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映画レビュー『インターンシップ』

自己表現2日目。

今回は最近観ておもしろかった映画のレビューをしようかなと。

タイトルは『インターンシップ』。
※Amazon Primeで観られるので加入してる人はぜひ観てみてください!

ポスター見るとわかるんですが「Google」が舞台です。

ちょっと前にPR会社の「ベクトル」が全面協力してPR業界ってどんな世界かっていうのを映画にした『東京PRウーマン』って作品がありましたが、これもそういうタイアップ系の作品かな?


主人公はビリー・マクマホン(写真右)とニック・キャンベル(写真左)という2人の中年コンビ。

2人は優秀な腕時計のセールスマンでしたがスマートフォンの普及により腕時計が売れなくなったことで失業。

ひょんなことからGoogleのインターンシップの選考に受かり、正社員の座を懸けたプログラムに参加することに。


ライバルは優秀な大学に通うエリートの大学生ばかり。
アイビーリーグだけじゃなく世界各国の名門校から集まった精鋭たちを前に2人のおっさんは早速浮いてしまう。

それもそのはず。ずっと営業畑を歩んできたビリーたちはゴリゴリの「アナログ人間」。
スマホはおろかパソコンすらろくに触れない始末。

インターンのプログラムはグループ単位で行われますが、
ビリーたちと組みたいという学生はいません。

仕方なく同じように浮いてしまった学生(自己主張が強かったり、協調性に欠けていたりちょっと難アリな学生たち)とメンターとチームを組むことになった2人。


彼らに漂う空気は最悪。
プログラムのファシリテーターですら彼らのとんちんかんな言動に呆れて言葉を失う有り様。

そんな絶望的状況にあってもまっすぐに課題と向き合い、なんとか答えを見つけ出そうとするビリーとニックに次第にメンバーは心を開いていく。

そしてメンバーだけでなく社員達とも親密になったビリー達は彼らとの交流を通して専門外だった「ITの世界」を学んでいく。


ビリーとニックはグループのメンバーの抱える複雑な事情(グラマラスな格好をしていても実は彼氏ができたことがないとかお母さんに逆らえないとか)を理解し、どう生きていくかアドバイスする。

それは営業という「人と人」の間で生きてきた彼らだからこそできるアドバイスだった。


それから紆余曲折あるのだが、割愛します!(ずぼらでごめんなさい(笑))


彼らには最後にGoogleの広告枠を新規の客を見つけて販売するという課題が課される。


多くの学生はどれだけ多くの客に枠を売るかに腐心し、その利便性と技術力ばかりを押し出した。

ところがビリー達は違った。
彼らは「Googleが人生がどれほど豊かにするのか」というビジョンを客に伝えたのだった。

最後はそのビジョンに共感してフランチャイズ事業を決意したピザ屋のおかげでビリー達はプログラムの優勝者となる。



観終わったあとで突きつけられたのは強烈なアンチテーゼ。

Googleという最新のテクノロジーを扱う企業で、最後に評価されたのは技術力でもプログラミングスキルでもなく、人間としての「中身の濃さ」であり相手を「想う」という実に人間臭い資質だったということ。


この描写は私に強く響いた。

新型コロナで在宅ワークになり、多くの企業が直接会いに行くという選択肢を放棄することを余儀なくされた昨今。
オンラインでいかに成果を上げるかが人々の関心になっている。
時勢を鑑みればそれは決して間違ったことではないと思う。

けれど、ふとした時に実感する。
どれほど技術が進歩しても、どれほどの仕事がAIに取って替わられても、サービスを使うのはいつだって「生身の人間」なのだ。

そしてどれほど高度な技術をもってしても使う人に寄り添えなければ、サービスたりえない。
この作品はそんなことを思い出させてくれた。


物語の最後にビリーたちを馬鹿にしていた学生たち(経歴は彼らよりはるかに優秀)は残酷な敗北を突きつけられ憤り、分裂する。(リーダーに至ってはいじめていた男の子から同じ目に遭わされる始末)

技術や経歴やルックスばかりを見て、寄り添うべきユーザーを見ていなかった彼らにとって当然の結果だ。


そして最も驚いたのがビリーたちに散々冷たく当たっていたファシリテーターの男性が実は高学歴ではなく、実力で這い上がった努力の人で、ビリー達の勝利を信じていたという真実。冷たく当たっていた人が実は一番の理解者だった、という胸アツ展開。

ビリー達のグループのメンバーたちもこれからは自分らしく生きていくという自信を胸に、それぞれの人生に戻っていくというシーンでこの物語は幕を閉じる。


いやあ、長くなってしまいましたね。
あれこれ書いたけど結局どれほどいいものを作ってもそれを使ってくれる人を思い、寄り添うことが一番大事だと気づかせてくれる作品でした。

まんまとGoogleポジキャンに乗せられた筆者でした。
それではまたー。

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