ワークライフバランスが取れているコンサルの実態(仕事の紹介編)
はじめに
仕事の激務さは、都道府県の違いよりも職種の違いに依存するように感じる。
先日のアド街ック天国で兜町が特集されており、しきりに証券マンの忙しさが語られていた。私の妻は新潟出身だが、その高校の友人で、地元で証券会社に就職した女性は激務すぎて辞めてしまったという。
私自身は経営コンサルといういかにも激務な職種についている。同僚や友人は確かに長時間労働している人が多いが、実は私自身は今はワークライフバランスが取れていると感じる。
私のワークライフが良い理由は、他の職種でも当てはまり•役立つのではないだろうか?
1)そもそも経営コンサルの仕事とは?
なぜコンサルが激務になるかを説明するためには、経営コンサルがどのような仕事をしているかを理解頂く必要がある。
そもそもコンサルタントはお客さまの相談相手になるもの。それが意味することは、とあるクライアント(例えば鉄道会社の経営企画)の相談相手たらインダストリー(鉄道)の専門性、またはケイパビリティ(経営)の専門性を持つことを意味する。
では経営コンサルが専門とする経営がなにかというと、諸説あるが、ドラッカーの”マネジメント”の定義では以下である。
(0)あるべき姿を見極め、設定する
(1)いい仕事をする(顧客を生み出す、価値を提供する、低廉に回す、リスクを回避する他)
(2)いい人を採って、いい人を育て、維持する
(3)以上の実現のためにリソースを適切に配分し運用する
順序が重要性を表している考えると、(0)あるべき姿の設定を行うことが、フィーの高い経営コンサルに発注されているはずである。
2)経営コンサルが扱う仕事の難しさ
あるべき姿を定めることは、極めて抽象的な行為であり、作業に落とすことが極めて困難であることを理解いただきたい。
これは、個人の“あるべき姿”を考えるシーンを想像頂きたい。例えば、コンサルとしてイメージしやすい転職アドバイザーで考える。「自分がどの会社に転職すべきか」という問いは中々に深い。自己分析も必要であるし、社会から自分がどう評価されているかも調査が必要で、実際に候補に上げた企業に無事受かるためには作戦が必要である。
転職活動のための面談は数回の面談で終わるが、対企業となるとこれが数十倍にもなる。企業の現状把握に始まり、市場調査、収益性やコスト対効果の検討が必要となる。
企業の状況により、見るべき市場や競合は異なるし、収益性を見るための計算方法も変わってくる。またクライアントによっては方針を変える(軸とする部分を変えたり、前提条件を変えたり)するので、こうした検討が流作業的に終わることは稀だ。
3)激務となる理由=ギュッとする
経営コンサルタントには、こうした不確実性も考慮しつつ、適切な作業内容・スケジュールを設計することが求められる。
基本的にコンサル契約は高いフィーをもらう代わりに、短期間の契約となることが多い。(内容もスピードも)大事な検討だからこそ、特急料金をもらうのだ。
ここまで来てやっと分かるが、コンサルは、クライアントの方針変更に振り回されながら、契約終了日を変えずに当初想定以上の作業をこなす必要があるため、労働時間が長時間化するのである。
事業会社であれば答えが出ないなら延期できるが、基本的には延期はなく、ギュッと働くため激務となるのだ。
おわりに
今回は、まずはコンサルの仕事の仕方をまずは理解できるように詳しく書いてみた。次回はこれを踏まえ、どうしたら長時間化を防げるのかを紹介したい。