ミクロマイクロミュージックとは
ずっとうだつが上がらなかった。
やりたいことは明確にあれども、気付かないフリをしたり、出来ない理由を探していた気がする。
あれこれ言い訳をしては、普通の仕事を選んで日々を誤魔化す人生だった。ほら、子供も産まれたし。
だがしかし、やはりその理想と現実との剥離があまりにも大きすぎて、どんどん自分がおかしくなっていくのに気付いちゃった。会社員でいればいるほど、僕はいったい何をしているんだという呵責にかられ、毎朝憂鬱と一緒に起床する日々。
そんな中、妻であり、僕がやっている音楽ユニット「アビガシ」の相方でもあるivyが、独立してやってみたらいいんじゃないかと背中を押してくれたんです。嬉しかったなぁ。普通は逆だよね。「夢なんかみてないで働け」と、言われるものもの。でもivyは違った。
僕がミクロマイクロミュージックでやっていくことを、とても喜び、楽しみにしてくれているようだった。
ミクロマイクロミュージックには前身がある。
以前はミクロマイクロレコーズという名前だった。
2011年。本格的な音楽活動から退いて数年、僕は困っているミュージシャンのサポートが出来ないかと考えてた。でも当時の僕は、機材もなければ知識もない、そんでもって技術も全然なかった。だから、今考えればできることなんてなかった。
細々と安物のカメラでMVを作ったり、使い方が全然わからないIllustratorやPhotoshopを使ってフライヤーを作ったり、そういう経験をたくさんさせていただいた。
そういうわけで、小さなことからコツコツやっていくことの楽しさ、大変さをどしんと感じ、どんな小さいことでもしっかり真剣に、という意味も込めてミクロマイクロレコーズという名前をつけた。
レコーズってのはあれだ、カッコつけたかったんだと思う。恥ずかしい。
それからというもの、あらゆる場面やあらゆるシーンで頼っていただけることも増えて、とても感謝しています。僕は本当に、恵まれていると思います。
長いこと生きてきて、音楽も関わって気づけばもう20数年。年数で言えばもうベテランの域。
まだ何もしっかりと残せていないけど、今が一番楽しい。ようやっと、自分の価値に気付くことが出来始めた気がしてる。
音楽に関わることは、唯一止めないで続けられたこと。
若かった僕がカッコつけて名付けたレコーズはやめにして、ミュージックを背負って生きていこうと思います。
音楽よろずや、ミクロマイクロミュージック。
ぜひご贔屓に。
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