温暖化ガス発生源を宇宙から特定する技術【2022.9.16日経新聞 夕刊一面より】
1.牛の「げっぷ」は、多量の温室効果ガスを生み出す
以前の投稿(↓参照)で、牛の「げっぷ」が、多量の温室効果ガスを生み出しているということを紹介しました。
家畜の飼育は、毎年排出される世界全体の温室効果ガスの15%近くを占めるようです。
その中でも牛などの反芻動物(一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻して、再咀嚼する動物)は最大の犯人であり、餌を消化する際に強力な温室効果ガスであるメタンを生成するようです。
牛が「げっぷ」をする時に吐き出されるメタンは強力で、世界で排出される温室効果ガスの4%を占めるようです。
今日の日経新聞 夕刊のトップ記事は、そんな温暖化ガス発生源を宇宙から特定するという記事でした。
2.ウシのゲップや発電所 温暖化ガス発生源、宇宙から特定 メタンやCO2削減狙う【日本経済新聞2022.9.16 夕刊、電子版】
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この記事では、宇宙から人工衛星を使って、温暖化ガスの発生源を特定する取り組みが活発になっているという内容です。
先程、話題にしたウシのゲップや火力発電所の排出量、ガス田からの漏れなどを把握できるようです。
衛星による観測データは、「排出削減に役立てたいエネルギー企業のほか、政策を検討する政府機関や研究者から引き合いがある」ようです。
地上センサーや航空機による観測よりも低コストで観測可能だからだそうです。
なぜ、このような衛生データが重宝されるのか。
それは、衛生データで削減対策の効果を確認できれば、投資家へのアピール材料になること。
また、天然ガスのパイプラインから漏洩があった場合、場所を素早く特定するという危機管理になることがあるようです。
3.衛生データを使えば貧困地域も特定できる
今日の日経新聞の記事は、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」に有効な技術です。
この技術を使えば、温暖化ガスの発生源を特定でき、そこに集中的に対策を打てばいいと言うのが分って来ます。
同じように、この衛生データは、SDGs目標1「貧困をなくそう」にも非常に有効です。
以前の私の投稿(↓参照)でもお話ししています。
目標1の達成のために、貧困地域の特定作業に非常に時間が掛かるようです。
貧困地域の多い発展途上国は、統計の未整備な場合が多く、貧しい人が誰で、どの地区に集中しているのかが把握できていないからです。
そこで登場するのが今回の衛星データです。
衛星画像をもとに、エリア毎の「住宅密度」「車の台数」「道路や屋根の状態(草ぶきかトタンぶきか)」等を観察し、AIにより、その地域の貧困率を推し量る研究が進んでいるとのことです。
地球規模で対策を行わなければならないSDGsの目標は、このように衛生データを使えば、課題地域を特定することができ、集中的に対策を打てるのではないでしょうか。
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