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今日の日経新聞朝刊(11月29日(月))を読んで:❶会社の存在意義(パーパス) ❷ダイソーのエコ商品
今日の日本経済新聞の朝刊を読んで、気になった記事を紹介し、コメントを加えたいと思います。
1.御社の存在意義は何ですか(1面)/ きょうのことば パーパス(総合・経済面)
■御社の存在意義 何ですか(有料会員向けリンク)↓
今日は、いきなり見出しから「御社の存在意義は何ですか」という問いかけがありました。日経新聞の1面では、珍しい見出しのトーンです。
「利益を過度に追う経営姿勢に若者らがノーを突きつけ、社会への貢献や存在意義を明確に示すよう求めた」という記事です。
「我が社が何のために世にあるのか」この問いかけに今、世界の多くの会社が直面しているとのことです。
消費者から見て存在意義(パーパス)が明確な企業ほど市場評価も高いと題したグラフも引用され、企業の存在意義(パーパス)が、日本でも注目を集め始めているようです。
パーパスについては、「きょうのことば」でも解説が加えられています。
■きょうのことば パーパス(総合・経済面)(有料会員向けリンク)↓
「パーパス(存在意義)」を会社自ら定義することにより、組織に一体感を生み、顧客や社会からの共感を得られやすくなるという利点があるようです。
確かに、日本でも企業の多くは「ビジョン」や「ミッション」を掲げていますが、「パーパス(存在価値)」を掲げている企業は、私自身知りませんでした。
ソニーグループ、花王、三菱UFJFGの事例が引用されていました。
【コメント】
これまでの投稿でも、CSV(経済的価値と社会的価値の共通価値の創造)の重要性について、お話して来ました。この考え方は、なかなか理解するのが難しいのですが、いよいよ若者が企業に「社会への貢献や存在意義を明確に示すよう求める」ような時代になって来たなと思いました。
これから、若者を始めとする消費者による企業の選別が始まって行くんだなという予感がしました。
また、実はこの「パーパス(存在意義)」は、OODAループを企業がうまく活用していくための大前提になるということです。
先の投稿で、OODAループの二番目の「O(状況判断、方向付け)」の説明の際、状況判断の大前提になるのは、「企業理念」や「ビジョン」ですと説明しましたが、実はこの「パーパス(存在意義)」が最も重要であるということを記載しませんでした。
なぜか。それは、このパーパスという単語を読んだ人が、きっと理解するのは難しいだろうと思ったからです。
記事には、ソニーグループのパーパスは「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」とありますが、重要な決断の時、このパーパスさえ腹に落ちていれば、状況判断に間違いがないと言えるのです。
このパーパスを全員が理解し共感していれば、CEOであろうが一般職であろうが、誰が状況判断し決断しても全く問題がないと言えるのです。
OODAループがPDCAサイクルにとって代わるということも言われていますが、実は、パーパスの共感がなければ、効果が発揮できない手法だとも言えると思います。
2.ダイソー、エコ商品倍増(ビジネス面)
実は、うちの近くにダイソーが12月にオープンすることになり、今から楽しみにしています。ダイソーを気にしているので、記事も直ぐに目に飛び込んで来ました(‘◇’)ゞ。
■ダイソー、エコ商品倍増(ビジネス面)(有料会員向けリンク)↓
内容はダイソーが植物由来成分を配植物配合したポリ袋などのエコ商品を拡充するというものです。
【コメント】
ダイソーのように、人気のある100円ショップが環境配慮型商品を拡充することは、消費者の環境意識を高めるためにも有効でいいことだと思います。
ところで、なぜ、プラスチックに植物由来成分を配合すると環境に配慮したことになるのでしょうか。
それは、「植物由来成分を廃棄することで放出される二酸化炭素は、植物が成長する際に吸収した炭素を循環させている」ため、実質二酸化炭素を発生しないという理論です。
これを、理解して商品を買っている消費者がどれだけいるかは、やや疑問です。しかしながら、それでも石油を使ったプラスチックよりは、二酸化炭素に関しては環境に配慮しているというのは分かります。これは、SDGsの「13 気象変動に具体的な対策を」に対応していると思います。
ここからは、ダイソーとは全く関係ない一般論として聞いて下さい。
環境の課題は、一方向だけ見ていると、如何にも素晴らしいと感じることがありますが、多面的に見ないと思わぬ落とし穴に陥ります。
(SDGs 06 安全な水とトイレを世界中に)
日本に住んでいると、水が豊富で、よっぽど雨が降らない日が続いた時にしか水を心配することはありません。しかしながら、世界では、水に恵まれていない国が沢山あります。
実は、植物性プラスチックのために栽培している植物を育てるためには、水が大量に必要です。日本国内では、まず、問題になることはありませんが、水不足の国で大量の水を使って植物を栽培してはいないかということにも気を使う必要があります。
(SDGs 08 働きがいも経済成長も)
これも海外では、よく問題になることですが、この植物を栽培するのに、人権侵害や児童労働が行われていないかをチェックしておく必要があります。
今まさしく、中国のウイグル問題が取りざたされていますが、植物性プラスチックを使用する企業は、そういう点まで配慮することが必須となっています。
日本でも漸くSDGsの認知が上がっていますが、1つの目標達成が、他の目標を反対に悪化させていないのかということを企業サイドはしっかり確かめた上で、推進することが非常に重要になっています。