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『 おばぁ録⑤ 』 ~ おばぁの女子力 ~

祖母:「赤い服を着る事だけが、女らしさじゃないのよ。身だしなみ、所
作、言葉遣い、ふるまいも女らしさには大切なのよ。」

祖母は、外に出られる事はめったにないけれど、髪型を気にしたり、その日の気分でブローチをつけたりしてお洒落だ。それに、裁縫も得意でチョイチョイと繕ってしまう。私の家事のことも、自炊してるか、洗濯は丁寧か、さり気なくチェックされている。そして簡単なことが出来ていないと嘆かれる。

また祖母は、日常の細やかな所にまで気配りを忘れない。例えば、私がお土産で持っていた小さめのビニール袋を大切にとっておくのだ。物を大切にしているのかなと思っていたのだが、理由を聞くと、トイレのおむつを回収しに来る職員さんが、むき出しのおむつを見なくて済むように、こういったビニール袋にいれているらしい。

祖母:「自分の孫よりも若い男の子が、やってくれるんだから、ちょっとでも気持ちよく渡してあげたいじゃない。」

いやはや細やかさに頭が下がる。女らしさは、気にかけないと、何歳になっても身につかないが、気にかけていれば93歳になっても発揮するのだ。

さて、インタビューを始めて1時間。そろそろ祖母の目が疲れで死んできた。

おばぁ録⑥へ続く→

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