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Cの辺り 推し本
『鉱物と理科室のぬり絵』
ルーチカ(さとうかよこ & ささきさとこ)/ 著
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ぼくは理科が一番好きで、『子どもの図鑑』などをよく読んでいました。
絵を描くのも好きだったので、子どもの頃にこんな図鑑のようなぬり絵の本があったなら!…あんなペラッペラな教科書なんかよりよっぽど理科の時間が楽しかっただろうなと(笑)
この本には和名、英名、学名、分類、産地などが載っていて、それだけでもなんだかわくわくします。ぼくは無駄に学名が好きだったりします。ラテン語かっこいい!!
鉱物には興味があまりなかったのですが、なんの色もついていない姿だけを眺めていると…「これって、一体どんな色合いなんだろう?」と知りたくなって、実物に触れてみたいな〜な気持ちが浮かんできます。
他もそう。
「見る」だけではなく、実際に触れてみて、奥の奥まで眺めてみたい。
そんな好奇心がむくむく浮かんでくる一冊です^^
そんな感じで、ぱっと見てこの本が気に入ったのですが、めくっていって最後の方のページに載っていた【 蝶と蛾の区別 】というコラム…心に響いたんです。
国や研究者によっては、蝶と蛾は区別していないのです。しかし、日本では止まっているときの翅の状態、触覚、活動時間によって分けられています。
実際にはタテハチョウにも羽を開いて止まるものがいて、翅の状態だけで区別することはできません。
蝶と蛾の違いを考えたとき、一番の違いはその呼び方による印象かもしれません。蝶は好きでも蛾を好きという人は少ないでしょう。
実際には美しい蛾も多く存在します。今回は蛾が苦手な方が多いことを考慮して蝶だけの絵を描きました。蝶の中でも、蛾に近い見た目を持つセセリチョウ科は入れていません。
蝶のページを図鑑的に仕上げるには、本物の図鑑や標本を見て色を塗っていただけたらと思います。その際に、少しだけ蛾のページものぞいてみてください。今回は描かなかった蛾の中にも美しいものを見つけることができることでしょう。
ルーチカ(さとうかよこ & ささきさとこ)/ 著
…ぼくは先日、ちっこい蛾をみかけました。その蛾はきっと、ぼくの存在など歯牙にもかけず、ただただそうあるようにして止まっていたと思います。でも、ぼくはなんだか嬉しかったです。
人は、自分の認識の枠を通してしか物事を捉えることができません。
それでも、だからこそ、その枠の限界を自覚して、それぞれの存在へのリスペクトを抱き、世界に触れて、うつくしい世界を自分なりに表現していけるようになりたいなぁと、思えた一冊です^^
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ぼくは、Cの辺りのライブラリーオーナー。
火曜日は、Cの辺りのお店番をしています。
この本は、Cの辺りライブラリーに並べています。
もしよかったら、手にとってみてください。