変化の時代に即応できる「OODA(ウーダ)ループ」を理解する【後編】メリットとデメリット
前回の投稿では、「ポストPDCAサイクル」として注目を浴びている「OODA(ウーダ)ループ」について、ご紹介しました。
この手法、意外と知られていないみたいですね。
この投稿をご覧になって、是非、この「OODAループ」に興味を持っていただき、試してもらえれば嬉しいです。
今回の投稿では、皆さんの理解が深まるよう、この「OODAループ」のメリット、デメリットについて、お話させていただきたいと思います。
その前に、「OODAループ」と組織について、以前の投稿から少しお話しします。
1. 「OODAループ」と組織について
これまで、「OODAループ」に関わる投稿を14本(この投稿を加えると15本)発信し、マガジンにまとめていますので、ご興味のある方は、是非、読んでいただけると嬉しいです。
その中で、「スキ」が多い記事は、「OODAループ」と組織に関わるものです。
実は、「OODAループ」は、日本の企業に多い「ピラミッド型組織」では、少し工夫をしないと活用して効果を発揮することは難しいんです。
その辺りをお話ししているのが、以下↓の投稿です。
それでは、「OODAループ」は、どんな組織だったら有効性を発揮するのか。
そのひとつが「ティール組織」です。
「ティール組織」は、次世代型組織と呼ばれ、生命のような進化型の組織であり、「OODAループ」を活用するのに最適な組織です。
詳細は、投稿↓をご覧ください。
「ティール組織」は、確かに「OODAループ」を活用するのに最適なのですが、企業全体をこの組織に合わせて変革しなければならないので、導入するには、かなりの勇気が必要です。
それに比べると、下の投稿↓で紹介した「アジャイル型組織」は、比較的簡単に活用ができます。
簡単に言うと、「アジャイル型組織」は、フラットな少人数(4〜5名、多くても10名以下)のチームの集合体で構成します。
この組織は、「OODAループ」を活用することで、迅速な意思決定や素早い開発サイクルが可能となります。
要は、「OODAループ」を活用する場合には、組織も変革しなければなりません。
「ティール組織」は本格的な変革、「アメーバ型組織」はプロジェクト型の変革が必要になります。
2.「OODAループ」のメリット
「OODAループ」のメリットをググってまとめてみました。
やはり、「臨機応変」や「即断即決」がメリットの特徴であり、その結果、個人のやりがいも増し、新しいことに展開しやすいようです。
❶すばやく結果が出せる
「OODAループ」には、「いかに短時間で判断・意思決定ができるか」という考え方が基本であるため、現場レベルで決断から実行まで進められ、迅速に行動できる分だけよりスピーディーに結果を得ることができる。
❷環境変化に柔軟に対応できる
「OODAループ」では、現場の人間で問題解決に向けた意思決定ができるので、そのため、その場の状況に応じて柔軟かつ迅速にたえず行動を微修正しながら活動でき、従業員一人ひとりが臨機応変に動く意識が定着していく。
その結果、突然の環境変化にも柔軟に対応できるようになる。
❸一人ひとりの裁量を大きくできる
「OODAループ」においては、個人や小集団といった小規模単位での行動が基本となります。
上からの指示によらず積極的に実行へ移せるため、従業員一人ひとりが自分の裁量を持った判断で動けるようになります。
❹生産性が向上する
「OODAループ」を活用すると、小集団単位でとにかく実行によって成果をあげることができるため、 組織全体で「指示待ち」の時間を大幅に削減することができる。
❺新しいプロジェクトを開始しやすい
「OODAループ」では、最初から目標を設定する必要がないため、先の見通しが立てにくい新しい事業に向けてのプロジェクトでは、「PDCAサイクル」よりも活用しやすい。
❻ニーズに合ったサービスを提供しやすい
「OODAループ」では、状況を観察してから方向づけを行うために、その時に必要とされるニーズをすぐに理解して即応できる。
3.「OODAループ」のデメリット
スピーディーな意思決定が優先され、全体の意思に沿った個人の裁量に大きく任されているため、失敗するリスクも高まり、個々人の力量により結果が変わる可能性があるようです。
如何にメンバーが全体の意思と同調しているか、そして個々人が、意志決定できるためのある程度の力量を有していることが前提になりそうです。
❶失敗する確率が高い
「OODAループ」は状況に応じてスピーディーに行動します。
そのため、最初の段階で仮説を立てる際に、時間をかけて考えることはしないので、間違った仮説を立ててしまう可能性もあります
「OODAループ」の観察・方向づけの段階では、あくまで仮説を立てることになるため、その分は失敗する確率も高くなりやすいリスクがあります。
❷定型業務の改善には活用しづらい
「OODAループ」のプロセスは、「こんなことが起きている」という状況を受けて、迅速に解決できるように動き出すので、「作業を効率化したい」「品質を向上させたい」といった業務改善には向いていない。
❸全体の方向性と意思合わせが必要
「OODAループ」は、個々に意思決定の裁量ができ、責任感が生じる反面、全体の方向性と意思合わせをしておかないとバラバラになりやすい
❹各人の責任が多く、孤立しやすい
「OODAループ」では、自己決定権が多いほどに責任も多くなり、孤立しやすくなりがちである。
そのため、各人の力量にあった裁量を与えることが求められる。
4.さいごに
今回は、「OODAループ」のメリット、デメリットについて記載しました。
こうなってくると、「PDCAサイクル」と「OODAループ」を比較してみたくなりますね。
多分、状況によって、どちらの手法がいいかは変わって来ると思います。
次回の投稿では、「PDCAサイクル」と「OODAループ」の比較を行うことで、如何にそれらの手法を有効に活用していくかを考えてみます。
【引用・参照website】
◆engage採用ガイドwebsite: OODAループとは?メリット・デメリットや効果的な取り入れ方を解説
◆リンク アンド モチベーショングループ website: OODAとは?PDCAとの違いやメリット・デメリットは?実行手順もご紹介
◆マイナビ ニュース website: OODAループを取り入れるメリット5つ紹介! PDCAとの違いは?
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