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舌の使い方のくせについて

"機能性構音障害"には、舌の使い方のくせにより発音がうまくいかないものがあります。
代表的なものが2つ。

1つ目は、側音化構音“そくおんかこうおん“です。

い、き、ぎ、し、ち、じ、り
(その他のばすと"いー"の音になる音に出やすいです)が入っている言葉に目立ちやすく、一部・または全部とその子によって様々です。

け、げ、つ、さ行、ざ行なども、側音化になることがあります。

ち→き
し→ひ
じ、り、に→ぎ

に近く聞こえる独特の雑音を伴った音に聞こえます。

人は発音する時に、息は口の真ん中から出ます。しかしこの場合、舌の使い方に癖があるため、舌が上あごの辺りに接触し狭めができます。
結果、息は真っ直ぐに出ず、歯と頬っぺたの間を通って出ていくので発音が聞き取りにくくなります。

上記の音を発音する時に、口角を引いたり、舌が曲がっていたり、下あごがずれるように見えるのが特徴です。

この発音の仕方の特徴は、
さかな→しゃかな
のように、違う音に言い誤るのではありません。
本人は正しく言っているのに、本来の使い方と異なる舌の動きにより音が歪んでしまう状態をいいます。(文で説明するのが難しいですが)
なので、相手に伝わらないというわけではなく、程度にもよりますが、基本的には日常のコミュニケーションに大きく支障をきたすことはありません。

5、6歳で自覚している子はあまりおらず、お母さんの耳がよほど良いか、だいたいは他の発音の相談で来られて、側音化構音もあるねと言われるパターンです。

練習内容は難しく、期間が長くかかるため、"どうしても治したい"という気持ちが大切だと考えます。
この発音の場合、苦手な音全てを正しく言えるようにする事がゴールではなく、今の目標はここ。
もう少し年齢が上がって、必要と感じたらまた練習に通う、そんな考え方でよいのではないかと日々お伝えしています。
年齢が上がる事で、練習場所の選択肢が狭まることはありますが、ないわけではありません。

その時々の優先順位は何だろう。
言葉を伝えることに支障があるならば、それが今一番優先すべき所。
迷った時は、少し立ち止まって見つめてみる。
とにかく丁寧に…


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