推しが3Dになって動くらしい
らしい。
ヤバ。
詳細は以下。
審神者9年ちょっとやっていてまさか3Dライブをする日が来ると思わなかった。マジ? マジです。この自分の中の問いかけをもう二日続けている。現実を受け止めるのに時間がかかっている。マジかよ世界、マジです。たまげたなあ。
刀剣乱舞は原作が3枚の立ち絵が横スライドするゲームなもので、ファンはそれを出汁にして各々で調理する、よく言われるが盆栽みたいなジャンルだと思っていた。誤解のないように言うとこれは別に悪口ではなく、それが個人的にはものすごく居心地がいい。ジャンルの良さであり強みだと私は思っている。
審神者それぞれの本丸で「秘伝の味」みたいなものを作れるから、楽しみ方も何もかも自由で、その懐の広さが10年近く一定のファン、プレイヤーを掴み続けている秘訣なのかなと思う。そもそも10年近くゲームが続いてるのがすごくない? すごいよ、特にストーリーがあるわけでもなし。
特にストーリーがあるわけでもなし、なんで続いているかって言うとこれがまた変な話で、膨大な量の派生コンテンツがあるからだと思う。
アニメは現時点で公開されたものだけで(廻はほぼステかもしれないけど個別でストーリー続けてるし別で数えるとして)3種類、2.5舞台もミュージカルと舞台と映画で3種類、他にも複数コミック連載があったりして、もー、すごい。
そしてメディアだけではない。「そういうのに興味がなければ実際にモデルの刀剣見に行けばいいんじゃね?」ってことで年中常にどこかしらの博物館の展示とコラボしている。これが大都市だけではなく全国津々浦々だからぬかりがない。
誰が言ったか「刀剣乱舞は実家、人生」。本当にその通りである。PCやスマホを開けば自分の本丸がそこにあるだけではない、現実世界にも劇場や映画館やTV、博物館や美術館に刀剣乱舞が【居る】。私も審神者になってから始めて行った場所や訪れた県がたくさんある。演劇やミュージカルにもあまり馴染みがなかったが、刀剣乱舞が切欠で出演俳優さんの舞台に足を運んだりして、この10年随分と私の人生は豊かになった。刀剣乱舞というジャンル、そして自分の本丸は私にとって実家のように「帰る場所」だった。
それにしたって変なジャンルだなあと常々思っている。
とてもおかしな話なのだが、原作ゲームを熱心にしていなくても何かしらの供給がある、ありすぎる。
もちろんゲームがスカスカというわけではなく、リリース当時の虚無具合が嘘みたいにこの数年は毎月何かしらのイベントがあるし、それもたまに新イベントが生えてきたりする。今年2月に登場した新イベントのちよこ大作戦は本当に楽しかった。刀剣乱舞は9年経ってやっとバレンタインを知ったらしい。遅い。しかも別に「刀剣男士にチョコを渡して好感度を上げよう!」みたいなイベントじゃなかった。敵を殴り続けてチョコを集め刀剣を入手するイベントだった。時の政府はどこでバレンタインを学んだんだろう。
勿論ゲーム自体に他に求める点がないわけではない。原作は「刀剣乱舞ONLINE」なのだから、こちらが疎かになってはいけない。原作あっての派生である。
けれど運営がゲームシステムやイベント諸々で改善に努め、新しいことを色々試そうとしていることは、私にもわかる。
自分の本丸に対する愛着だとか以前に、刀剣乱舞というゲームの運営はビジネスなのだ。だから消費者側として「こうしてくれよ!」と思っていても実現しないだとか、利益と予算を優先した結果取った選択肢も存在するだろう。それが消費者の意図に沿わなかったときに界隈が紛糾した際も、送ったお便りに関しては検討してくれている印象はある。
いつもありがとうは常に思っている。私が生きている間はずっと続いてほしい。これからも頑張ろうね。
話を元に戻す。
そんな刀剣乱舞、10周年の記念行事の新規描きおろし114振の顔面を公開した直後に、3Dモデルによる謎のダンスモーションを公開した。
何が起きた……。
正直わからなかった。というか公開タイミングもわからん。
9月20日(金)夜に狂気の114振新規絵を公開して、3日後にこの3Dモデルが出た。そしてこの詳細は翌日24日に告知するという。24日には前述した新規絵バストアップ公開もある。
新情報は1日に1つまでだ。一気に流し込まないで、供給でおかしくなる。
10周年は来年1月、なのにどうしてこのタイミングで前夜祭を始めた???? しかもどうして二つ同日にお披露目した???? コンテンツ間で発表タイミングの打ち合わせとかこう、ないんか????
わからない、真実を知るのは刀剣乱舞のみ、我々は突然浴びせられた情報に溺れる他ない。
しかも3Dモデル、3Dモデル?
