話題のOODAループ思考を解説する❶:昨日の日経新聞朝刊を読んで。。。
昨日(2021年11月9日)の日経新聞の記事(ビジネス・テック面)を見て、「PDCAサイクル」も重要だけど、「OODAループ思考」も身に付けておかないとと、改めて考えさせられました。
1.最初に、「OODAループ」って何だろう!
「OODA(ウーダ)ループ」の理論は、1950年代の朝鮮戦争の空中戦での経験を元にアメリカ空軍の戦闘機パイロット・航空戦術家 ジョン・ボイド氏が提唱した「意思決定方法」です。
最近では、「PDCAサイクル」にとって代わる手法ではないかと、にわかに注目されているようです。
ジョン・ボイド氏は、「40秒ボイド」という異名を持っており、戦闘機での闘いで40秒あれば、どんな不利な状況からでも有利な状況に転換できたとのことです。
このように、もともと戦場で敵機に囲まれた戦闘機がどのように対応すべきかを考える手法でしたが、それを企業戦略にも有効に活用する動きがでてきています。
「OODAループ」は、予測が付かない情勢に対して効果的な手法と言われています。4つのステップがあり、それらをぐるぐる回します。
2.OODAループの4つのステップとは
OODAループの「O」はObserve(観察)、次の「O」はOrient(状況判断、方向付け)、「D」はDecide(意志決定)、「A」はAct(実行)です。もうひとつ重要なステップは、「Loop(改善)」です。
戦闘機を例にとると、
【観察(みる)】
自分が乗っている戦闘機が複数の敵機に囲まれてしまった場合、自機の位置、態勢、燃料残、味方機の存在や敵機の位置、速度、相対的位置、機種を把握します。
【状況判断、方向付け(わかる)】
観察の結果を受け、自分の経験や軍隊としてのルールを踏まえ、時機が逃走、攻撃、無視等、どういう反応をすべきかを判断します。
【意志決定(きめる)】
観察と状況判断を受け、最善策を決定します。この状況では、人に頼ることができず、自ら判断することが要求されます。
【実行(うごく)】
意思決定を受け、即実行に移します。
【改善(みなおす)】
実行の結果、当初の状況が変化します。その変化を踏まえ、再度「観察」に入り新たなループを回します。
これらのステップを一瞬のうちに行うのが「OODAループ」の神髄です。ポイントは、❶臨機応変、❷即断即決、❸状況のUpdateの3つです。
3.「OODAループ」思考が使用されている事例
「グーグルマップ」がまさしくこのような考えに沿った判断をしているのではないかと思います。
目的地を設定し、しばらく走ると、【観察】渋滞や事故が起きていることを認識します。その際、【状況判断、方向付け】観察の結果を受け、最適なう回路が何かを判断します。状況判断をした上で【意志決定】最も早く到着するう回路を決定し表示します。【実行】決定したう回路に従い進行方向を変更します。【改善(みなおす)】う回路に回ってしばらく経つとそのう回路に車がなだれ込んで来ました。そこからまた、観察が始まるという具合です。
また、「スマートフォンのアプリ」もこの「OODAループ」思考に従っているように感じています。まずは、開発したアプリを配信します。そのアプリに関する使い勝手の悪さや「いいね」がコメントに上がってくると、即座にその反応から、次にどのような改善をすべきかを考え、アップデートします。短期にアップデートを繰り返すことにより、より完成度の高いアプリとなります。
4.昨日の日経新聞朝刊の記事(ビジネス・テック面)で感じたこと
本文の最初に、「アップルなど米IT(情報技術)大手5社の時価総額は東証1部の合計を上回る。差はどこでついたのか」との問題提起がありました。
「日本はかつてトップダウン型の統制の取れた組織で製造業を中心に発展し、成長を遂げた。」
「一方、デジタル時代はイノベーションを生む「知の集積」がものをいう。人材と組織に加えて、関係者が口をそろえるグーグルの特徴がスピード感だ。」
この2つの文章が、今の日本とアメリカの企業の差を象徴していると感じました。
一概には言えないと思いますが、日本の企業は与えられた範囲の中で「PDCAサイクル」を活用して改良に改良を重ね、技術力で世界を席巻しました。でも、それだけでは、ダメだったというのが現実のような気がします(必ずしも、「PDCAサイクル」を否定しているわけではありませんので、あしからず)。
アメリカは、「知の集積」と「スピード感」で新たにデジタル時代のイノベーションを具現化して来ました。これは、まさしく「OODAループ思考」なのかなと強く感じました。
5.「PDCAサイクル」も「OODAループ」もどちらも必要
企業は無計画ではもちろん動けないし、限られた範囲内で動くだけでは、大きな変化の波を乗り切ることができないと思います。ですから、「PDCAサイクル」を基本として、「OODAループ思考」を如何に取り入れていくかということを考えて行かなければならないと思います。
6.「0秒思考」という考え方をご紹介
最近、自分自身思うのは、「OODAループ思考」は理解できるが、そんなに「臨機応変」「即断即決」ができるのかという不安でした。そこで、見つけたのが赤羽雄二氏の「ゼロ秒思考」です。
「ゼロ秒思考」は、マッキンゼーで14年間活躍した著者の独自メソッドで、「メモ書き」によって思考と感情の言語化をトレーニングするというものです。
実は、私も書籍を読んで1カ月「ゼロ秒思考」を試してみました。その結果、noteで毎日投稿してみようという気になりました。是非、まずは関連YouTube見てみて下さい。おススメです。