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「腹で感じて、頭で考えて、ココロで繋がる」〜音が生まれて”ココロビラキ”が始まった

#私が感じたミチシルベ <キーノート編>

2025年2月8日、沖縄国際大学で開催された「ミチシルベ2025」。

心温まるオープニングイベントを終え、最初のトークセッションとなる【キーノート】が心会場(体育館)でスタートしました。

タイトルは「ココロビラキ〜沖縄に在る祈りと自然(じねん)〜」

ミチシルベって何なのだろう。
どんな一日が待っているのだろう。


少しの不安とワクワクやドキドキ…参加者それぞれがさまざまな感情を抱く中で始まったキーノート・セッションは、みんなのココロが少しずつ開き始めた、そんな時間と空間でした。

シリーズ「私が感じたミチシルベ」
学生・社会人の運営メンバーによるミチシルベライターが、トークセッションなどをレポートします♪

<キーノート登壇者>

登壇者のプロフィールは下部の【登壇者紹介】をご覧ください。

「希望の種がここにある」 (比屋根隆さん挨拶)

キーノートのスタート前に、ミチシルベ実行委員長でもある株式会社うむさんラボCEOの比屋根隆さんが登壇しました。

皆さん、今どんな気持ちですか? 
それぞれいろんな色になっているかなと思います。

ミチシルベでは”気持ち”を大事にしたい。

「カラフルコーラスOKINAWA」の舞台直後、感動と興奮冷めやらない会場の皆さんに、比屋根さんは静かに語り始めました。   

沖縄、日本、そして世界を良くするために、私たちにできることがあると思っています。
 
2025年になり、世界中がさらに混沌とし始めていますが、
 
リーダーシップや事業、教育など、いろんな分野において希望となる「あり方」のヒントや種が、日本や沖縄にはたくさんあります。
 
ミチシルベでは世代や活動領域を越えて、「みんながつながればできる」ことを感じていきたい。

それを毎年積み上げていくことで、平和と調和を実現するリーダーが増えていくと思います。

キーノートでは、そんなつながりを感じることの大切さをテーマとしました。

「ココロビラキ〜沖縄に在る祈りと自然(じねん)」

キーノートのテーマに込めた思いを語り終えた比屋根さんは、モデレーターの平井さんにバトンを渡して降壇。セッションがスタートしました。

感情の共有から始まったココロビラキ

偶然隣り合わせた2,3人で意見を交わし、楽しそうに感情や思いを共有をする参加者。    

モデレーターの平井さんの進行の下、登壇者の自己紹介に続いて、さっそく始まったのは”感情共有”の時間でした。

何を期待してミチシルベにきたのか、今この瞬間に何を感じているのか、隣り合わせた2,3人で想いをシェアする時間がありました。

初対面のはずなのに意外な共通点が見つかった人など和気あいあいとした雰囲気の中、ひとりひとりの緊張がほぐれていく、そんな時間でした。

腹で感じて、頭で考えて、ココロで繋がる

沖縄の祈りについて話す知念さん。

緊張がほぐれた心身に、平井さん、井上さん、知念さん、宮城さんの言葉が届きます。

平井:「テーマは『ココロビラキ』。祈りって、どんなイメージがありますか?」

知念:「祈りって私たちの魂の声。自然界の一部である私たちから自ずと湧いてくるのが自然(じねん)。自然に湧いてくる魂を”ココロビラキ”と表現するのかなと思います」

宮城:「祈りって、体で言えばどこでするものですか」

知念:「お腹です」

宮城:「確かに、問題解決とかお金を稼ぐとなると頭を使う。今日のセッションのテーマはそれぞれが頭で考えて取り組んできたことだと思う。それを腹に落として、自分の魂の響きとして捉え直したら面白いなと。頭で考えていたことを腹まで落としてココロを開いた時に、他の人との繋がり方が変わり、別のものが生まれるかもしれない」

井上:「今まで頭で祈っていたかもしれません。祈り方のコツがあるんですか?」

知念:「情報を受け取るときは頭からお腹の空洞に響かせて味わう。そこから出てくるものが祈りです」

平井:「今日はこれから、まず腹で感じて、頭で考えて、ココロで繋がることを心掛けてみてください」

振り返ると私自身、ココロより頭で考えて行動してしまうことが多かったように思います。「どうやったらその問題が解決できるのか」。ついHowを先に考えてしまうのです。

でも、4人のお話を聞きながら、「考える前にまず腹で感じることが、本当の意味で課題解決に繋がるのかもしれない」と感じました。

それぞれが腹で感じて生まれる繋がり。
今日一日の自分のココロ、またそこから生まれる繋がりに興味が湧きました。

オトビラキ〜音が生み出される瞬間

手拍子や足踏みなど、参加者が思い思いの音を生み出した”オトビラキ”の時間

4人のトークは、さらに熱を帯びたものに。

知念:「テーマのことを考えていた時に、浮かんできた言葉が”オトビラキ”でした。まず初めに音があると思うんです。音が持っている振動や思いに共鳴して物が出来たり、出来事が起きたりする。私たちはそれを伝えるために加工して言葉にするけど、言葉じゃないものがたくさんある。音には純粋なカタチが入っている。”オトビラキ”は、まさに”ココロビラキ”と繋がると思う」

