見出し画像

『彼らもまた、我が息子』~古くて新しい重い問いと向き合う

俳優座劇場『彼らもまた、我が息子』
物語の力、役者の力に、圧倒された。場は大戦後のアメリカ。家父長としての男の生き方、個人と家族、真実を語ることの正しさや痛み。現在では古くさい、とも断じてしまわれかねないテーマを、重厚に、熱く語りかけ、心を揺さぶられる。一つの真実に向き合う、一人一人の違う気持ちに共感してしまい、混乱もする。一つの言葉遊びもない、第二幕の緊張は、時をわすれてしまった。
吉見一豊さんも山本郁子さんの強さと儚さ、誠実さと狡猾さの表現が見事。佐藤玲さん、堅山隼太さんは、もうストレート一本でガンガン攻める芝居がちょっと荒れ球混じりでも愛おしい。もう、たまらんなあ、この余韻。15日まで。