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推しのいる生活
こんばんは〜御守ミコです。
きのホ。でアイドルとして活動を始めてから、
「初めてアイドルを好きになった!」
という言葉をよく頂きます。
そして、その気持ちをわたしはとてもよく知っているので、言われるたびに嬉しくて嬉しくて涙が出そうになります。
わたし自身、今でこそ立派なオタクに育ち、それどころかアイドルとして活動を始めたけど、ほんの4年前まで、アイドルというものに全く興味を持ったことがありませんでした。
姉がファッション誌を見ながら、「◯◯ちゃんみたいになりたい!」と言っているのを見た時も、中学校でAKBが大流行した時も、どうしてそんなに夢中になれるのか不思議で不思議でたまらなく、「可愛いな」と思うことはあっても、推す、ということの意味が分かりませんでした。
その気持ちが変わったのが、4年前の5月のことです。
大学の友達とゴールデンウィークに東京へ遊びに行くことになり、「メイドカフェに行ってみたい!」と言われたのが全ての始まりでした。
その時は、普通に観光客としてメイドカフェを楽しみ、「みんな可愛かったなあ、楽しかったなあ、」と体験を終えました。と同時に、もう来ることはないだろうな、とも思っていました。
その後、その日に見かけたメイドさんたちのTwitterをフォロー、そしてその数日後に、出会ってしまいました。推しメンに。
わたしの通っていたメイドカフェには、新人は初お給仕から1ヶ月経たないとTwitterを使えないというルールがありました。彼女も、その新人期間だったため、Twitterのアカウントを持っておらず、仲の良い先輩メイドが彼女の写真や動画をツイートしていたのです。
その、仲の良いメイド、が、わたしがたまたま見かけ、Twitterをフォローしたメイドさんだったのです。
初めて彼女の動画を見たときのことは強烈すぎて忘れられません。
気がついたら涙が出ていました。可愛い、という感情で涙が出るのは初めてでした。こんなに可愛い人間がこの世に存在するのかと、信じられない気持ちでした。
ちょっと気持ち悪いけど、理屈でもなんでもなく、「運命だ」と思いました。
毎日彼女の動画や写真を見て癒される日々が続き、とにかく早く会いたくて仕方がなかったけど、当時地方に住んでいたのでなかなか行けずに、初めて実際に会いに行けたのは3ヶ月後、8月8日のことでした。
3ヶ月間画面越しで見ていた女の子が目の前にいて、わたしのことを生きたひとりの人間として認識してくれていて、わたしに向かって言葉を発している。
心の底から、「天使だ」と思いました。
あまりにもキラキラしていて、可愛くて、涙が出てくるのを必死に堪えました。出会って半年後くらいまでは毎回涙目になっていた記憶があります。
↓ 初めて会ったときに彼女が描いてくれた抹茶ラテ
それからの毎日は、それまでとは全く違った生活になりました。
誰かを推す、という文化に初めて触れたので、戸惑うことも多かったけど、それ以上に幸せなことの方が大きく、生活にハリが出たような気がしました。
何か落ち込むことがあっても、「あと◯日で会えるからそれまで生きていよう」、課題やバイトが大変でも、「推しメンも頑張ってるからわたしも頑張ろう」、お店で可愛いものを見かけると、「推しメンが好きそうだなあ」、と、生きている時間のほぼ全て、彼女のことを考えていました。
それから数ヶ月経ち、彼女の1周年記念で、アイドルの曲を歌って踊る、ライブ形式のイベントが開催されることが発表され、予習としてアイドルの曲を聴くようになりました。
そして迎えたイベント当日。最初から終わりまで、ただただ泣きながら彼女を見つめることしか出来ませんでした。
笑顔が苦手、ダンスが苦手だと言っていた彼女が、たくさんのお客さんの愛を浴びて、ニコニコしながらステージの上で踊っている姿は、今まで見た人間の中でいちばん輝いていました。生きていてよかった、と心の底から思いました。
その時の楽しかった思い出や、幸せそうな彼女の笑顔を思い出せるので、イベントで聴いた曲ばかり聴くようになりました。
そうしているうちに、曲自体も好きになり、同じグループの別の曲も聴くようになり、アイドル自体も好きになっていきました。
わたしは「アイドルが好き」だけれど、もしかしたらかなり邪道な入り方をしているのかもしれない、と思います。彼女は一般的に言う「アイドル」ではないかもしれません。
ただわたしは、「ステージ上で歌って踊る」だけがアイドルだとは思いません。発信していることや、生き方や存在で、誰かが元気をもらってさえいれば、それだけで、その人にとっての立派なアイドルだと思います。
わたしにとってのいちばんのアイドルは彼女です。
そして、こんなことを言うと、責任を負わせているようにも聞こえてしまうかもしれないけど、辛かったとき、苦しかったときにわたしがどうにか持ち堪えて、今まで生きてこれたのは、紛れもなく彼女のおかげです。「あと〇日で会える」に何度救われたかわかりません。
もし初めてメイドカフェに行ったのが違う日だったら、違うお店だったら、あの先輩メイドさんを見かけていなかったら。彼女に出会っていなかったらわたしはアイドルに興味がないままだったし、もしかしたら生きていなかったかもしれないし、今こうしてアイドルにはなっていなかったと思います。
それが少し怖くもあり、だからこそ運命なんだという気持ちもあり。
なんだか壮大なラブレターみたいになってしまったけど、わたしも彼女のような素敵なアイドルになれるよう、これから頑張っていきます。
お わ り