微小プラスチックと海洋汚染解決の鍵:九大と理研の研究成果から考える(日経新聞サステナビリティ記事【その9】)
私たちの暮らしに欠かせないプラスチック。しかし、その利便性の裏で、環境に与える負荷が深刻化しています。
九州大学の研究によれば、タイ周辺の海域では、紫外線で劣化した微小プラスチックがサンゴに蓄積し、海洋生態系に長期的な影響を及ぼすことが明らかになりました。この現象は、サンゴが死後もプラスチックを含んだまま海底に残り、千年単位で環境中に留まるという、私たちの想像を超えるスケールの課題です。
一方で、理化学研究所と東京大学が開発した海水で分解される超分子プラスチックは、こうした課題の解決に向けた一筋の光となる可能性を秘めています。食品添加物由来で安全性が高く、通常のプラスチックと同等の加工性を持つこの素材は、環境負荷を大幅に削減しつつ、循環型経済を実現する鍵となるでしょう。
本投稿では、これら二つの研究を通じて、私たち一人一人が取り組むべき次のステップについて考えていきます。
なお、これらの記事のリンク先は日経新聞会員限定です。本記事で要点を分かりやすくお伝えします。
1.【51】2024年11月18日(月)日経新聞 夕刊【微小プラ】
微小プラ、サンゴに蓄積 九大、タイ周辺海域を調査
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84864550Y4A111C2CE0000/
(要約)
九州大学の研究チームは、タイ周辺海域での調査により、紫外線で劣化したマイクロプラスチックがサンゴに蓄積していることを明らかにした。サンゴの骨格に取り込まれた微小プラスチックは、サンゴの死後も海底に残り、千年単位で環境中に存在し続ける。
(コメント)
この研究は、プラスチックごみが海洋生態系に深刻な影響を及ぼしていることを示しています。国や企業は、プラスチックの使用削減やリサイクルの推進、適切な廃棄物管理を強化する必要があります。また、海洋汚染の監視体制を整備し、環境教育を通じて市民の意識向上を図ることも重要です。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現を目指すべきです。
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2.【52】2024年11月22日(金)日経新聞 夕刊【海水で溶けるプラスチック】 海水で溶けるプラ、理研など開発 海洋汚染抑制に期待
(要約)
理化学研究所や東京大学などの研究チームが、海水中で分解される超分子プラスチックを開発した。
このプラスチックは食品添加物や生体内物質由来の化合物を原料とし、海水で化学構造が変化して再生可能な原料に戻る特性を持つ。また、通常のプラスチックと同等の強度や加工性を備え、燃えにくい性質を持つため、精密機器部品や建築用接着剤としての利用が期待される。撥水加工を施せば、さらなる用途の拡大も見込まれる。
(コメント)
この技術は、海洋プラスチック汚染を根本から減らす画期的な可能性を秘めている。
企業としては、製品ライフサイクルの中で使用後の適切な分解を見据えた設計を取り入れるチャンスである。環境保全の観点からは、使い捨て容器や梱包材にこのプラスチックを採用することで、循環型経済に貢献できる。さらに、撥水性や耐久性のカスタマイズが進めば、多様な業界での採用が広がり、サプライチェーン全体でのCSV推進にも繋がると考えられる。
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九州大学の研究が示す現実は、プラスチックの過剰使用がもたらす深刻な影響を浮き彫りにしています。一方で、理化学研究所の技術開発は、未来に希望をもたらす画期的な発明です。
持続可能な社会の実現には、政府や企業だけでなく、私たち個人の行動も重要です。使い捨てプラスチックの削減や適切なリサイクルの実践、さらにこうした新素材の利用を選択することで、海洋汚染を防ぐ一助となります。
未来の海洋を守るために、私たちが今できることを一緒に考えていきましょう。コメント欄で皆さんのアイデアもぜひ教えてください!
以 上