いとしのエリー/サザンオールスターズのコード考察

はい、どうもミックナイスです。
今回でnoteでは3曲目の考察になりますが90年代が2曲続いて、ここで更に遡ります(79年)
活動期間が長いバンドですので世代によってサザンオールスターズといえば頭に浮かぶ曲は違えど、この曲を知らないという方には出会ったことはありません。
そんな、いとしのエリーのコード進行考察をいってみましょう。

前回の空も飛べるはずの流れからⅡ7の使い方にフォーカスして考察していきます。

いとしのエリー KeyD

Intro
D - E7 - G D/F# - Em7/A A7

Aメロ
D - F#m - D7 - G
Em A - D E7 - G A - D
D - F#m - D7 - G
Em A - D E7 - G A - D B7

サビ
Em A - F#m Bm - Em A - F#m Bm
G  A A/G - F#m B7 - G A - D E7
G A - D


Introの2小節目から突然飛び出すⅡ7。
このⅡ7を見て空も飛べるはずで出てきたⅡ7との違いに皆さんは気付かれましたか?

空も飛べるはずのⅡ7はその次のコードがⅤに向かう、いわばドミナントに向かうドミナントなのに対して、いとしのエリーのⅡ7はIntroに置いてもAメロ、サビに置いてもそうではありません。

ディグリーにすると
空も飛べるはずⅡ7→Ⅴ
いとしのエリーⅡ7→Ⅳ

メロディもⅡ7の3rdにあたるG#の音を使っていないのでⅡmでも成立するのですが、実際にⅡmで弾いた時の物足りなさは多くの方が感じると思います。

7thコードだからドミナントモーションをしなければいけないや、セカンダリードミナントやドッペルドミナントでなければⅡ7は出てこないというのは理屈の話であり、ようはサウンドしてしまえば優先すべきは演者又は作曲者、アレンジャーの感性であると考えさせられるコード進行です。

少々脱線しますがOasisのDon't look back in angerやJohn lennonの imagineのⅢ7もⅥmへの着地はせずで上記と同じなのかと…あくまで主観ですが笑

話を戻します。
Aメロでは最初の4小節ではⅠ-Ⅲm-Ⅰ7-Ⅳという進行になっています。
3小節目のⅠ7は4小節目のⅣに行くためのドミナントなんですが個人的にはクリシェを変形で捉えた進行なのかなと思っています。

もし自分がコードアレンジをするならⅠ-ⅠM7/Ⅶ-Ⅰ7/♭Ⅶ-Ⅳ(又はⅣ/Ⅵ)というCarpentersのGoodbye to love的な進行にしたと思います。

この方がベース音が半音下降になって意味を持たすことができるんですが、そうしなかったと言うことはファンクションの意識を持ったアレンジなのかと思います。

ⅢmとⅠM7/Ⅶの違いとしてはベース音のウエイトが大きくベース音だけ切り取るとⅢ=トニックに対してⅦはドミナントの主音になるのでトニック感のキープと考えるなら頷けると思います。

この辺りはギターでのサウンド感とピアノでのサウンド感の違いになるのかなと思っています。

5〜8小節は4度進行&Ⅱ7の進行なので割愛。
16小節目のⅥ7はセカンダリードミナント。

サビの前半4小節は451系の4を2に変えた251系で5小節目以降も451系+セカンダリードミナントの変形になっています。

その後また感覚的なⅡ7が出てきますがAメロの説明で述べたベクトルと同じものかと思います。

名曲はメロディだけではなくコード進行の中でも特徴が見え、それも感覚的なものがあると私は大きく頷いてしまいます。

理由付けや理論で曲は生まれない。
勉強が出来なくても曲は書けるし人の感動は産めるのだと。
嗚呼…高校生の時の自分に戻りたい。
そんなミックナイスでした。

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