夜空ノムコウ/SMAPのコード進行考察
はい、どうもミックナイスです。
コード進行から見る時代変化を語る上で90年代はその後の影響や印象付けになった時代だったのかなと思う今日この頃を過ごしています。
名前のつくコード進行の代表格の一つにカノン進行がありますが、カノン進行を使ったヒット曲は90年代(特に前半)に多く、ZARDの負けないでやKANの愛は勝つ、大事MANブラザーズのそれが大事などなどパッと思い浮かんだカノン進行の曲をWikiで調べると90年代に多く固まっていました。
2000年代に入ってからも青春パンクブームがありGoing steady、モンゴル800、175R、ロードオブメジャーなどなどヒット曲だけではなくアルバム曲もカノン進行ばかりで私はカノン進行アレルギーを発症しました笑
そんな時代があったからでしょうか2019年のあいみょんのマリーゴールドや、2020年のきゃないのバニラには良い意味での古さ(レトロ感)を感じ、もしかしたら今の時代にカノン進行を使うとレトロ感が出るのでは?と最近は考えてしまっています。
さて、前置きが長くなってしまいましたが今回の考察曲は川村結花さん、スガシカオさんの作曲作詞によるSMAPの夜空ノムコウをやっていきます。
まずはコード進行。
夜空ノムコウ Key F
Intro
B♭M7 A7 - Dm Dm7/C - B♭M7 B♭/C - F
サビ
II:B♭M7 A7 - Dm Dm7/C -B♭M7 B♭/C - F:II
Inter
II:B♭M7 A7 - Dm Dm7/C -B♭M7 B♭/C - F:II
Aメロ
B♭M7 A7 - Dm G7 - Gm7 C7 - F
B♭M7 A7 - Dm G7 - Gm7 - A7
Bメロ
Dm - Dm7/C - B♭M7 B♭/C -F F#dim
Gm7 - Am7 - B♭M7 Bm7(♭5)- B♭/C C7 F
ちなみに川村結花さん、スガシカオさんのセルフカヴァーもあるんですが、そちらは上記のコードとは異なります。
気になる方は是非セルフカヴァーも聴いてみて下さい。
まず全体のコード進行を見ていくとBメロ以外はⅣ→Ⅲ7→Ⅵmと進むフレームになっています。
この進行を私はジゴロ進行もしくはtwo of us進行と言っていましたが最近では丸サ進行や陰キャ進行なんて言う方もいるみたいです。
ちなみにtwo of usはJust the two of us、丸サは丸ノ内サディスティックの略称で436の進行を使っている楽曲です。
余談ですが、ここ3年ぐらいで436の進行の数が爆発的に増えてきているので前置きのカノン進行のように時間を置いた時に意味を成す進行になりそうな予感がしています笑
さて閑話休題として、この436の次のコードが1になるパターンと2になるパターンがあります。
①4361パターン
他楽曲ではJust the two of usや丸ノ内サディスティックもこれに当てはまります。
②4362パターン
他楽曲ではWhat you won't do for love(風のシルエット)や接吻もこれに当てはまります。
①は主に循環コードとして使われることが多くⅣ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅰ7のⅠ7が再びⅣへのドミナントモーションを促すことで繰り返せる流れになっています。
このⅠ7をⅡⅤしてⅣ→Ⅲ7→Ⅵm→ⅤmⅠ7とする進行や、夜空ノムコウのIntro、サビ、InterのようにⅥm後にⅥm/Ⅴ(Ⅵm7の展開形)を使用しベース音が下がる形を経由して451に着地するパターンもあります。
②は夜空ノムコウのAメロの1〜2小節目で使われていますがⅣ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅱ7後はⅡm→Ⅴに行くパターンは多く、上記②の他楽曲でも上げた接吻も引き算をして行くとこの形が見えてきます。
循環コードとしても上記②の風のシルエットでは使っていますが円滑さで言うとⅠ7の方が引っかかりは少なく感じます。
Aメロの最後に強烈なⅢ7のドミナント感を出してBメロはⅥmからスタート。
Bメロはベース音の動きがD→C→B♭と下げてから451でFに送り込み、そこからはdimやm7(♭5)の経過音を挟みながら上昇。
Ⅱmからの上昇はゴールがⅤになるので次セクションの最初のコード(Ⅳ)のドミナントを促すために1拍前にⅠを入れています。
4361と4362の二つの436フレームの使い分け、ベース音に意味を持たせたBメロ。
そして何よりシンプルな構成がとても素晴らしい楽曲です。
また次回も宜しくお願い致します。