナモン。どちらもおいしくて気に入った!明日も食べよう〜
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室岩洞は朝8時30分からライトアップ。国道136号線の下にある室岩洞は伊豆石の採石場跡で、人工的に大きくくり抜かれた空間が広がりちょっとした迷路のようだ。火山灰が降り積もって石になり、火口から飛んできた溶岩の破片の火山弾がところどころぽこっと残っている。採石した石は陸路ではなく崖を転がして船で運ばれた。
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そして、田んぼをつかった花畑へ。
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↑カカシのこの素朴さがたまらん。
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無農薬農法に一役買っている鴨たち。隣にいたおじさんが、「鴨が田んぼの雑草を食べて、最後に自分たちが食べられるんだよ。人間のためによく働いてくれる。」と。100円買った餌付けの米をあげていると、向こうから一羽また一羽とふりふり全力で走ってきてかわいい。
それから長八美術館に立ち寄った後、満開の桜並木を通って旧依田邸へ。現存するのは母家と三棟のなまこ壁の蔵。蔵は10年ほど前まで宿としても使われていた。
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午後はasamicroさんがこの旅のお礼にと、お世話になった松崎の方々に浜丁さんでパフォーマンスを披露してくれた。朝食をテーマにしたコンテンポラリーダンス。身体一つで会場の空気を変えてしまう。この旅で日程が重なった唯一の旅人のasamicroさん。またいつかどこかで、もちろん松崎町でも、再会できることを楽しみにしている。
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その後、観光協会のお隣でなまこ壁通りの近藤先生のご自宅へ。明治20年に建てられた立派なお屋敷。2階天井には長八が手掛けた天井壁とそれに直接左官された雀のランプ掛けがある。家宝の「神農聖像」も箱から出して丁寧に見させて頂いた。
近藤家は代々薬屋を営んでおり、今日お話を伺った近藤二郎先生で10代目だそう。近藤先生は幼少期からずっとこの長八作品を見て育ってきた。作品が本来在るべき場所に今も残っているのは本当に貴重だ。
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さらに松崎町の歴史も教えてもらった。
ご自宅の前の中宿通りは松崎町へ人が移り住んできたはじめの中心地。とても興味深かったのは、夏至になるとちょうど中宿通りを太陽が真っ直ぐと照らし、冬は迎えの山の尾根を太陽が沈まずに移動するので近藤家から中宿通り側は冬でも日光が当たる。そしてそこまで強い風が吹かない。計算されたような町設計となっているのだ。
そして最後の夜は深澤町長たちと久遠さんでお食事会。飲みすぎないように気をつけて笑。
町の将来を思う熱い大人たちの語りにどっぷり浸かりながら、あっという間の四日目は終わった。