タマゴの旅
わたしたち女性は、生まれてくる時に、すでに一生分のタマゴ(卵子)を抱えてこの世界に生まれてくる。
その数は約100万個とも言われていて、思春期の生理がはじまる頃には、40-50万個。わたしたちは、毎月、一個ずつ、「排卵」としてリリースしてゆく。
そして、そのすべてのタマゴ、一つひとつには、わたしのお母さんの、お母さんの、そのまたお母さんの、大お母さんの、大大お母さんの…..いのちの記憶(データ)が入っていて。
今生で、それを「わたし」が受け継いだ、ということになる。
最近、オンラインで日本の女性たちとのコミュニケーションを取る場をいただいている中で、こんな話が出た。
「ずっと、心と肉体の浄化を続けてきて、この痛みは、いったい誰のものなのか?」
わたしが皆さんの共有させていただいているのは、基本的には【歌】なのですが、ハートの内側から紡がれる歌と向きあっていくと、サークルの中でのシェアリングはいつも、このように深いところへと続いてゆく。
そう。
あなたが、わたしが今、抱えている「痛み」は、いったい誰のものなのか?
昨年の5月、左側に、卵巣脳腫を発見してから、わたしとカラダとの対話は、より親密なものとなった。
大きさ約0,5mmで発見された嚢腫は、昨年9月、日本行きの直前には、5,5mm、6cm近くにまで肥大して、もちろん手術も考えた。
お医者さんからは、
A: ガンになるリスク、もしくはすでにガン化している可能性
B:破裂したり、捻れたりして、激痛に見舞われる可能性
専門家の視点から、こんなことを伝えられた。
Aの可能性については、お腹を開いてみないかぎり、100%はわからない、ということ。
もちろん、恐かった。
でも、8カ月くらい、自身のカラダとの対話を続ける中、
そうした「リスク」を客観的に見つめた上で、1月に予定していた手術の予約をキャンセルした。
それは、「ガイドとしての肉体の“声”を聴き続けていたい」と想ったから。
実は、幼少期から繊細で、10代になってからはさまざまな不定愁訴や怪我により、左右の肺、左腎臓、子宮(出産時の帝王切開)を含めて、これまでに7回以上もの手術を経験してきている。
高校生の頃、肺気胸になった時には、はやく痛みと不安から解放されたい気持ちから、3度の手術を選んだ(というか、当時、まだ少女だったわたしの頭には、それ以外の選択肢は思い浮かばなかった)。
けれども、もう、わたしは「ショートカット」しなくていい。
誰かのために急いで善くならなくていいし
不安に駆られて、身体の声を聴くための「ライン(それは病床として現れる)」を切断しなくていい。
気がつけば、今年で42歳。
あと何個のタマゴが残されているのだろう?
女性としてこの旅路を続けられる期間は、長くても10年弱。
わたしは、自分自身のリズムとサイクルで、すべてのストーリー「タマゴ」を一つひとつ最後のまで送り出してあげたい、そう祈るようになった。
村上春樹さんの小説、「街とその不確かな壁」をお読みになった方はいますか?
※この作品、村上さんが40年のサイクルを懸けて書き直した、とても大切な作品(わたしにとっても)なのですが
少し、不思議な喩えかもしれませんが、
排卵というのは、まさに、この物語に出てくる「夢読み」の作業に似ています。
(物語の中で、主人公は男性ですが、彼は壁に囲まれた「意識の街」の中の図書館で毎夜、大きなタマゴ型の容れ物を抱えて、そこに封印された古い記憶を読み取る=解放する仕事に従事している)
「もう、それが自分のものであるのか、他の誰かのものであるのか、わかりようもないし、どっちだっていい。わたしに出来るのは、ただ、耳を澄ませ、解放してゆくことだけ」
わたしには、一人、息子がおりますが、娘はおりません。
そこで、先日、大変重大な自身のお役目に気づいたのです。
つまり、わたしは、わたし自身の数えきれないマザー(おそらく何万年以上も続いた母方の全ての先祖)たちにとっての、「最後の夢読み」だということ。
男性との掛け合いでデザインされるDNAの記憶としては、息子が引き継いでゆくわけですが、
タマゴの記憶を引き継げるのは女性だけ。
だとすると、娘を持たないわたし(を含めたすべての女性)は、自身が、自らの母系ラインを引き継いだ地球上で最後(最先端)の使者、ということになります。
これって凄いお役目じゃないですか!?
これまで考えたこともなかったのだけれど。。
わたしのカラダは、わたし自身のものであると同時に、それを遥かに超えたもの。
先日は、はじめてのヨニ・エッグ(わたしのいるバイロンベイの大地と同じ素材のオブシディアンのクリスタルを選びました)を買って、お宮の浄化をはじめました。
アドバイスをくれたクリスタル・ヒーラーのAmiが、
「あなたは、自分自身のファミリー・ツリーの最後の“ゲート・キーパー”」
と言ってくれた。
この気づきと意志を持って、肉体を生きるのは、きっと、わたしがこのファミリーツリーを生きる最初で最後のシスター(マザー)。
“When you are healing yourself,
you are healing all of your ancestors
and the whole family tree”
あなたがあなた自身を癒すとき、あなたは自身の全ての祖先を癒し、ファミリーツリー全体に貢献していることになる
現在、シドニーから移住してきたヨガ・ティーチャーのEriちゃんに生理・排卵周期に合わせた食事と生活習慣を指導してもらっている。
お互いに、自身のムーン・サイクルと丁寧に向き合うキッカケがあって、このワークをはじめたのですが、今、もうすぐこのリズムを失う前に、わたしたちの体の声に気づけてあげられてよかったね! と涙しました。
先日、日本の母と電話をした時に、おばあちゃんは元気?と聞いたら、
「元気だけど、少しずつ記憶が薄らいでいる。面会に来た弟の顔を見ても、すぐには誰だかわからなかったみたい」
おばあちゃんには、昨年10月に帰国した時、息子のサティヤと逢いに行ったけれど、
よく会いに来ている弟のことさえ忘れてしまうのだから、
きっと、わたしたちのことはもう憶えていられないだろう。。。
それでも、彼女は、いつでもわたし自身の中に存在し、
わたしという存在そのものが、祖母や、彼女のお母さん、そして名前も知らないすべての母たちの命の記憶を内包している
。
このストーリーは、わたし自身のものであり、
同時に、共感する「すべてのあなた」の物語なのだと想う。
だから、ここに記します。
ちなみに、左の卵巣脳腫は、4月時点での最新検査では、2,2mmまで小さくなっていました。
Eriちゃんは、わたしたちのムーン・サイクルをマインドフルに慈愛を持って理解し、私たち自身と次の世代につないでゆくためのサロン(オンライン含む)を企画しています。
準備ができたら、必要なシスターたちにシェアしていきたい。
まだリリース目処は立っていないのですが、、「知っておきたいな」「必要だな」メッセージをください。
誰かにとって必要な機会であれば、わたしに出来ることをしたいと思います。
受け取ってくれて、ありがとう。
わたしをつないでくれた、すべての母たちと
この聖なるカラダを共有し、愛を表現てくださった地上のすべてのブラザーたち、
息子のサティヤに捧ぐ
音楽
https://on.soundcloud.com/pAQJeBSSZL9gnFcV7
聴きながら書きました。
Afraid to Forget
Hammok
アート
Triple Goddesses
Susan Seddon Boulet
ラスト・エッグキーパー
mico sundari
@mico.sundari