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9/21

9/21は土曜日、三連休の初日ということもあってか、街は賑わっている。

先月末から始まっている、東急線乗り放題パス半額キャンペーン。通勤やお出かけと、今月に入ってからは毎日のようにお世話になっている。

https://www.q-skip.tokyu.co.jp/campaign/1

この機会に、休みの日にどこぞやに行ってみようと以前からパートナーと話していて、特に目的や行き先をあらかじめ決めず、東急線沿線の任意の駅に降りてみるということをやってみたのだった。

と言いつつもその前に、私の希望で以前から気になっていた聖林館という、中目黒にあるピザ屋さんにまず足を運んでみた。
オープンは11:30なのだけど、どうやら休日は並ぶらしいので少し早めに行ってみようということで、11:10ごろに到着。まだ店前には誰もおらず、扉から出てきた店員さんに促されて入り口横の椅子に腰掛けて開店を待つ。我々のすぐ後に若めの女性二人組が来て、座る。ぞろぞろとあっという間に人が増えて、開店する頃には6,7組ほどになっていただろうか…高まる期待。

開店までのあいだ、隣で待つ二人組はずっとアンチエイジングにまつわる話をしていた。(リフトアップは…二重顎とかはやっといた方が…毛穴が気になるんだよね…30過ぎたら……)。美容の市場原理というのは、恐ろしいと思う。現状、存在している美の規範をドライブするようにして、(ある程度は加齢に見合うような仕方で調整を重ねるにせよ)若さを保持するために絶え間ない消費を女性に促す。
美容のやっかいなところは、顔面/頭部をはじめとする身体に、なんらかの付加的な処置をする化粧とならんで「清潔=クリーンである」という状態が、同時に求められていることだと思う。清潔であり、かつ装いに気を使うということは、セットで求められているところがある。とくに欧米(人)の美を規範とすることが変わらず根強い日本では、清潔さを保つだけでは「不足」となる。そこで化粧が必要になり、それでは足りずに整形、さらには過度な清潔さに至る脱毛と、ここまでいくと装いと清潔は区別ができないものになってくる…。
こんなことを、たまにクリームや化粧水を塗ったりワックスをつける程度で済ませる(ことができてしまう)男性の私が書いても、なんの説得力も無いのだけど…。しかし、つい先日仕事で、とある化粧品関連企業の男性経営者についてweb上の情報をまとめる、ということをやっていて、美的規範についての根本的な考えなどもなしに、その市場原理を存分に生かすビジネスモデルを思いつき、単にそれを善として行うことのグロテスクさのことを思わずにはいられなかった。
身体を思うままに動かせなくなっていくことは辛いし、記憶が不確かになっていくことも切ない。でも身体や精神に蓄積した時間や知恵といったものを、愛せるように生きられた方がいいなとは思う。

ピザのことを忘れそうになっていたが、さすがナポリピッツァの名店、ものすごく美味しかった。
今回頼んだのはマルゲリータとビアンカ、2枚のピザ。とくにマルゲリータのトマトは甘味と酸味が絶妙なバランスだ。ペコリーノ・ロマーノとモッツァレラが乗ったビアンカは、塩味と甘味が複雑な層を成しており、かなりボリューミーな食べ応えだ。縁は膨らんでいて厚みと弾力があり、しっかりと塩味もある。
ここ最近ピザを食べる機会が増えたのだが、お店で食べるナポリピッツァは本当にお腹が一杯になって満足感がものすごくある。なんとなく、ピザってもっとスナック感覚の強いものだというイメージがあったけど、しっかりとした食事だ。

マルゲリータ
ビアンカ

そのあとは田園調布で降りてみたり、武蔵小山で降りてみたりとその場でちょっと調べながら降りて歩くを繰り返した一日だった。
武蔵小山で見つけたジェラート屋さん、「Gelateria Italiana CIAO」。店内には能登へボランティアへ訪れた際のレポート冊子が置いてあった。お店の方とその知人の有志たち、そして能登で活動していた写真家のトンマーゾさん、料理教師のアドリアーナさんとともに行った活動の様子、能登の現在を捉えた写真や文章が収められていた。
ちょうどこの日、線状降水帯の接近による大雨が降った日で、お店の方もすごく心配そうに話されていた。私自身も地元が隣県で、もちろん能登にも行ったことがある。復興が遅々として進まないなか、自分に何ができるのだろうと考えながらも、またもこんな災害が起こって、一旦インフラ整備と復旧が完了するのを見守るしかできないのだろうかと、歯痒くなったりする。
みなさんの活動の様子は、短編ドキュメンタリー「能登の花」としても制作され、この間六本木や吉祥寺でも放映されたのだという。また今後も有楽町でアンコール上映が決まったということで、日にちが合えば観に行きたいと考えている。


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