1万円広告CPを30個入稿した結果、CPAが半分以下になった話
こんにちは!Twitterでみちおという名前でやっているものです。1万円の広告キャンペーンを30個入れた結果のところを書いていきます。
今回僕が書くのは運用者としては絶対に通る
「撤退できない上に絶対に当てないとダメな案件」の話です。
僕の会社では女性用の補正下着の商品を販売しています。単品のセット売り商品です。
LTVとしてもそこまで定期通販のように伸ばせるものではないので、確実に媒体面でのCPAを下げる必要性がありました。
しかしリリース直後のテスト配信で出たCPAは15,000~17,000円。単品通販では絶対に合わない数値です。ROASは50~60%程度といったところでした。
まあ、通常のアフィ案件であれば撤退。予算であれば次月停止が見えてくるレベルの数値感でした。
とはいえ自社案件。簡単に撤退するわけにはいきません。アフィ条件でも稼働できるメディアさんがほぼおらずの状態で、予算で20%のフィーを載せて赤字で配信するよりは、社内で回るだけで赤字が20%減ります。
やるしかない状態に追い込まれた私が行った施策をこのnoteでは書いていきます。
読む前に注意して頂きたいのはこの成果は去年のものです。ITPがアップデートされる前の話なので今できるかはわかりません。
これやっても稼げねーじゃんみたいな返答は受け付けれないのであらかじめご了承ください!
ちなみに僕の会社では昨年のFB垢BAN祭りで全てのアカウント在庫を失ったので、今年の8月末までFBでの運用はできていませんでした。
※再開後も日予算3万円以上使えるレベルになったぐらいでBANが続いております。垢バン対策めっちゃ下手くそです。誰か教えてくださいっ!!
前提条件
・単品商品(女性用補正下着)
・目標CPA6,500円(媒体上)
・全媒体未稼働
テスト段階(社内手法)
①工数を考えて画像検証
②初動でCPM数値を追う
③CPMが安い型を見つける
④③が見つかったらCTRに特化して検証
⑤CVRが出てくるクリエイティブとそうでないクリエイティブの仕分け
⑥CTR、CPM、CVRのバランスで最も最適なものに予算をかけてクリエイティブ検証していく
一応、基礎知識を載せておきます。あくまで社内のやり方です。
1.合わない理由が何かを把握する
運用者からすれば超絶当たり前ですが、まずはやはりどの数字が悪いかを見るべきですよね?
CPAが上下する基準は、CPC、CTR、CPM、記事遷移率、CVRの要素が大きくCPAに影響します。
どの数値を改善するのかに特化してその部分を修正していくことが大切です。
Facebookの場合とにもかくにもCPMがROAS合うかどうかの基準で大きく変動します。僕の完全なる主観ですが、CPMが低くてもいいのってFBぐらいではないでしょうか?アドネとかだと、CTR上げてとにかくCPMで勝つ!!みたいな方式でクリエイティブ取りに行くと思うのですが…
FacebookはCPMに大きく左右されます。僕は圧倒的に勝てるクリエイティブを作るのがうまくないです。なので、会社が自社商品をリリースするまでは、とにかくCPMがザコイジャンルの案件を探し出してそこに当たるように広告出すみたいなイメージでやっておりました!
