暑いよ、だから好きなんじゃん
どこもかしこも、紫陽花の花は錆びた枯茶にしぼんでいる。鮮やかだった青い花弁が真昼の宇宙に全部吸われてしまったみたい。
夏はつねづね極彩色だ。電線と空、空と白雲。彩なき色とのコントラストがパキっと綺麗に映えている。
花も緑も青に負けじと生き生きするから、ぼうっとしてるとわたしのほうが乾いて干からび、先にくたばるかもしれない。
「どうしてわざわざ1番暑い時間に外へ出かけるのか」と尋ねられたら、その時間にふと出たくなるから、そう返す。炎天の下を宛てなしにただ散歩するとき、