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小松未歩さんの『1万メートルの景色』てどの1万メートル?
小松未歩さんの曲に関していろいろ考えていくこのコーナー。今回は『1万メートルの景色』に関してです。
先日ツイッター上でこんな話が持ち上がっていました。
1万メートルと言うのは上空1万メートルなのか。はたまたこの曲の使用されていた「鳥人間コンテスト」の当時のレコードが約10キロ(1万メートル)だったので、それにちなんで飛行距離としてのものなのか。
確かに。同じ1万メートルでも見える景色は違いますね。と、いうことで今回は『1万メートルの景色』の1万メートルはどの1万メートルかを考えます。 冒頭の歌詞を見てみましょう
流れる雲に視界奪われて 水平飛行中
とあります。さて…。雲に視界奪われ、そのうえ水平飛行となると、視界が開ける更に上にいくか、あるいは逆に高度を下げる(または上にある雲をみて高度を上げるのを断念)かしたうえでの水平飛行になるかと思います。
ここでちょっとした疑問が。雲てどのくらいの高さにあるのか?ざっと調べると、雲によって結構まちまち。霧も見方によっては雲ですが、だいたい500メートルくらいから10000メートルを超える高さまで雲は出るとのこと。
まあ、高度1万メートルまでくると眼下に雲を眺めての水平飛行となりますね。これは話は簡単。ただ、景色は雲がメインになってしまいます。2番にある「地図どおりの ground 小さな町 見下ろせば」はまあ、かなり小さくなった町は見下ろせますが、地図通りかどうかまでわかるか?という疑問はあります。あと流石にこの高度へいくには飛行機でしかいけませんが、ひとりじゃない、と大声で叫べないですね。まあ、叫びたいだけなので叫べなくても良いのですが…。
では、高度を下げるないしは上昇断念、つまりは飛行距離1万メートルの場合はどうでしょう。たとえ低い雲の下でも高度としてはそれなりですね。鳥人間コンテストの滑走路の高さは30メートルもなさそうですから、それを思うとそれ以上の高度があれば1万メートルはいけますね。ただ、鳥人間コンテスト的飛行で雲に視界奪われるかというと…。う〜ん。
ではちょっと1万メートルの考え方を変えます。飛行中の主人公の眼前、視界に広がるのが1万メートル景色、とするとどうでしょう? この考え方だと、ground が地図通りなのも実感できて、小さな町を見下ろすのも可能ではないでしょうか?
でも実際どうなのでしょうか?水平飛行中に1万メートル先の景色を見ることができる高度てどれくらいなのか。計算するしかありません。懐かしの三角関数です。仮に見下ろす感じがありつつ遠くを見通す、だいたい10°〜15°の角度で見るとしたら、
10000 × tan10〜15 の数値が高度となります。で、計算したところ
1763メートル 〜 2679メートル
この高度があれば、見下ろしながら眼下に1万メートル景色が拝めます。じゃあそんなことできるの?というと、可能な飛行法があります。それは…
パラグライダー
です。私はパラグライダーに関しては素人です。なのでネットでの知識しかありません。ただ、いろいろ調べると面白い記述がありました。まず、高度。パラグライダーには動力がないのでいわゆる上昇気流を捕まえて舞い上がります。なので高度はその上昇気流、出発点の高さ次第とはいえ、2000〜3000メートルくらい行けるみたいです。なので先程計算した高さは出せるみたいですね。
そしてもうひとつ面白い記述がありました。航空法によりパラグライダーにおけるフライト可能な気象条件の規定があるとのことです。
高度 1,000フィート(300m)以上、10,000フィート(3,000m)未満の空域
1. 飛行視程が 1,500m 以上
2. 垂直距離が上方 150m、下方300m範囲に雲がない
3. 水平距離が 600m 範囲に雲がない
そう。雲です。パラグライダーは雲を避けなくてはならない飛行法なのです。
最初の方に書きましたが、流れる雲に視界奪われて、の箇所は高度調整、進路変更が必要になり水平飛行へ移行した、という感じになるのかな?と想像できます。
と、いうことで(?)私としては『1万メートルの景色』とはパラグライダーで滑空中に見ている1万メートル先の景色、という解釈になりました。一応補足の歌詞解釈を加えれば、歌詞にある
ひざ抱えて泣いた夜もあったけど 繰り返すのね(2番は、繰り返すたび)
は、今日というフライトが終わっても先を見れば明日(1万メートル)の景色が広がっていき、過ぎ去っていく。で、また新たな景色が。そういうのを繰り返して絆を深めていくのね、という意味があるのではないかと思います。 今回の結論。
『1万メートルの景色』でPVを作るならばパラグライダーの映像を希望します!
次回は『涙』です。次回もよろしくお願いします。