ゼロエミッションとは?【その1】:アサヒビール茨城工場見学の思い出

1. ゼロエミッションとは?

環境の話題の中で、よく「ゼロエミッション」とう言葉を耳にすると思いますが、皆さんこの言葉をご存じでしょうか。

「ゼロエミッション」とは「廃棄物資源化100%」のことで、廃棄物を再利用することにより、最終処分場に埋め立てられる廃棄物や、大気中に放出されるCO2を限りなくゼロにしようとする取り組みのことを言います。

1994年に国連大学により提唱され、その後、日本国内にも広がったようです。

全ての廃棄物を資源として有効活用することで、最終処分場における埋め立て量を減少させることができます。

そして、その結果、排出するCO2を減らすことにも繋がって行きます。


2. 最高の演出、アサヒビール茨城工場

私は、20年以上前に、アサヒビールの茨城工場を見学しました。

その工場は、日本でもいち早くゼロエミッションを達成した工場です。

工場見学で印象に残っているのが、巨大スクリーンで如何に茨城工場がゼロエミッションに取り組んだかという説明を聴いた時のことです。

茨城工場では、材料別の分別容器を設置した分別ステーションが工場の22ヵ所に設置され、従業員には 「分別も仕事の1つである」 の意識改革を行なったようです。

成功のカギは、「ごみを分別するのではなく資源を分別する」 ことを徹底させたことだそうです。

「廃棄物再資源化100%」 への取り組みは, 1996年1月に始まり、その時点までに98.5%の再資源化を達成しており、残り1.5%の再源化を1年以内に行うことに挑戦したそうです。

その1.5%は、廃プラスチックや蛍光灯、乾電池、再生できない紙くずなど、使い終わればごみとなって処分されるものだったようです。

残り99.9%までは、ほどなく達成したようですが、最後に残ったのが蛍光灯で、蛍光灯をリサイクルしてくれる業者を探すのが一番大変だったという苦労話は、今でも記憶に残っています。

そして、その説明が終わると、巨大スクリーンが動き出し、一面ガラス張りになり、そこに工場に植えてある緑の木々が現れました。

その時、「茨城工場は、自然を大切にする工場です」と言うメッセージがあった時、本当に環境に配慮した素晴らしい工場だなと思いました。

その後、確か最上階に上がり、ビールやソフトドリンクの飲み放題のサービスがありました。

最上階からは、緑の樹々に囲まれた茨城工場の全体が見渡すことができ、最高のおもてなしだと思いました。

確か、「このビールは、今、まさに搾りたてのビールで、工場から直接ラインが繋がっているので、いくらでも注ぐことができます」という説明があったと記憶しています。

一気にアサヒビールのファンになってしまいました。

1996年11月、この茨城工場は、アサヒビール9工場の中で一番早くゼロエミッション(廃棄物再資源化100%)を達成しました。

そして、1998年11月には、アサヒビールの全ての工場で、ゼロエミッション(再資源化100%)を達成しました。


3. さいごに

実は、この後、私は前職の食品メーカーでゼロエミッションの取組みを推進しました。

工場のゼロエミッションは非常に重要ですが、それだけでは、アサヒビールの後追いだけになってしまいます。

次回の投稿では、私の前職での、アサヒビールのこのゼロエミッションを超える取組みについて、お話ししたいと思います。


【引用、参照website】
◆脱炭素チャンネルwebsite: ゼロエミッションとは?実現に向けた対策や事例、課題を紹介!

◆ゼロエミッションの動向(中丸寛信 甲南経営研究 46巻1号25-59ページ、2005年9月10日発行)

https://core.ac.uk/download/pdf/148079274.pdf


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