前述したが刀剣乱舞は立ち絵3枚を啜るタイプのゲームである。我々の愛する可愛い可愛い刀剣男士達が、3Dモデルに……?
そして満を持して発表されたのが、冒頭に張り付けた3D音楽ライブプロジェクト、ぴゅあくる刀剣男士である。
率直な感想を言おう。
うお~~~~~ありがてえ、まだ新しい派生コンテンツやるつもりなんか!!!!!!!!!!!!!!
私としては全面的に大歓迎だ。
ようやっと私の推しの話をすることになるが、私の数多いる推しのうちの一振はぴゅあくる刀剣男士の第一弾として告知された江の刀剣男士、村雲江だ。
こちらの村雲江(通称雲さん)は自身の来歴に影響を受けてしょっちゅうお腹を痛めるSo Cuteワンちゃんである。言葉の端々はとても卑屈で、難しい性格をしているものの審神者にはいくらか懐いてくれており、就任記念の際などは打ち解けた穏やかな声で話し、時間遡行軍と戦う審神者に寄り添ってくれる。とても優しい刀だ。
その雲さんが、今回ぴゅあくる刀剣男士第一弾として登場することが発表された。
つまり推しが3Dになって動くということである。ヒャッホイ
江は松井江まではアニメシリーズ「刀剣乱舞花丸」に出演していたが、雲さんはミュージカルシリーズにしか出演がない。つまり原作と同じ成分で啜れる供給がゲームにしかないということ。
ぴゅあくる刀剣男士の雲さんは、派生コンテンツの中では初めて原作CVの声優さんで喋り、動く雲さんということなのである。
正直言って有難さしかない。
私は刀ミュを履修している審神者で、刀ミュ本丸の村雲江さんはそれはもう可愛らしいと思っているが、推しの供給はあればあるほど良いし、やっぱり自分が一番最初に出会い、本丸にいてくれる原作の雲さんには深い思い入れと愛着がある。
ぴゅあくる刀剣男士では自分の本丸の雲さんと同じ声と顔で動く雲さんを見られるのだ。今のところ雲さんが大好きな私には加点ポイントしかない。
……と思ったがしかし、「思ったより賛否あるな……?」というのがここ数日の印象である。
まあ当たり前なのだが、賛否はあってしかるべきである。世の中100%肯定できるものってない。色々な意見を取り入れて、研鑽を重ねることでより良いものができる。
だが想像より厳しい声を見ることが多かったので、楽しみで嬉しかった私は多少落ち込んだ。とはいえ「それらの懸念や反対の意見、期待されていたものもわからんでもない…」という気持ちでもあり、ぴゅあくる刀剣男士はまだ発表された直後のプロジェクトで全てが未知数なのもあり、現時点ではどう転ぶか全く読めないので仕方ないかな……とは思った。それでもこういうときできるだけキツい言葉は選びたくないなという心情はあったが。
そんなこんなでたった二日間の間に色々モヤモヤしたり、新しいプロジェクトへの期待と不安で何となく心がめちゃくちゃになったりもした。気温差で情緒が不安定だったのもある。いきなり秋になるんじゃない。
だがうだうだ考えても仕方ない。こういうことは言葉にして、まとめた方が精神的にもよいし、頭もすっきりする。
というわけで、「3D音楽ライブをする」という最低限の情報から私が今後期待することを以下に書く。
簡潔に言えば「音楽ライブの今後の展開はともかく、3Dモデルができたことで得られるものはかなり大きい」ということです。
なにせ6月にニトロプラスがサイバーエージェントの子会社になったことは記憶に新しい。そうなると、こう、すごいぞ。
同じ関連企業の列に「Cygames」が並んでいるのである。
Cygamesの3D技術と言えば、何故あれほどサクサク動くのか全く分からない『ウマ娘プリティーダービー』だ。凝った衣装、レース、それだけではない、かなりのクオリティをもった3Dライブ技術をCygamesは既に持っている。せっかくなのでおすすめライブを貼っておく。
関連企業間でどれだけの連携があるかはわからないが、全くの無関係というわけではなくなるわけだし、子会社化の対談の際にニトロの小坂氏は刀剣乱舞10周年にも言及し長期運営のためにサイバーエージェントに支えになってほしいと発言し、藤田氏もまた以下のように言及している。
