台湾、慰安婦のこと
明日から台湾だ。
2004年、初めての台湾から10年以上経った。
意識した台湾の歴史を知り始めてから、10年ってことだ。
出会う人々が、素晴らしく感じられた時、僕はその人たちの歴史を知りたくなるようだ。
元々は、音楽が好きで歴史を調べたアメリカやイギリス。
人や文化から興味を持った(つうか、アジア人という括りを意識した)韓国やタイ。
近年だと、先祖の歴史を調べて行き着いたアイヌへの興味や、祖父の痕跡を訪ねたサハリンの歴史。
サハリンの歴史を知れば知るほど、ロシアと日本に翻弄されてきた先住民たちに感情移入してしまう。
戦後、生まれ育った故郷から北海道に移送された樺太アイヌ、千島アイヌ、ニヴフやウィルタの人々の歴史。
そして、樺太と同じように当時は日本に統治されていた台湾のこと。朝鮮半島から徴収されたように、台湾からも従軍慰安婦は徴収されていた事実を知った時の衝撃。近年、日本政府、アジア女性基金によって、調査が行われ、ある結果を得ていたことはあまり知られてはいないのではないか、と最近の我が国の報道に疑問を持っている。
当時の日本国総理大臣、橋本龍太郎の『おわびの手紙』は、このようであった。
元慰安婦の方々への内閣総理大臣のおわびの手紙
このたび、政府と国民が協力して進めている「女性のためのアジア平和国民基金」を通じ、元従軍慰安婦の方々へのわが国の国民的な償いが行われるに際し、私の気持ちを表明させていただきます。
いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題でございました。私は、日本国の内閣総理大臣として改めて、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げます。
我々は、過去の重みからも未来への責任からも逃げるわけにはまいりません。わが国としては、道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
末筆ながら、皆様方のこれからの人生が安らかなものとなりますよう、心からお祈りしております。
敬具
1996(平成8)年
日本国内閣総理大臣 橋本龍太郎
この手紙は、当時の総理大臣が真摯に頭を下げたものだと、自分は思っている。内容は村山首相時代に作成され、96年には橋本首相が継承したものであるはずだ。しかしながら、国内や他国から徴集された人々に同じような謝罪があったかは、自分は不勉強さゆえにわからない。
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