ENJOYスマイル通信

「ルールを守る」というテーマで道徳の授業をした時に、「2つのボールでドッジボールをする」ということになって、元気よく全員で校庭に飛び出した、40人の教え子のみなさんへ。久しぶりに、学級通信「ENJOYスマイル通信」を書こうと思います。

あれから20年、今、30代になって、仕事が忙しく、育児が忙しく、新型コロナウィルス感染の拡大で、今までと少し違ったチャレンジがあるかもしれないけれど、元気に無事にそれぞれの場所で過ごしていると思います。

他のクラスが先生の話を教室で静かに聞いているのに、私達だけが外に飛び出して、しっかりルールを守って、全員で楽しく、2つのボールでドッジボールができたみんなのことを、今でも誇りに思います。

当然、私は「何をやっているんだ」と上司に叱られました。上司の話を真剣に聞いて、彼の考え方は理解しましたが、私には私の考えがあったので、謝ったりはしませんでした。だから、今、ニューヨークにいて、アーティストとして強く生きているんだな、と思います。笑。

自分の夢を選び、教える仕事を離れました。正直、お金のことや、「世の中の役に立つようなことをしているのか」と考えると、新型コロナウィルス感染の拡大で、日本を離れて、音楽家としてまったく収入のない今の自分が、これでいいのか、考えてしまいます。それで、久しぶりに、みんなを思い出しました。

自宅待機の孤独な時間、思い出の中でも、妄想の中でも、みんなを思って、繋がれたことを嬉しく思います。いつも身体をはって、気持ちに寄り添い、できるだけみんなと同じ目線で物事を考えることができるようにしていました。なかなか、先生らしいことは言えなかったけれど、とにかく毎日が楽しかった。

とりとめなく、これを書いているうちに、自分に向き合っていることに気づきました。私は、労働時間、仕事の量、経験に対して報酬をもらうより、人に楽しい時間を提供して、それにお金をもらえることが本当に嬉しい。人を楽しませたり、喜ばせたり、それが私の生きがいです。ニューヨーク都市封鎖になってしまった今、作曲して、アーティストと繋がって、動画を作って発信しています。誰かに届き、その人が少しでも素敵な時間を過ごしてくれればいい。その人の反応が見えないけれど。きっと笑っている。きっとあたたかい気持ちになっている。

自分たちで作った新しいルールを守って、2つのボールでドッチボールをしたというみんなとの経験は、私は、楽しい時間をみんなに提供できたことが嬉しいし、みんなも、楽しんでくれたことによって私に素敵な思い出を提供してくれました。20年たってもそのことが楽しく思い出されることが本当に嬉しいです。

どうか、この厳しい状況でも、人に喜ばれるような活動を通して、是非、人と繋がっていてください。その思いや活動は必ず、自分の栄養になり、自分が辛い時には、必ず誰かが寄り添ってくれと信じています。

元気でね。またいつか会えますように。

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