ニトロを子会社して、期待することの半分に「刀剣乱舞の発展」と答えている。これはヤバいことである。刀剣乱舞にかける期待がすごい。
となると、どうしてもCygamesから何かしらの技術を引っ張って来れるのではないかと、こっちとしても色々想像してしまう。
だって3Dモデルを自社で持ってたり作れるノウハウがあるって、めっちゃ嬉しいぞ。
まずぴゅあくる刀剣男士で既にコンテンツとして発表されている3Dライブだが、これはアイドルマスターが今積極的に実施している。
百聞は一見に如かずなので見てもらう。
これはアイドルマスターSideMが直近で実施した3D音楽ライブ「F@NTASTIC COMBINATION LIVE HEARTMAKER!!!!」の映像である。
F@NTASTIC COMBINATION LIVEはモーションキャプチャで315プロダクションのアイドル達の3Dモデルを動かしてライブをしている。そして歌やダンスだけではなく、MCタイムもあある。私はこの第一弾「BRAIN POWER!!」と第二弾「CONNECTIME!!!!」を円盤で鑑賞したのだが、これが結構面白い。パフォーマンスは勿論だが、話し方の身振り手振りだけではなく、何気なく立っているところなんかにアイドルそれぞれの個性が動きに出ていて、見ていてかなり楽しい。見せてくれた友人Pたちは「3Dライブは絶対に現地で見た方がいい、円盤の感じより現地の方がスクリーンの明度が高いし、アイドルがそこに居るから」と口を揃えて言っていた。
ぴゅあくる刀剣男士は、このF@NTASTIC COMBINATION LIVEの雰囲気が一番近いのではないかなと私は予想している。
3Dモデルの刀剣男士達が、ステージ上のスクリーンに映し出されてライブを行う。刀剣乱舞のことだからなにか奇をてらうかもしれないが、基本はこれだと思う。
私はウマ娘プレイヤーのトレーナーでもあり、友人にSideMPが複数いることもあり、ぴゅあくる刀剣男士の「3D音楽ライブのクオリティ」や「3Dライブそのもの」についてはあまり心配していない。
まずCygamesがいくらか技術提供してくれていると仮定するなら、3Dモデルは一切心配いらないだろう。そしてその仮定を抜きにしても、刀剣乱舞はOP映像で既に十分な出来の3Dモデルを見せてくれているし、現在開催されている「日本刀と未来展」の展示内で、加州清光の3Dモデルがモーションキャプチャで殺陣の手本を見せてくれていることは記憶に新しい。
これらの既存の3DモデルをCygamesがブラッシュアップしてくれるなら、かなり有難い。私はこっちに期待したい。3Dモデル、綺麗であればあるほどいいですからね。
それに友人Pたちが揃って「3Dライブは絶対現地に行け」というくらいのものなので、刀剣男士の3Dライブ、ぜひ見たい。推しが目の前で歌って踊るのを体験したい。刀剣男士の実在性、感じたい。これはシンプルに願望である。
そしてこの3Dモデル、下種な話だが最初のぴゅあくる江で儲けてぜひ全振作ってほしい。
前述したアイドルマスターSideMの3Dライブだが、なんと特典映像として練習中風景を撮影したというバクステ映像がついていたのである。アイドル達が、プロデューサーに確認を取りつつカウントを取ってリハをするというビックリするくらい羨ましい映像だった。担当アイドルが生きてる、ヤバい。
わかるだろうか、3Dモデルによるアイドルたちの日常風景である。
当然だが、3Dモデルの使い道はアイドルライブだけではない。既に様々なユーザーが言及しているが、3Dモデルがあればできることが無限に沸いてくる。告知段階で期待の声が散見されていた「フィットネスゲーム」然り、Vtuberよろしく刀剣乱舞でチャンネルを開いて、刀剣男士の料理風景なんかを作って公開してもいい。
見たくないか? 料理する燭台切光忠と歌仙兼定、見たくないか? ショート動画でバズる刀剣男士、見たくないか??????