2.修正する手順
僕の今までのイメージ感だと、記事遷移率やCVRはクリエイティブによって大きく変わるところがあるので、確定していないクリエイティブで記事をいじってもあまり改善しない経験があります。
記事は60点で固定して、クリエイティブの型が決まるまでテスト
クリエイティブの型が決まりだしたらそのクリエイティブに合わした記事改善をしていくというイメージです。
特にTOPバナーのテキストやGIF、画像などはクリエイティブと関連性があるに越したことはないと思ってます。
3.少しでも見えたら予算ぶち込む
クリエイティブの型が決まれば後は多くの数値を取りながら記事を改善していくので、日予算を3~5万円の幅で検証を繰り返しどこまで伸ばせる案件なのか探っていきます。
当たり見つけたら10万円以上を入れるなんてやり方をしていました。
4.それでもハマらなかった自社案件
この方法は僕が色々な方の話を聞いたりして集めた情報を実践した最終的に落ち着いた方法なので、良く色んな方が実践する方法であると思います。
いわば王道の勝ち方。
ただ、この方法で全くハマらなかった自社案件。
つまるところでいくと、画像バナーが何してもCPC150円を割らないところ。
CPC91円まで持っていてCPA6,500円かぁ~。ROAS出るかこれ?wwみたいなノリでした。
多少当たったものでもで日予算1万円ぐらいのテストまではハマるのに、3万円以上を入れると急激に悪化。CVRが激減し、記事遷移率まで落ちる始末。
当時の僕はこの謎現象を解明できず、案件のせいにする始末。
ただ、テスト段階では異様に良い数値をたたきだす案件だからこそ、全く取れない案件ではないというところは明確にわかっていました。
自社運用は日予算を抑えて、他社運用に切り替えるかと思っていた時にある方法を試してからにしようと思いました。
5.王道配信をやめて邪道配信をする
①工数排除の逆をいく
運用者にとって最小限の工数でROASを叩き出すのはいわば使命でもあります。とくに複数案件を触る方となれば、なおさら気を付けないといけないところで無駄な検証をいかになくすかが大事です。
まあ、自社商品の場合当てない限りはそんなこと言ってられないので
・マンガ記事をいきなり導入
・クリエイティブを全て動画に切り替え
に移行しました!2つとも結構労力を使います笑
マンガ記事を導入した理由は簡単で、記事遷移率が上がる可能性が高いと思ったからです。当たらない案件にとって記事遷移率の低下は、より確度を下げるポイントです。そこで工数はかかりますが、当たっていない状態でマンガ記事を発注しました!
クリエイティブを動画に変えたのは、画像よりも伝えれる内容が多い動画では、CVRが高くなる可能性があると思ったからです。
1本1本検証テストのために編集するのはめちゃ大変でした笑
②最適化しない広告
Facebookの王道といえば最適化機能をフルで使用するところですよね。今までハマった案件では、この最適化機能を存分に使用させて頂いた記憶があります。
安定期に入ったFBキャンペーンは新規でどうやってそのユーザー見つけんねんというレベルのターゲティングを自動でやっていきます。
しかし、この自社案件では予算を上げると最適化の恩恵を受けるどころか配信すればするほど悪化する始末。
そこであえて「最適化をかけない広告」をすることにしました。
6.具体的に行ったこと
超簡単ですが、当たったキャンペーンの予算を上げて悪化するなら、予算を上げなければいい。それだけです。
でも予算は使わないといけない。
そこで僕はすべての入稿するキャンペーンを
ノンタゲ×日予算1万円
で入稿することにしました。
もちろん、こんなことしては、
などなど、様々な弊害が出ます。
やってみたらわかりますが想像を絶するだるさです笑
7、結果
結論、CPAがなんとか合いました。当時の管理画面がこちら
※あ、すでに垢バンしてます
データは7/1~7/31です。キャンペーンが多すぎるので全て入ってません。キャンペーンの日付は配信を開始した日付です。
ちなみにクリエイティブ別でみると
CPAはけた違いの数値で取れてますが、実際はこんなにCVしてないです。
管理画面はだけ見てるとヤバイので、実際にまとめているシートがこれです。最も収支があった当月のデータはこんな感じ
目標CPA6,500円に対して、7月の平均CPAが3,988円を達成
粗利で5,152,424円を出すことができました。
よくもこんなクソみたいな方法で出せたものだと我ながらに今も思います。
結果として、重複発火させまくることでキャンペーン単位での情報不足はなくなりました。ここは初期構想では意図していなかったことですが、これのおかげでかなりキャンペーン自体は安定したものが多くなりました。
日予算1万円で1~3日回したら情報収集終わるんでこんなに楽なことはないですよね笑
8、当時の僕の運用作業
この方法はとにかくおススメしない理由がいくつもあります。