平井:「ココロを開いて参加する、勇気を持って一歩を踏み出す、即興的に関わるって大事だと思う。みんなで音を出してみない?  即興で誰かと繋がってみるって面白そうじゃない?」

登壇者のそんな呼び掛けで、”オトビラキ”の時間が始まりました。

参加者全員で3分間、言葉を使わず、音を出してみることに。

最初の1分ほどは静寂な時間が流れていましたが、徐々に変化が生まれます。それぞれが足を踏み鳴らしたり手を叩いたり、声を出したり、指笛をしたりと、参加者一人一人が思い思いの音で想いを表現し、コミュニケーションを交わしました。

言葉は発しないけれど、会場が一つになるような、不思議な時間でした。

「生活音って綺麗ですよね」

登壇者のお一人が、しみじみと語った一言です。

言葉が思いを伝えるために加工したものであるならば、生活音は無加工なもの。

私も社会をありのまま、腹で感じてみようと思いました。

喜びにミチシルベがある

「沖縄にはさまざまな歴史的背景があるが、その根底には喜びがあります。喜びがあるとそこにミチシルベがある」と語った知念さん。

スタートアップやソーシャルビジネス関係のカンファレンスは、頭で考えることが多いかもしれません。

そんな中、ミチシルベのトークセッションの皮切りとなるキーノートは「祈りと自然」がテーマでした。頭で考えるだけはなく、「腹で感じて、頭で考えて、ココロで繋がる」大切さに気付かされました。

これから、どんな一日が始まるのかー。
みんなのココロが開いたキーノート・セッションとなりました。

【セッション概要の紹介】

◆テーマ「 ココロビラキ 〜沖縄に在る祈りと自然(じねん)〜」
心が自然に開く場所では、意思が生まれ、繋がりが生まれ、ミチシルベができる。沖縄はきっと、そんな可能性にあふれた場所です。なぜでしょう?海に囲まれた小さな島をいつも吹き渡っている風が、自分自身、自他の境界、土地と人間の間に風穴を通すからかもしれません。キーノートセッションでは、沖縄にある祈りとじねん- 土地や人からおのずと湧き上がるもの、相互に不可分の自然観・人間観- から、この問いと仮説に向き合いました。ミチシルベ2025で生まれるすべてのセッションの源流となることを願って。
◆会場:心(体育館)
◆時間:10:00~11:00

【登壇者プロフィール】

◆モデレーター:平井 雅 (協働促進社 代表)
ビジネスや地域づくり、教育、国際交流などさまざまな分野で20年のキャリアを持つプロフェッショナルファシリテーター。ビジネス分野では業種を問わず組織開発や人材育成、企業間連携、イノベーション促進などに携わってきた。地域づくり分野では沖縄の離島振興に関わり、22の離島で計200回以上のワークショップを経験した。第2回世界のウチナーンチュ大会(1995年)以来計5回の大会に携わり、若者による世界のウチナーネットワークづくりを支援してきた。シンポジウムやセミナーのファシリテーション実績多数。近年はSDGs、DX、IDGsなどトランスフォーメンションにまつわるワークショップの現場に注力している。

◆井上 英之 (Just Be Capital Inc. ディレクター、さとのば大学 名誉学長Chief Co-Learner )
慶應義塾大学卒業後、外資系コンサルティング会社を経て、2001年から、NPO法人ETIC.にて社会起業の部門を立ち上げ、ソーシャルベンチャー向けプランコンペを日本で初めて開催。03年に社会起業向け投資団体「ソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京」を設立。若い社会起業家の育成や、新しい試みの生まれる生態系づくりに取り組む。05年より、慶應義塾大学SFCで社会起業に関わるカリキュラムをつくり、そこから生まれた「マイプロジェクト」という学びの手法は、全国の高校生から社会人まで実践されている。21年「スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー日本版」を創刊。24年末にカナダ・バンクーバーに移住。

◆知念 弘恵 (神んぐわ / spiritual pathfinder)
沖縄県出身 ・沖縄県島尻郡在住。幼少期より相手の心的背景や未来の知覚を自然なこととして受け入れられながら育つ。2013年沖縄県職員を退職し、2015年より高次の霊的存在・大聖・神・宇宙人・死者などの超越的存在とやり取りする霊的サービスを開始。2021から御嶽、拝所、水脈をととのえることにフォーカスしたプロジェクトも手がけている。

◆宮城 治男 (NPO法人ETIC. 創業者)
1993年、早稲田大学在学中に学生起業家の全国ネットワーク「ETIC.学生アントレプレナー連絡会議」を創設。2000年にNPO法人化、代表理事に就任。01年、「ETIC.ソーシャルベンチャーセンター」を設立し、社会起業家育成支援をスタート、以降2000人以上の起業家を育成、輩出する。2011年、世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出。文部科学省参与、中央教育審議会 臨時委員、内閣官房まち・ひと・しごと創生会議構成員等を歴任。21年にETIC.の代表を退任。

【この記事を書いた人】

ぎんじ(Global Shapers Community Okinawa Hub)
大学1年次にベトナムの孤児院に行ったことをきっかけに社会課題に関心を持ちました。大学時代はビーチクリーンやコンポストの普及活動を行い、現在は農業スタートアップで働いています。

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