霊視の結果は……怨念?/48歳バツイチだけど運命の人に出会った【24】
たー君と付き合いはじめて一年半。あまりにトラブルが続くので「これは何かのメッセージか、それとも霊障か?」と考えていた私は、お店のお客様である和ちゃんの師匠に霊視鑑定をお願いすることになりました。
師匠のМさんは、実は和ちゃんと一度私の店を訪れています。
その時は和ちゃんよりだいぶ年上だから「お母さんかな?お姑さんかな」などと考えていました。
帰り際に「お店の音楽がいいですね。私、70年代のロックが好きなんですよ」と言われたのを覚えています。
たまたまカウンターにいたお客様の好みに合わせて、イーグルスあたりを流していたんだと思います。70年代ロックが好き、ということから「50代後半かな?」などと思った記憶があります。見た目はもう少し若く見えました。
Мさんは「霊能者」と名乗られているわけではなく、本業はハワイアンマッサージをされている方でした。
そのサロンは私の家から近くにあり、歩いていける距離。
中に入ると、ハワイアンなタペストリーが飾ってある部屋に案内され、ソファーに座りました。
霊視鑑定と書いてはいますが、最初は「相談」という感じで伺ったのです。
私はつきあっている人が会社のトラブルが続くこと、体の調子が良くないこと、最近では私にも車のトラブルが続いたことなどを話しました。
Мさんは「じゃあ視ましょう」と言い、手を合わせてなにか呪文のような言葉をつぶやきます。
すると、Мさんから熱が流れてくるのが感じられました。
私も一緒に手を合わせていたのですが、熱の波動がものすごくて、一瞬チラリと目をあけてエアコンの位置を確認したくらいです。
四月の初旬のことですから、エアコンはまだ点いていません。
熱の源はあきらかにМさんでした。
Мさんの声が聞こえます。
「お身内に、信仰に篤い方はいらっしゃいますか?」
私「???」
……まったく意味がわかりません。
母は毎朝、仏壇に手を合わせますが、年よりなら普通にあることなので、「信仰に篤い」かどうかは疑問です。
亡くなった祖母も、地元のお寺さんで御詠歌を唱えたりしていたのですが、それは地元のしきたりみたいなもので信仰に篤いのかはわかりません。
「屋敷の中にお社を建てているとか……」
Мさんに聞かれましたが、私の家も祖母の家もそんなたいそうなお屋敷ではなく。そういうことはありません、と答えました。
「狛犬のようなものがいるんですが、行き場がなくて困っています。とりあえず天に還しますね」
……と言われました。
私は「???」と、疑問符を張りつけたような顔をしていたと思います。
それくらいまったく意味がわからない言葉でした。
次にМさんはたー君のアパートの住所を聞き「彼氏さんの顔を思い浮かべてください」と言いました。
私は一生懸命頭の中にたー君の顔を思い浮かべましたが、なかなかしっかりとしたイメージが浮かびません。
時刻は午後二時。
たー君はやっと目が覚めて、もしかしたらお風呂に入っているのかも。そのくらいの時間です。
そんなことを考えていたら、Мさんが、
「あれ? 若い」
……と言いました。しかしすぐに、
「ああ、わかりました」と納得したような声に変わりました。
そして次のМさんの言葉は。
「彼氏さんには龍神様がついています」
ええっ?龍神?!
すごくビックリしましたが、次の瞬間すぐに納得したのです。
だってたー君の顔って龍っぽい。。。
ヒゲ生やしたところとか、目が少しくぼんでるカンジとか、そういえば、頬のあたりに血管も浮かんでるし。
そうだ、たー君は龍だ!
私は脳内で手を叩きました。
ところが、Мさんは、
「その龍神様の腰から下が真っ黒です。それが悪いものを引き寄せている」
龍の下半身が真っ黒! それがトラブルの元?
しかし思い当たることがありました。
たー君は痛風で足をひきずっています。
ところが病院で採血して調べてもらったところ、数値は通常だと言うのです。
痛風の数値ではないはずなのに、足が痛くてどうしようもない。
痛みの元は不明。
近くの病院ではなく、もっと大きなところに行こうかと話していたくらいでした。
それにたー君は59歳になる現在まで、何度か事故やケガに見舞われていますが、そのほとんどが足にきているのです。
小学生の頃の川遊びをしていてガラスで足を切ったこと。
バイクの事故で骨折したこと。
車の事故で車は半分になるくらいつぶれたのに、足の骨折だけで済んだこと。
トラック乗りをやっていたとき、鉄骨が落ちてきて足の指を粉砕骨折をしたこと。
そして牡鹿に太ももを角で刺されたこと。
龍神とか下半身の黒いものと言われても、にわかには信じられない話です。
しかし、私にはすべて納得できることでした。
Мさんの話は続きます。
「彼氏さんは前世で時の権力者に仕える仕事をしていました。かなり高い能力があります。しかし能力を使い、戦争で敵をだいぶ殺したため、その怨念がとりついているのです」
怨念?!
(長くなりますので次回に続きます)
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