それは管理が最強にだるいのとFBもここまでやられると正確にCVが取れません。先ほどのキャプチャ見て頂いてもわかると思いますが笑
Facebookのアトリビューションは絞り込んでもクリック後1日。
しかし当時の僕の配信方法はおそらく1日で全く違うクリエイティブを同じユーザーに複数回出る仕組み。
天下のFB様でもCP単位のCVズレはやばかったです。
具体的に何が起こるかというと、1件のCVを複数のCPが同時に取得してしまいます。この異変が起きだしたのは1つのアカウントに1万円のCPを10個ぐらい入れたときに起こりました。
最終的なCVがどれか把握できなくなってしまって、キャンペーン上に異様なCV数が発火します。やばいやつだと日予算1万円で10件ついたりとか(MAX20件行ったことありますw)
ただ実際のCV数とは異なり、1万円のセットでMAX取れても4~5件で平均的に2~3件といったところでした。
つまり毎日次の日にコード別のリアルCV数と媒体上の上乗せされた状態のCV数を照らし合わせないといけません。
中には媒体で10件上がってるけど、実際には1件も取れていないなんてこともざらにありました。
この分析が死にます。コードもテストを含めると常時40本以上を管理していて、間違えて同じコードで2つ回してしまった時には、どっちのキャンペーンからCVが上がっているのか全くわからないなんてことになります。
この方法でもう一つダルいのはクリエイティブを作るスピードです。検証した結果、全く同じクリエイティブは数字を悪化させるスピードが異常なので常に新しいものを作らないといけません。
だいたい1CPに3つのクリエイティブを入れていたので、常に20個のCPを動かしていた僕はそれだけで60個のクリエイティブを入稿していたことになります。
そのうち1週間で生き残るのは、10個程度で、残りの10個は徐々に効果が悪くなります。
3日CPAが合わなければ切るというラインを引いて、3日間でCPAが合わないものは、止めて止めた数だけキャンペーンを入れていました。
これをしていくと、どんどんROASが良くなっていき、最終的には3日間ROAS150%を切ったクリエイティブは止めるなんていう無敵期間もありました。(よりROASが高いCPだけ残していくためです)
9.途中で出てきた仮説と検証結果
1.当たりクリエイティブというか当たりモデル
この方法で面白かったのは、動画クリエイティブの内容です。
結果として、数値が良い人物は、何を入れても数字が良くて、悪い人物は何をしても悪い。
僕の極論としては、クリエイティブは人物だ!
ということになり、当たった子の服の色や画角などを分析して、当たっていない子に適応させて数字が改善するかなどを検証しました。
結果としては、顔ですww(悲しい世の中ですね。)
顔がめっちゃ大事です。ただかわいいってだけじゃダメなのでこの辺に興味がある方はDM下さいw
あまりnoteで書くにはふさわしくない言葉じゃないと説明できないので
2.Facebookの目には見えないクリエイティブアシスト
Facebookにもともと4年程度在籍していた人に話を聞いたことがあるのですが、私たちが運用上取得できるのは、最大クリック7日間のアトリビューションと、LPに到達した人がCVしたかどうかまでです。
ただし、実際にはFacebook上ではクリエイティブを見たことあるユーザーが成果地点にどのように到達したかを計測できる仕様?になっているらしく、やたらとマーケティング担当がクリックの7日間を推奨するのはその理由らしいです。
実際にアド運用者からすれば、CVの乖離やASPの成果画面に反映されないCVはクソです。
ただし、メーカーからすれば乖離CVはどこかで上がったCVであり、何かしらの貢献をしています。(※正常にピクセルが設置されているのが前提条件です)
この複数のキャンペーンを同時出稿するのはいわばこの状態を結果的に作り出した可能性は高いのではと考えています。
また結果として乖離しまくるクリエイティブは悪ではなく、事実としてそのCVを生み出すまでに至った「きっかけ」にはなっています。
3.これで取れるの?というクリエイティブで取れてくる
この動画を見てください。
見た方はおそらく、新しく入ったアルバイトが初日に勉強がてら作った動画だと思うでしょう。
実際は僕が作りました。センスなさ過ぎてすみません…笑
こちらのクリエイティブ、実は日予算1万円で20日回してCPA4,000円だったクリエイティブです。
おそらく最初からこれでは絶対に取れません。取れだした際にどんどんクリエイティブをシンプルにしていっても効果が良かったのでここにたどりつきました。
Facebookはよくノンタゲでいいと言われますが、その理由にはCVにより近いであろうユーザーをターゲティングできるという機能があるからだと思います。
