金をかけずにPCマイク入力にフィルターをかける方法比較

■背景

・LINEやDiscord通話、teams会議時に少しでも高音質な音を相手に聞かせたい!
・一つのソフト限定じゃなく、どのソフトでも使えるマイク入力デバイスとして認識されるマイクフィルタソフトってないの?

そんなモヤモヤは少し前から持っていましたが、ちゃんと解決しなくては行けない時が来たので調べてみました。各ソフトについての使い方や解説をしてくれている記事は多くありましたが、結局どれがいいの?という比較記事はあまり見られなかったので、折角なのでまとめようかと。
誰かの役に立てば幸いです。

■対象者

・マイクは買ったけど、「サーッ」というホワイトノイズが消えない
・LINEやDiscord、Teamsで使うマイクの音を少しでも良くしたい
・金はできればかけたくない

そんな方に当てはまる内容になるかと思います。

■各ケースごとの最適ソフト

まず「どんな状況の人が」「どのソフトを使うべきか」を書きたいと思います。各ソフトの詳細は記事下部に書いてあります。RTX VoiceとKrispについては本記事の主旨外なので解説しません。

<グラフィックボードRTXシリーズを持っている>

→ RTX Voice一択です。

<めんどくさい設定はしたくないけど高音質にしたい>

→ めんどくさい設定ができない人は金をかけるしかありません。RTXシリーズのグラボを買うか、有料の高性能ノイズキャンセルソフト Krisp を購入してください。金をかければ手間はかからないのです。

<無料がいい&めんどくさい設定は少しなら我慢できる&ノイズを多少減らせればよく音質は求めてない>

→ Equalizer APO がおススメです。ノイズキャンセルができるフリーソフトで、最初の設定さえ頑張ればその後設定をいじる必要はありません。ただし気になる人は気になる程度に音質は劣化します。詳細は記事下部へ。

<無料がいい&めんどくさい設定を我慢できる&音質もよくしたい>

→ OBSと仮想オーディオの組み合わせ技がおススメです。設定はめんどくさいですが、無料としては十分な音質を確保できます。詳細は記事下部へ。

僕が調べた限り、マイクにフィルタをかける方法として考えられる選択肢は上の4つしかありませんでした。上記をまとめると、金をかけられるなら RTXVoice か Krisp を、金をかけたくないなら Equalizer APO か OBS を使うことになります。Equalizer APO と OBS の解説が下に続きます。

■Equalizer APO

Equalizer APOはフリーのオーディオイコライザーです。再生、録音デバイスに対して様々なフィルターをかけることができます。Equalizer APOの良いところは、一度設定すれば二度とソフトに触れる必要がないところです。いちいちソフトを起動する必要もないので、ソフトの起動忘れ問題が起きません。
その代わり音質は若干悪くノイズキャンセル性能も少し低くなります。
導入時の細かい設定、詳細は こちら の記事に全て書いてあります。

長所
・(一度設定すれば)ソフトを起動しなくてもマイク入力にフィルタがかかる
・OBSフィルタ程ではないが、ノイズキャンセルができる
・音質は若干悪いけど、ゲインをあげられる
短所
・(OBSフィルタと比べ)ノイズキャンセルが低性能
・(OBSフィルタと比べ)ゲインで持ち上げた音声が低音質
・ノイキャン精度は高められるけど、設定がめんどくさい※1
・仮想デバイスにならない(サウンドデバイスに直接フィルタをかけた状態になる)※2

※1 「【VC、ニコ生向け】マイクに乗ったノイズをリアルタイムで軽減する方法」 https://ch.nicovideo.jp/taslii/blomaga/ar1316628

※2 ”マイクの入力”と”EqualizerAPOフィルタ適応後のマイク”を別々に認識することはできません。OBSでも同じサウンドデバイスを使用したい場合、EqualizerAPOフィルタ→OBSフィルタと二重かけにするしかなくなるので、ノイキャンしすぎて小さい声を拾ってくれない問題が起きる可能性があります。なので併用はおススメしません。

■OBS&仮想オーディオ

OBSは有名かつ人気な配信用ソフトです。配信用というだけあり、配信にのせる声をフィルタリングするための優秀なフィルター機能が備わっています。しかしフィルターをかけた音声はLINEやDiscord、Teamsといった外部ソフトへ出力することはそのままではできません。
そこで仮想オーディオデバイスを経由させることで、高性能なOBSフィルターをかけた音声を外部ソフトで使用できるようにします。
設定の詳細は こちら をご覧ください。

長所
・ノイズキャンセルが高性能
・ゲインをあげて音量UPが可能(生のマイク入力より大きくなる)
・閾値を決めてマウス、キーボード等の環境音を完全に消せる
・「マイク入力」と「フィルターをかけたマイク入力」を切り替え可能
(ついでに)
・シーンを利用して「マイク」「マイク&PC」「入力なし」等、通話相手に渡す音を簡単に切り替えることが可能
短所
・フィルターを使いたい時はOBSを起動する必要がある(フィルターが必要ない時は今まで通りのマイクを使用可能)
・設定がめんどくさい
・考え方に慣れるまで操作ミスを起こす可能性がある

■まとめ

いかがだったでしょうか。繰り返しになりますが、金をかけられるなら RTXVoice か Krisp を、金をかけたくないなら Equalizer APO か OBS を使う、が僕の結論です。お金をかけずに音質を良くするのはめんどくさいですね。方法はどれも一長一短、好みやシチュエーションによると思いますので、お好きな物を使ってください。

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