企業にSDGsを簡単に導入できる凄い手法とは
1.SDGsのメリットは分かったけれど。。。
以前の投稿(↓のリンク参照)で、企業がSDGsに取り組むメリットについて、説明しました。
この投稿のまとめでは、
❶企業には経済的価値(売上・利益)と社会的価値(社会課題の解決)の2つの価値があること。
❷持続可能な企業になるためには、その2つの価値の共通部分を大きくすることが必須であること。
❸その共通部分を推進する指針としてSDGsをおいてみると、企業の進む方向性が見えて来ること。
をお話しました(↓図参照)。
しかしながら、これだけの説明では、具体的に企業がどのようにSDGsに取り組めばいいのか、わからないですね。
そういう企業が活用できる凄い手法があります。
それが、「SDGコンパス」です。
2.SDGコンパスとは
「SDGコンパス」とは、国連のグローバルコンパス等が作成した企業のSDGs導入に便利な指針です。
「SDGコンパス」は下図の通り、企業がSDGsをどのような手順で取組んでいいかを示した5ステップの行動指針です。
3.SDGコンパスの各ステップの概要
【ステップ1】SDGsを理解する
最初に、SDGsに取り組むメリットと自社の役割を理解する必要があります。
そのためには、17目標及び169ターゲットと自社の活動との「関連性の度合い」「貢献可能性の度合い」を簡単に評価しておくと良いでしょう。
SDGsの原文にあたる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の関連webを添付しますので、参考にして下さい。
【ステップ2】優先課題を決定する
自社のSDGsに関する現状と将来的なプラス影響とマイナス影響を分析し優先課題を決定していきます。
「SDGコンパス」では、「バリューチェーン全体」で社会課題にアプローチすることが求められています。
バリューチェーンとは、商品やサービスがお客様に提供されるまでの一連の活動を価値の連鎖として捉えたものです。
バリューチェーンでの社会課題(例:SDGsの17目標)へのアプローチ事例として、下図のように活用して自社の活動全体とSDGsとの関係を捉え、優先すべき課題を決定します。
【ステップ3】目標を設定する
自社の優先すべき課題について目標を設定します。
SDGsは2030年までのターゲットですから、できれば2030年の長期の目指すべき姿とそれを中期(3年程度)の目標と単年度目標を作成すると良いでしょう。
目標作成に当たっては、「いなき流 新SMARTの法則」を参照して下さい(以前の関連投稿を添付しました)。
【ステップ4】経営へ統合する
SDGsの目標を企業の全部門と共有していきます。
企業の財務目標(売上・利益等)に加えて非財務目標(SDGsや労働安全・品質・環境)として掲げて、全社として、PDCAサイクルを回していくことをお勧めします。
「共有価値の創造」の観点から、「非財務目標」が、企業にとってどのようなメリットに繋がるのかを明確にしておく必要があります(できるだけ金額に換算)。
例えば、他社との「共同配送」で物流の効率化を図る場合、効率化によって削減できる二酸化炭素量に加え、いくらコストを削減するかということを目標に掲げることが重要です。
【ステップ5】コミュニケーションを行う
SDGsの活動については、必ず社内及び社外に情報発信することが必須です。
社内での認識を高めることと、社外に活動を宣言することにより、実施の責任意識を醸成します。
もちろん、SDGsに積極的に取り組んでいる企業であることをアピールすることも大変重要です。
その場合、特に重要なことは、以下の3点です。
❶発信する数値情報は、その根拠を明確にしておくこと。
❷外部に目標を発信して、達成できなかった場合でも、その理由を明確にした上で次にどう対応するかを明記すること。
❸発信する情報がグリーンウォッシュ【注】にならないように細心の注意を払うこと。
【注】「グリーンウォッシュ」とは、「見せかけのエコ」を表す造語です。
一見、環境に配慮しているように見せかけて、実態はそうではなく、環境意識の高い消費者に誤解を与えるようなことを言います(↓参照)。
4.SDGコンパスはサイクル
SDGコンパスのステップ1からステップ5まで説明しましたが、SDGコンパスはサイクルです。
ステップ5が終了すると、ステップ2に戻り、繰り返すことが重要です。
SDGコンパスは、PDCAサイクルと同様、繰り返すことにより、活動の精度や質が上がって行きます。
5.まとめ
❶自社の強みをSDGsの17の目標と照らし合わせることで、「共通価値の創造」に繋げることができる。
❷SDGs推進が、「共通価値の創造」を可能にすることが理解できても、どのように取り組めばいいのかわからない企業はたくさんあります。
❸そういう企業が活用できる手法が、「SDGコンパス」です。
❹「SDGコンパス」は「①SDGsの理解」「②優先課題の決定」「③目標の設定」「➃経営への統合」「⑤報告とコミュニケーション」の5つのステップがあります。
❺ステップ5が終わるとステップ2に戻り、何度も何度も繰り返すことにより、活動の精度や質が上がって行きます。
これからSDGsを本格的に推進したいという企業に関しては、この「SDGコンパス」の指針に従うことで、体系的に「共有価値の創造」が可能となります。
なお、SDGs導入について、ご質問、ご相談等ございましたら、以下のお問合せフォームからお気軽にご連絡下さい。
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