通常であれば取れるはずがないこのアルバイト初日クリエイティブでも、CVRが10%出てしまうのは完全に購入層に何度もその広告が当たっているからだと思います。
購入層に何度も当たる中で長ったらしいうざい広告よりかはシンプルでわかりやすい方がいいのでは?と考えた結果このクリエイティブに行きつきました。
4.乖離CVでの最適化学習も悪くない
当初ここまで重複CVが重なるとは思っていませんでした。ただしCP全体でCV数が増えるにつれて全体の効果は良くなっていったのは事実です。
CP単位で最適化の指標となるCVがすぐに溜まる影響で、1万円CPの初動数値は安定したものが多く、外れた場合はすぐにわかるのでクリエイティブテストの消化予算が最小限で済んだのがよりROASを高めれた要因になっていると思います。
最適化無視しよう!が結局えげつないCV数の最適化を引き出すことになってしまったのですが、結果的にはコレがハマったのではと思っています。
10.自社で出た結論
この方法を読んだ方なら、1つ思うことがあると思います。
仮説として、そもそも大当たりクリエイティブではなかったから、伸ばせなかっただけで、大量のクリエイティブを入れている間に、大当たりクリエイティブを捕まえて、取れただけなんじゃ?と
僕はどちらかといえばこのダルすぎる運用法から抜け出したかったので、この仮説を信じ続けていました。
中には1ヶ月以上持ちこたえる1万円キャンペーンがあったので、そのCPのクリエイティブ軸をもとに、別アカウントで日予算3万円、5万円運用してみた結果、またROASは60%とかになりました。
この検証は粗利削っても常に行っていたので、結果としては数か月運用してもついにROASが合う日予算3万円以上のCPは見つかりませんでした。
おそらく自社の案件は、1のCPやセットで予算を20~30万円入れれるほどの当たり案件ではなく、僕が作っていたクリエイティブや記事もそこまでのモノではなかったのでは?という見解になりました。
しかし運用をしていてそのような案件は腐るほどあると思います。取れるのはわかっているけど、予算伸ばしたら数字合わないよ?的なことは言ってもクライアントは納得しないので、イケイケGOGOで予算伸ばして後で怒られるみたいな、、、
まあ、そんな運用者の人の中で、時間があって、暇な人は1度検証してみてもいいかもしれません。(運用者に暇な人はいないと思いますが)
色々な運用設計、運用方法があると思います。別に媒体に進められている方法が合っているわけでもないですし(特にGoogle)、担当者に言われるがままに配信して赤字なんてよくあることですよね(特にGoogle)
ただ、そもそも利益が出る案件ってだいたいどんな方法しても出ます。ただ、どうしても出ない、あと一歩だけで活路がねぇみたいな人は一度試してみてください。全く取れないものがこれだけして取れるレベルの方法ではないので参考程度に。
11.最後に
まあ、結果は出たとしても工数を考えると、決して再現性の高いものではないですが、一度試してみるのはおもしろいかもです。
RTやいいねしてください!!
TwitterのDMでは運用情報共有はめっちゃしたいので、気軽にDM下さい。
あと最後にちょこっとだけ宣伝を
ここまで書いていて恥ずかしながら私は、Facebookの垢バン対策が死ぬほど苦手です。今年の8月末までFacebook広告を触れていませんでした。
そして再開後もCVが出るも不審なアクティビティやFacebookページBANで死んでの繰り返しです。。。
そこでこちらの自社商品を運用して頂ける方を募集しております。
どなたか、この邪道で伸ばせた案件を王道、邪道問わず伸ばして頂きたいです!!
FBアカウント在庫めっちゃあるからいいよ!という人はぜひお願いします
クリエイティブと記事はすでにそのまま使用可であるので、一旦1万円キャンペーンで出稿してみませんか?
再開後も低予算ながらもCVR10%、去年に及ばずながらもCPA5,000円、CPMも1,000円付近(調子いい時は600円とか)で出ているので少ない予算であれば数値は合わせられると思います。
気になる方はDMかチャットワークでお問い合わせください!
マンガ記事のCVR上げるコンテンツについて
マンガ記事やってみたいという人は多いと思いますが、実際自分がやってる身として、工数めっちゃかかります。の上に外注すると高い!!
ということで完全なる追記ですが、このマンガ記事を元にマンガ記事サービスを展開しています!
詳しくはこちら→マンガ記事の制作に関して
押しポイントはこの単品ジャンルの案件でCVR10%を叩きだした際に取った記事データです。改善ポイントをわんさか学びました。
単に遷移率が高いだけのマンガ記事では絶対に数字合わないので、興味ある方はぜひ!
チャットワークID:ajinomoto
(味の素です)
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