ちなみにぴゅあくる公式HPにもこう記述がある。
SNS起点という記載からも、現時点で既に公式チャンネルの開設は視野に入っているのではないかと思う。刀剣男士全員にアイドル適性があるかどうか問題もあるし、そうでない刀たちにもそれぞれの活躍の場を用意してくれたりしないだろうか。
当然内容にもよるが、私はそんな展開に興味がある。そしてそれらが実現できるかもしれない可能性がぴゅあくる刀剣男士で生えてきたことは喜ばしい。推しがこれからなんでもできるかもしれないのは嬉しい。全部見たい。好きなので全部一回見てから考える。
でもアイドルやVtuberみたいになってほしくない、刀剣男士は刀剣男士でメインの役割は歴史を守ることだからという主張、理解できる。ぴゅあくる刀剣男士のことは楽しみだし、歌って踊る雲さんが見られるのは嬉しいけれど、私だって、刀剣乱舞にアイドルライブが主力のコンテンツになってほしいわけじゃない。何をするにしても、原作で設定したキャラはブレないでほしいなと思っている。
けれど前述したが、刀剣乱舞の運営の大元はビジネス、商売なのだ。商売には資金がいる、売り上げがいる。それらをコンテンツにつぎ込むのは私たち消費者なのだから、運営は消費者を常に一定の数維持して、かつ増やしていかなくてはいけない。
刀剣乱舞はこれまでも、原作ゲームへの課金誘導はかなり少なかった。サービス当初よりは旨味のある課金アイテムは増えてきたし、イベントによって短期集中で売り上げを上げることはできるものの、「刀剣乱舞ONLINE」はどう考えても大々的に集金できるゲームではない。メインの収益はグッズやメディアミックスの版権料や興行の売り上げだと思う。
そして多分、それでいいと運営は考えているのではないだろうか。ゲームの売り上げを上げたいならわかりやすく限定ガチャやランクイベでも作って、渋い確率のガチャを回させて、イベントでユーザー同士を競わせればいい。金で殴り合わせればいい。それは変なことではない。ソーシャルゲームなら当たり前のことだ。でも刀剣乱舞はそれをしない、してこなかった。
正味、刀剣乱舞ONLINEの主目的はそれぞれの審神者の「本丸」を持つことだと思う。自分の本丸に愛着を持って自分の刀剣男士達を大切に思ってもらえなければ、刀剣乱舞というジャンルは成立しない。
どこから入ってきてもいい、手軽に始められる。そうして自分の本丸を持って、気になった刀がいるから、好きな刀がいるから、派生コンテンツに触れてみたり、全国各地の博物館に足を運ぶこともある。原作ゲームの過剰な課金誘導でユーザーを疲れさせてしまっては、「刀剣乱舞」はたぶん成立しない。
私も様々に派生コンテンツをつまみ食いしたとて、一番大切で、一番大好きなのは自分のPCやスマホにいる私の刀剣男士達だ。この子たちがいなければ、何の意味もない。もしも原作ゲームがサービス終了して、派生したメディアミックスのみでIPを展開しますと言われても、それに触れることはなくなると思う。
だったらこの原作の、私の本丸が来年に控えた10周年を超えて15年も20年もさらにその先も迎えていくためには、刀剣乱舞の運営にはジャンルへの新しい入口をどんどん用意して、様々なファンを獲得していってもらわなくてはいけない。その上で私たち審神者は楽しいところを楽しい分だけビュッフェしていけばいい。どうも運営はこれから色々テーブルに並べてくれるようだし、そのためにも3Dモデルのコンテンツができたのはシンプルに喜ばしい。可能性、無限大ですからね。
それに、当然ながらメディアミックスにも好き嫌いがある。最初は好きでも、そろそろ卒業という派生コンテンツも出てくるかもしれない。10年近くジャンルが続いていれば、審神者の感性や趣味嗜好も変わってくる。それは仕方ない。
だから10年目近くなって、全く別な新しいプロジェクトを発表する運営だとわかったことは素直にとても良いことだと思う。刀剣乱舞はこれからもどんどん新しいことをします、あんなこともこんなこともしますとお知らせしてくれるのは嬉しい。これから何が飛び出してくるのかわからないのも、どんなトンチキなことしてくれるのかも楽しみだ。嘘、ちょっと怖い。刀剣乱舞が何をするか予想できたことが一つもないので。審神者の日ってなんだよ、びっくりしたよ。おもろいので毎年その日に有給を入れます。
したがって、私は今回のぴゅあくる刀剣男士にもかなり期待している。3D音楽ライブでどんなものを見せてくれるのか、どんな姿で江の刀剣男士たちは、雲さんは私たちの前に出てきてくれるのか、楽しみでしかない。公式サイトのHPにはまだ3Dモデルのシルエットしか出ていないが、この時点で正直……めっちゃ可愛い。雲さんの髪の毛束がめちゃくちゃ細かいのだが、これはどうなっているのだろう。期待しかない。お披露目されたら狂う。
だからなんとかして来月(来月? あまりにも急すぎる)のテイスティング公演のチケットはもぎ取りたいし、当日あまりの供給に卒倒してしまわないように、公式には情報を小出ししてもらいたいと思っている。今は雲さんの拳しかわからない、拳で情緒を慣らすのは難しい。あと当日知らん新曲ばかり浴びせられたら死ぬので、そういうものも、ちょっとずつ……。
あと品川ステラボールを今すぐ拡張したい。もっと大きなステラボールを立てませんか? そうですね……審神者の屍がゴロゴロ転がっても問題ないステラボールですって私の心の中のハリソンも言ってる。キャパが狭い、3月の本公演は死ぬほどデカい会場がいいです。
今後の展望や技術の活かし方、そういうのを諸々ひっくるめて、ぴゅあくる刀剣男士期待しています。
ワー楽しみ!